愛されるより愛してあげるという思いが相手に伝わりお互いの心をつなぐ力になる
前回は、子供時代に代表される過去の「わかってもらえなかった」「愛してもらえなかった」と感じていることを、目の前のパートナーに重ねていること。
また、過去のその人(両親など)には、できない理由があったのではないか、と理解することにチャレンジすることで、見方捉え方が変わる。
こんなお話を書かせていただきました。
このことは、今、パートナーに感じている「わかって欲しい」「愛して欲しい」等のニーズを扱っていくのにとても役に立ちます。
それは、過去の誰か(両親など)を理解するというチャレンジを、同じようにパートナーに向けていくということなんです。
パートナーが自分の気持ちを「わかってくれない」と感じる時。
不満や怒りではなく「この人にも、きちんとした理由があるのではないか?」と考えてみます。
例えば、誰かの話を聞く余裕がないということが理由の一つとして考えられます。
・最近、彼は仕事が忙しくて余裕がない
・彼女は実家のお母さんが入院して意識がそちらに向いている
こんな感じです。
他にも、そもそも相手に伝わっていない、というケースもあります。
・こちらがパートナーにわかるように話せていない
・つい我慢してしまい相手に自分の不満が伝わりにくい
こんな感じ。
この場合は、パートナーというより自分の方に理由があるということになります。
いずれにしても、過去の誰かを理解していった時と同じように、愛されていないという誤解を自分がしているのではないか、という視点が大切になってきます。
最初は、このやり方と同じように
「この人を理解してみよう」
というチャレンジがスタートになります。
こうした見方をしていって、理由を探していくと、段々とパートナーの本当の気持ちがわかってきます。
すぐには難しい場合もありますが、この見方をしていくと、
「疲れているから話を聞いてくれないだけかもしれない」等のように、理解の目が大きくなっていき、その度合いだけ相手への不満や怒りは減っていきます。
それは「愛されていないわけではない」ということを感じられるようになるからなんですね。
ここに気づかないと「愛されてない」という誤解を持ったままになってしまい、いつまでも不満や怒りは減らすことができません。
◇「自分がして欲しいことはまず自分からしてあげる」の意味を考えてみよう
誰かを理解するとは、その人をわかってあげる、ということです。
わかってあげると、相手が自分のことを、わかりたくないわけでも、愛していないわけでもないことがわかる。
すると、相手からわかってもらえるのではないか、という思いが感じられるようになります。
「自分がして欲しいことはまず自分からしてあげる」
という言葉を聞いたことがある方もおられるのではないでしょうか。
私は、このやり方が効果的なのは、こうしたことが理由の一つだと思っています。
「愛されるより愛する自分になる」というのも同じ意味になるのではないでしょうか。
まずは、自分の中の「わかってくれない」「愛してくれない」ではなく、パートナーを愛したいという気持ちを持つことから始めてみましょう。
そして、愛したいという思いを持ってパートナーのことをよく見てあげます。
すると、今まで見えてこなかったものを感じることがあります。
今、パートナーについて思いを馳せてみてください。
彼は最近、忙しくなかったでしょうか。疲れていないでしょうか。
無愛想な中に、悲しみや寂しさはなかったでしょうか。
こんな思いで見てあげて、自分が無理したり犠牲したりしないように気をつけながら、具体的に愛を送ってみましょう。
挨拶をする、お菓子を買ってきてあげる。こんな小さなことでいいのです。
こうした、あなたからの、わかってあげたい、愛してあげたい、理解したいという、思いは何となく相手に伝わるものです。
すると、この思いにパートナーが反応して、あなたを見てくれるようになります。
◇自分のニーズにとらわれると心の扉が閉じてしまう
パートナーに対して「わかってくれない」「愛してくれない」と不満や怒りを持つことは、心の扉を閉じてしまうことになってしまいます。
こうした自分のニーズばかりを見ている時というのは、自分の方ばかり見ていて、相手の方を見ることができていません。
言ってみれば、自分で自分の心の扉を閉めているようなものだと思うのです。
心の扉を閉ざしてしまうと、パートナーはあなたの心に触れることができません。
時には相手も心の扉を閉ざしている場合もありますが、いずれにしてもパートナーの心の扉を開く鍵は、自分が最初にこの扉を開くことにあります。
自分を見るのではなく、相手を見てあげる。
わかって欲しいではなく、相手のことをわかってあげる。
愛して欲しいではなく、相手のことを愛してあげる。
この姿勢と意欲がパートナーとの心のつながりを作っていく力になります。
(完)