権威との葛藤とは、自分が権威ある立場になることへの葛藤です。
今回担当させていただく大門昌代です。
どうぞよろしくお願いいたします。
このようなことってないでしょうか?
◆なぜかいつも目上の人に対して、怖いと感じて距離をとってしまう
◆なぜかいつも目上の人に対して、反発を感じて攻撃してしまう
◆なぜかいつも目上の人から評価されずに、引きこもってしまう
◆なぜかいつも目上の人に評価されようと、頑張りすぎてしまう
目上の人、年上の人に対して極端に苦手意識を持っている場合もそうですが、上記のようなパターンを持っていると、なかなか会社など上下関係があるような場面で、思うように振る舞えず、問題を抱えてしまうことが多くなります。
このように目上の人や、年上の人との間でうまくいかない問題を抱えている時、そこに「権威との葛藤がある」なんて言ったりします。
権威との葛藤というのは、権威ある立場に自分が立つことへの葛藤なのですが、どうして上記のような問題が起こるかというと、例えば、目上の人に対して怖いと感じて距離をとってしまうことによって、目上の人から可愛がられなかったり、必要なことを教えてもらえなかったりしますよね。
そうなることによって、自分自身が権威ある立場になることを避けていると言えるわけです。
反発を感じて攻撃しても、引きこもってしまっても、頑張り過ぎて燃え尽きても、やはり自分自身が権威ある立場になることを避けてしまうようになりますよね。
意識的には、自分も高いポジションにいきたいなんて思っていたりしても、心の中に権威との葛藤があると、このような問題を抱えてしまうことって少なくないのです。
権威との葛藤というのは、権威と自分が対立して喧嘩している状態なのです。
権威との葛藤があると、どういうことが起こるか?
自分がグループのリーダー的立場になることや、自分が親になる、自分に面倒をみてあげる部下ができるときなどに、以前あなたから見て権威だった人達との葛藤が出てきます。
昔、あなたが権威ある立場の人から、教えてもらってた立場だった時に、何を感じていたかが問題になってくるのです。
例えば、『もっとちゃんと面倒を見ろよ!』と思っていたとしたら、あなたが権威ある立場に立とうとすると、同じように『もっとちゃんと面倒を見ろよ!』と思われるのではないか?という怖れが出てきます。
例えば、『凄いな~完璧な人だな~』と思っていたとしたら、『自分は完璧にできるだろうか』という怖れが出てきます。
怖れがありますから、その立場につく事に抵抗してしまいます。
そして、『私は、そんな偉い人ではないですから・・・』と自分が権威を持つことを拒否してしまうのです。
ところが、好むと好まざるとに関わらず、私たちはある程度年齢を重ねてくると、権威を持つことを求められます。
進級すれば、自動的に後輩ができますし、会社でもどんどん後輩が入ってきて、やがて部下となります。
結婚して子供でもできれば、嫌だと言っても、子供から見れば権威ある立場になってしまうわけです。
その時に、年下の人達に、後輩の人達に、何を教えてあげられるか?
どんな姿を見せてあげられるか?
ここで葛藤が生まれます。
『自分にできるだろうか?』『攻撃されないだろうか?』
その怖れや葛藤を乗り越えていくには、昔あなたにとって権威的な立場だった人を、許してあげたり、認めてあげたりしなくては、超えていけません。
権威との葛藤のパターンは、自分が育った家族の中でのパターンからやってくることが多いものです。
私たちが子供の時の家庭内の権威者とは、大人である両親や祖父母、年上の兄弟となります。もちろん家族構成によっては、おじさんやおばさんが、権威者であったということもあるでしょう。
権威者が父親ということが多いですが、中には、お母さんの方がお父さんより力を持っているというときなどは、家庭での一番の権威者はお母さんとなります。
おじいさんが、一家を仕切っていたという場合は、一番の権威者はお爺さんとなります。
権威を持った大人から可愛がられたのか、反発を感じたのか、いつも怒られてきたのかなどによって、大人になってから学校や職場、何かのグループなどで、先生、上司、先輩、リーダーに対するパターンを作ります。
権威との葛藤を癒していくには、子供時代に「あんた期待はずれ!」とレッテルを貼った人が、なぜ期待にこらえられなかったのかを理解していくことが大切です。
不満や怒りをなくしていくのです。
なぜできなかったかを理解することで、不満は解消されていきます。
怒ったままでは、自分も怒られるのではないかと感じて、いつまでたっても自分が権威をもつことを自分に許可できませんから、権威者を理解し、許すことで、自分が権威を受け取ることができるようになっていくのです。
簡単ですけれど、参考になりましたら幸いです!
ありがとうございました。
(完)