やはり思い出は美しすぎて・・・
こんばんは
神戸メンタルサービスの平です。
昔の恋愛を思い出すと、とても素晴らしく、完ぺきなものだったように感じることがあるものです。
もちろん、それは真実ではありません。真実だったら、その人と別れることはなかったですよね。
でも、なぜか、昔の彼や彼女は素晴らしい人だったかのように思い出されたりして、私たちはこれを“思い出は美しすぎて症候群”と呼んでいます。
この症候群には、あなたがふった側、あなたが別れを切り出した側であるときに陥りがちです。
「彼はやさしくて親切で、いつも私のことを最優先してくれた。完ぺきな人だったのに、なんで別れてしまったんだろう?」
こんなふうに思い出したりするわけですが、それほど完ぺきな人だったら、あなたからふることはなかったはずですよね。
これはどういうことかというと、その当時、別れたいと思った理由や原因となった出来事をあなたが忘れてしまっている‥‥、というより、記憶に残したくないと思ったということが引き起こしているようなのです。
ふった側というのは、相手に対してなにか悪いことをしたような感情をもつものです。
すると、“補償行為”というのですが、その罪悪感を償おうとしますので、「あの人はいい人だった」と自分に言い聞かせるようなことをしたりします。そうやって心がバランスをとろうとするのです。
また、この“思い出は美しすぎて症候群”には、直近の恋愛の相手が、昔の彼と真逆のタイプであるという人がハマりやすいという傾向が見られます。
たとえば、「昔の彼はやさしくて、私の言うことをよく聞いてくれたけれど、直近の彼はリーダーシップがあるのはいいけど、わがままだし、ガンコで‥‥」というような場合です。
直近の彼にはない要素を昔の彼が持っていれば持っているほど、その昔の彼を美化して思い出してしまうのです。
そして、蘇った美しい記憶に押されて昔の彼と連絡をとり、再会してみるというみなさんも少なくありません。
が、そこではじまったおつきあいの半分以上はうまくいきません。彼と会っているうちに、忘れていたことをどんどん思い出してくるからです。
「そうだ、男のくせに優柔不断なので、もう着いていけないと思ったんだった」
「あー、これこれ、このしつこさにウンザリしたんだ、私!」
その一方で、あらためてのおつきあいがうまくいくケースもあります。たがいに、昔の自分のダメな部分やいやな出来事をうまく解決している場合です。
「ほんと、昔の私は、口うるさくてイヤな女だったわよね」
「あのころのぼくは自分のことで精一杯で、どんなにわがままな男だったろうかと思うよ」
かつての問題から学習できていたとしたら、いい恋愛に発展することも期待できます。
が、半数以上のカップルがリバイバルに失敗するということは、相手に対して自分がとってきた悪い態度を、まだまだ認識したり、修正したりということができていないということがいえそうです。
相手のしてくれなかったことに関しては、たぶん、たくさん文句が出てくることでしょう。
しかし、自分のよくないところについて、人の意見を聞いたり、自分で見つめてみたりということができないと、なかなか恋愛を成功に導くことはできないようですよ。
来週の恋愛心理学もお楽しみに!!