仕事が多忙を極めているときでも、さらに仕事を頼まれたりして、自分が対処できる量を超えるキャパオーバーになって困ることがありませんか?
もう無理!と爆発しそうな毎日を送っているあなたに、職場でキャパオーバーになりやすい人の心理的な理由と、その対処法を紹介させてください。
◇職場でキャパオーバーになりやすい心理的な理由
職場でキャパオーバーになりやすい代表的ともいえる心理的な理由は、「忙しそうにしてしまうと、愛されなくなる怖れ」を抱えているために、忙しくても平気な顔をしてしまうというものがあります。
・ 忙しくても平気な顔をしているとは
忙しいからといって、鬼の形相になったり、髪を振り乱したりしたくないなど、ポーカーフェイスでいたいと思う人もいらっしゃいますよね。
平気な顔をしているつもりはないが、辛い気持ちが顔に出ないんだ、という人もいらっしゃるかもしれません。
辛くても、弱音をはくのが苦手な方もいらっしゃいます。
・平気な顔をしているとキャパオーバーになりやすい理由
当たり前だと思われるかもしれませんが、心の中で「忙しい!」とどれだけ叫んでも、平気な顔をしていると、周囲の人たちにその忙しさは伝わらないことが多いですよね。
すると、
「あの人は仕事をどれだけお願いしても、平気な顔をしてドンドンやってくれる有能な人だ」
などと思われてしまうこともあるでしょう。
いろんな仕事が次から次へとやってきても不思議ではありませんよね。
周りは、まさかあなたがキャパオーバーであっぷあっぷしているとは、想像さえしていないこともあるのではないでしょうか。
・なぜ平気な顔をしてしまうのか
ポーカーフェイスでいたい、辛い気持ちが顔に出にくい、弱音をはけないなど、いずれも意識にのぼらない深層心理レベルでは、人に弱みを見せてしまうと愛されなくなる怖れがあることが考えられます。
たとえば幼少期などに、やるべきことがうまくできずに、ひどく叱られて心が傷ついた経験が度々あったとします。
すると、もう二度とそのような経験をしたくないと思い、一生懸命努力をするかもしれません。
その場合、努力をしてきたことはもちろん素晴らしいことですが、自分が「失敗する」「うまくできない」ということがあったら、またきっと誰かにひどく叱られるかもしれないと感じてしまうことがあるのです。
そのため、「うまくできないかもしれない」という不安な気持ちがあったとしても、他人に気づかれないようにしなくてはならないと、無意識に感じてしまうため、どんなに辛くても平気な顔をしてしまうことが考えられるのです。
これは心の投影というしくみによるものといえるでしょう。
投影とは、心の中の感情、経験、過去に出会った人などを、目の前に見える世界に映し出すことをいいます。
過去に自分がうまくできなかったときに、ひどく叱った人たち(たとえば親など)のように、今目の前にいる人たちも、自分が仕事でキャパオーバーだと知ったら、自分は愛されなくなってしまうかもしれない、などという怖れを感じてしまうことがあるのです。
◇職場でキャパオーバーになりやすい状態を卒業するための対処法
職場でキャパオーバーになるのは、なにより本人が辛いことですから、少しずつでもそんな自分を卒業したいと思われるなら、次のことを試してみることをおすすめします。
・キャパオーバーであることを認める
まずは、自分がいまキャパオーバーになりそう、すでになっている等を、認めてみましょう。
特に辛い思いが顔に出にくい人は、心の底で「キャパオーバーな自分なんてダメ」と思っている場合があります。
自分に寄り添い、現状を素直に認めてあげることで、自分を責めることから解放されると考えられます。
それにより安心感をおぼえて気持ちが前向きになれば、解決策を探そうという思いにもなりやすいかもしれません。
認めてしまったら、もう頑張れなくなるから怖いと感じる方もいらっしゃるでしょう。
身動きができない状況では、勇気をもって人に助けを求めることも必要かもしれません。
ひとりでは難しい場合もあるので、信頼できる人やカウンセラーに相談することもご検討くださいね。
・キャパオーバーであると伝える
これまで周りに対し、あなたがキャパオーバーであることが伝わっていないようであれば、上司などの適切な人に伝え、対処をお願いしましょう。
キャパオーバーであることは恥ずかしいことではありませんが、もしも恥ずかしいことだと感じるならば、「お恥ずかしいことではありますが」、もしも仕事を減らさなければならないことが悔しいと感じるならば、「本当はすべてやり遂げたいのですが」「私の力不足で恐縮ですが」などの枕詞を使うことで、伝えることに対する抵抗を軽減できるかもしれませんので、こちらも検討してみてくださいね。
無理をして仕事が滞ったり体調を崩したりしてしまうよりも、あなたが元気に仕事を続けられることが、あなただけでなく職場や関係者の方々にも嬉しいことのはず。
どうかご自分を大切にすることを忘れないでくださいね。