パートナーシップの問題とエディプス・コンプレックス

エディプス・コンプレックスがもたらす恋愛への影響とは

心理学の中にはエディプス・コンプレックス呼ばれるものがあります。このエディプス・コンプレックスはかなり複雑勝つ深い概念なのですが、あえて簡潔にお伝えすると「異性の親をめぐる葛藤の心理」となります。このエディプス・コンプレックス(エレクトラ・コンプレックス)の影響で「パートナーの愛を受け取れない」「一番に愛されることを選ばない」といった恋愛パターンを作ることがあります。

パートナーシップの問題とエディプス・コンプレックス

心理学の中にはエディプス・コンプレックス呼ばれるものがあります。

このエディプス・コンプレックスはかなり複雑勝つ深い概念なのですが、あえて簡潔にお伝えすると「異性の親をめぐる葛藤の心理」となります。

とくに幼少期の異性の親の「愛」をめぐって同性の親との心理的な争いにおいて、愛を獲得すれば勝者となり、奪われれば敗者となるという考え方です。

(※女性の場合はエレクトラ・コンプレックスとも呼びます)

この心理学講座にもエディプス・エレクトラコンプレックに関する記事がたくさんありますので、そちらも参考にしていただきながらご覧いただきたいのですが

このエディプス・コンプレックス(エレクトラ・コンプレックス)の影響で

「パートナーの愛を受け取れない」「一番に愛されることを選ばない」

といった恋愛パターンを作ることがあります。

その理由は、異性の親との関係が、エディプスの勝者の場合、罪悪感を、敗者の場合、無価値観を生みだす一つの要因になる、という部分にあります。

パートナーシップの中で心地よいのは「セカンドポジション」

さて、エディプス(エレクトラ)の勝者、敗者ともに、二番手のポジションをなぜか選ぶことが多くなる、という考え方があります。

もっとも分かりやすい例、浮気や不倫ですよね。

エディプスの勝者は、異性の親を同性の親から「奪った」と感じ、罪悪感を感じます。が、同時に「奪うということ」にも自信を持つことがあるんです。

だから、無意識的に既婚者など「すでにパートナーがいる異性」に惹かれやすくなったりするのです。

が、本人も何故惹かれるのか、何度も既婚者との恋をするのはなぜか、に気づいていないケースもあるようですよ。

一方、エディプス(エレクトラ)の敗者の場合は、異性の親にとっての「二番目のポジション」となることから、「一番に愛されること」を怖れるようになる、なんて考え方があるんです。

一番に愛されたら怖いことが起きる、申し訳ない、居心地が悪い、居場所がなくなるような気がする・・・。

そんな漠然とした感覚を覚える方もいるとかいないとか。

その結果、パートナーがいる異性のセカンドポジションがとても心地よい、と感じることがあるようですね。

パートナーシップの問題とエディプス・コンプレックスの事例

「ある男性の話。

母親はいつも高圧的でいつも威張るタイプの父親に従い、子どもよりも父親のお世話に明け暮れていた。

また、その男性も幼少期の頃から父親を怖れ、あまり近づかず上手なコミュニケーションを取ることができていませんでした。

その男性が大人になり、恋愛すると、いつも彼女と親密な関係になることが苦手、という問題を持つようになりました。

自分のことを好いてくれる女性はいるのですが、なぜか愛されると逃げたくなったり、居心地が悪くなって距離をおいてしまうのです。

もちろん自分でもその理由がわからず「恥ずかしがりな屋のだろう」と思っていたのです。

ただ、あまりに愛されると逃げたくなる、居心地が悪くなることを繰り返す彼は、結婚相手に居心地の悪くならない女性を選ぶことになります。

それはそこまで愛情表現をしない控えめでおとなしい女性でした。

その居心地の良さからその男性もその女性との関係との関係に満足していましたが、次第に愛情表現のない夫婦となっていきます。

そして、ある時、あまりの愛情表現がない関係を続けた結果、彼自身がとてもさみしくなり、他に浮気相手を作りパートナーを裏切ることになってしまったのです」。

※この他の事例などは心理学講座のバックナンバーにたくさん載っていますので、そちらも参考になさってください。

これは一つのエディプスの敗者パターンの事例ですが、この事例の中には、、自分自身が「パートナーの愛を受け取れない」「一番に愛されることを選ばない」という部分が見えてきますよね。

エディプス・コンプレックスを癒やすアプローチ

エディプス・エレクトラコンプレックスを扱うにはかなり深層心理的なアプローチが必要になる、と考えられています。

実際のカウンセリングではイメージワークやセラピーを使うことになるんですけどね。

ちなみに、どのようなイメージでアプローチするかといいますと

勝者パターンは奪ってしまった罪悪感を手放すアプローチをします。

例えば、エディプスの勝者の場合は、お母さんをお父さんにお返しする、というようなイメージになります。(エレクトラの場合はお父さんをお母さんに返す)

敗者パターンは選ばれなかったという誤解を解いて無価値感を癒すなどのアプローチをします。

エディプスの敗者の場合は、お母さんから愛情をもう一度受けとりましょう、というようなイメージになります。(エレクトラの場合はお父さんの愛情を受けとる)

ただ、こうして文字にすることは簡単なのですが、読んだだけですんなりできるものではないことが多いと思います。

大切なのは、一人で頑張ろうとしないことでしょうね。

そして、勝者パターン、敗者パターンともに癒やすことで得られる恩恵もある、と言われています。

エディプス(エレクトラ)の勝者は、自分の魅力やセクシュアリティを輝かせることができる。

エディプス(エレクトラ)の敗者の場合は、パートナーや周囲から与えられる愛をまるっと受けとれるようになる。

普段はなかなか気がつくことができませんが、見つけ出せるとパートナーシップのパターンを変えるきっかけになるやもしれませんね。

(続)

心理学講座4回シリーズ/同シリーズ記事はこちら
  1. パートナーシップの問題と権威との葛藤
  2. パートナーシップの問題と競争の心理
  3. パートナシップの問題とエディプスコンプレックス
  4. パートナーシップでの「自立を超える」方法 〜アテにできない自分を超える〜
この記事を書いたカウンセラー

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年間400件以上の面談カウンセリングを行う実践派。「男女関係向上・男性心理分析」「自信・自己価値向上」に独特の強みをもち、ビジネス・ライフワーク発見なども対応。明快・明晰かつ、ユーモアと温かさを忘れない屈託のないカウンセリングは「一度利用するとクセになる」と評され、お客様の笑顔が絶えない。