「私は心が狭い気がする」と悩む心理と手放すヒント

1.私は心が狭い気がする、というお悩み

カウンセリングで実際に伺うことがある、この「私は心が狭い気がする」というお悩み。
みなさんも感じたことありませんか?

この状態で人と接したり日々生活するのは、どこか人と距離を感じるかもしれませんね。
どちらかというと、自分を否定的に捉えているともいえますし、どんよりした気分になることもあるんじゃないかなと思うんです。

ただ、心が狭いと感じていること自体が、悪いわけではないんですよね。
そのことを知っていただくことで、少しでも気分が軽くなればいいなぁと思ったりするんです。

ということで今回は、「私は心が狭い気がする」と悩む心理と手放すヒントについて、お伝えしたいと思います。

2.「心が狭い」と悩む人の心理パターン

心が狭いと悩む人の心理状態というのは、
なんらかのネガティブな刺激や怖れの対象から、心理的に自分を守っている状態と考えられます。
そしてこれは、「心が狭い」と感じる自分でいることで、自分の中の嫌っている要素を見なくて済む、と感じている可能性を含んでいます。

そこには様々な心理パターンがあります。
例えば、
① 過去にひどく傷ついた経験(トラウマ)がある場合
→また同じように傷つきたくないと感じ、人や社会と距離をおきたいと感じる。
② 何かの理由で強いストレスを感じている場合
→出来事に対していつも以上に敏感になり、ゆったりした気持ちでコミュニケーションできないと感じる。
③ 未来に対して不安がある場合
→未確定なことを考え続けることで気持ちが不安定になり、他人に優しくできないと感じる。

このように、自分の中にある「トラウマ」「ストレス」「不安」など、ネガティブな要素を見ない為に、人や社会と距離を取るなんてこともあると思うんです。

ただこの状況、人に優しくできなかったり、上手く関われない自分に対して「だめだなぁ」という気持ちが出てきやすいと思うんですよね。これが罪悪感といわれるものなのですが。

そして、
本当は優しくしたいのに、できない。
本当は上手く関わりたいのに、できない。
その気持ちが、「心が狭いのかもしれない」という感覚に繋がってくるのではと思うのです。

3.「心が狭い」と悩む人は、自分の攻撃性を怖れている

実は、心が狭いと悩む人は、自分の中にある「誰かや何かを傷つけてしまったらどうしよう」という、自分の攻撃性を怖れているとも考えることができます。

冒頭で、心が狭いと感じる状態は、心理的に自分を守ろうとしている状態だとお伝えしました。
そのために、人や社会と距離をとります。

これ、表面上は自分を守るためにしていることのように見えますが、実際それだけではないと思うんですよね。

・人に優しくできない。その状態で人に近づいたら、傷つけてしまうかもしれない。
・相手とうまく関われない。その状態で相手に近づいたら、不快な想いをさせてしまうかもしれない。

このような状態を回避するために、自分から人と距離をとっている可能性も、十分にありえるなと思うのです。

ただ、「自分は心が狭い」と感じている人は、強い自己否定の気持ちを感じていることも多く、相手を傷つけない為、つまり「守るため」に相手と距離をおいているとは、なかなか気づきにくいのかなぁなんて思うんですよね。

つまり、一番お伝えしたいことは、実際に感じていらっしゃる感情とは裏腹に、
心が狭いというお悩みを持つ人は、実は相手のことを大切にしたいという気持ちが大きい人だといえる、ということなんです。

4.「心が狭い」という悩みの手放し方

ではさいごに、心が狭いという悩みを手放すためのヒントをお伝えしたいと思います。

① 心が狭いと感じたときは、実際に起こっていることを客観的に見る
心が狭いと感じたとき、心の中には怖れや不安が出てくるかもしれません。そんな時は、現実として実際に起こっていることに意識を向けてみてもいいかもしれません。例えば、何も悪いことが起こらないという経験を重ねることで、「心が狭い」と感じること自体が、気にならなくなるかもしれないなぁなんて思うのです。

② 「心が狭い」と感じることが悪いわけではないという視点をもってみる
心が狭いと悩むという事は、心が広くなりたいと感じているのかもしれません。それも、もちろん間違いではないですよね。
ただ、どちらが良くてどちらが悪いというのはありません。今感じている気持ちには、全て意味があります。
それを否定せず、なぜそう感じるのか理解してみるということも大切です。

③ 誰かに話してみる
「心が狭い」というのは、相手があってこそ感じるものも多いのではと思います。
だからこそ、そう感じている気持ちを信頼できる誰かに打ち明けてみると、自分ひとりでは気づけない視点をもらえることもあるかもしれません。

5.さいごに

いかがでしたでしょうか?
「私は心が狭い気がする」と感じることは悪いことではありません。
そして、無理に変える必要も、自分を責める必要も、ないと思うんですよね。

ただ、その気持ちで本当は関わりたい人や社会と距離を取りすぎてしまっているのであれば、すこしもったいないなぁと感じたりします。
だからこそ、「心が狭い」ということに凹むのではなく、自分のパターンや、その奥に眠る本当にやりたいことに目を向けてみてもいいかもしれないな、なんて、思っています。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

問題の核心を導き出す丁寧な質問力に定評がある。本人も気づかない感情やその人の本質、才能を言語化するのに長け、「なんでわかるの?!」と驚きの声も寄せられている。大手企業での営業、講師など、ビジネス経験を活かした具体的な提案で、転職・起業・結婚など次のライフステージへ進む人も多い。