恐れが制限というものを作っているというケースがあります。
過去の体験で失望したり、悲しい思いをしたり、嫌な思いなどの痛い体験をしたことがあり、そしてその痛みがまだ癒えていないと防衛からもう痛い思いをしたくないという恐れが強くなることが多いようです。そして制限も強くなります。
その痛みを癒やしていくことで制限が取り払われビジョンを描きやすくなるのです。
恐れが正体の制限
前回ビジョンを描く時に何らかの制限が加わっていることがあるということを書きました。
この制限の正体は単なる思い込みという場合があります。
両親や友人から聞いた言葉により『結婚とはこんなものだし・・・』『仕事とはこういうものだし・・・』というような思い込みを作ってしまっていたということがあります。
その他に恐れが制限というものを作っているというケースがあります。
嫌な思いや、痛い思いをしたくないという恐れが制限を作るのです。
例えば、本当に欲しいものを望んで叶わないのと、最初からどうせ無理と思っていて叶わないのはどちらがショックなような気がしますか?
後者ですよね。
望んで叶わなくて、がっかりしたり、失望したり、悲しい思いをしたり、嫌な思いをしたくないですから。
過去の体験で失望したり、悲しい思いをしたり、嫌な思いなどの痛い体験をしたことがあり、そしてその痛みがまだ癒えていないと防衛からもう痛い思いをしたくないという恐れが強くなることが多いようです。そして制限も強くなります。
癒えていない過去の痛みがありその為恐れからくる制限が作られていているようなら、逆に言うと癒えていない痛みを癒やしていくことで制限を取っ払っていくことができるわけです。
そうすると、もっと自由にビジョンを描けるわけですね。
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A子さんの例え話
私は良い人と出会って幸せになる自信は全くありません。ということに自信を持っているA子さんという女性がいたとします。
なぜ良い人と出会って幸せになれると思えないのかを尋ねると、A子さん曰わくは私みたいに取り柄がない女は魅力的な人からは選ばれない気がするとのこと。
それが制限となりA子さんは幸せなビジョンを思い浮かべることが難しくなっていました。
しかしA子さんの言うように何か取り柄がないとお付き合いはできないものかと考えると、世の中何かに特別に秀でているものを持っている人だけがお付き合いをしているかと言うとそうでもなさそうです。
カウンセリングを進めていくとお父さんとA子さんと妹さんの関係が見えてきました。
子どもの頃のA子さんの視点ではお父さんはA子さんより妹のほうを可愛がっていたように見えたようでした。
その体験からA子さんには妹のほうが大切で私は選ばれないという悲しみが心の中に残っていました。
その痛みから選ばれないことへの恐れが作られ、それが制限になっていました。
その為、子どもの時代に作られた痛みを癒やしていくセラピーに取り組みました。
(*インナーチャイルドと言います)
A子さんと瞑想をしていきました。
イメージの中で私は愛する人からは選ばれないんだと思っている子ども時代のA子さんに会いに行きました。
イメージの中で愛する人からは選ばれないんだと思っていて悲しんでいる子どもの頃のA子さんを抱きしめてあげて、その悲しみを感じていっぱい泣きました。
そして「大丈夫、将来好きな人と結婚できるよ」と子ども時代のA子さんを安心させてあげる言葉をかけていきました。
イメージの中の子ども時代のA子さんが安心できたような顏に変わっていくように何度もセラピーをしていきました。
そうしていくことでA子さんの中の私みたいに取り柄がない女は魅力的な人からは選ばれないという制限も緩まっていき、A子さんは幸せなビジョンを描けるようになっていきました。
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制限を作っている癒えていない過去の痛みを癒やすとビジョンが描きやすくなります。
制限が加わっていない、本当に欲しいものや本当にそこに行きたいと思えるビジョンが見つかるといいですね。
(完)