セックスレスについて

相談者名
もも
お互い30後半です。
付き合って通算12年ですが、一度彼の浮気が原因で別れました。
喧嘩をしたあと私に対して気持ちがなくなり、レスからの浮気でした。
復縁を申し込まれたのでやり直しましたが、ずっとレスです。
私は正社員なのに自分は非正規でお金が無く、我慢させている事と自信の無さが原因、と言いますが、浮気をした時も非正規で状況は一緒です。
私自身、話し合いを持ちかけたりアピールしたりしましたが、話し合いをした時は「頑張る」と言いますが、何の変化もなく段々彼に性欲が沸かなくなりました。
ですが、もう一度求めあえればという気持ちもあります。
浮気発覚時、浮気相手は恋愛で私に対しては愛情だからセックスしなくていい、と言われたのがずっと引っかかってます。
どのように解決すればよいでしょうか。
カウンセラー
服部希美
ももさん、ご相談いただきありがとうございます。
今回担当させていただきます、心理カウンセラーの服部希美です。
どうぞ、よろしくお願いします。ご相談文、拝読させていただきました。
大切な人とセックスレスを解消して、もう一度求め合いたい、というご相談ですね。お付き合いして12年という長い年月の中で、彼の浮気問題などもおありだったとのこと。
そういったピンチもお二人で乗り越え、現在もお付き合いが続いていること。
心のつながりの点に関しては、お二人の固い絆のようなものを感じました。

ただ、関係は復活したにも関わらず、セックスに関しては二人の間に距離ができてしまっている。
この状態はももさんにとって、とても寂しく、もどかしく、そして不安な状態にあるのではないかなとも感じました。

また、ご年齢的にも、今回書いていらっしゃらない部分での葛藤などもお持ちかもしれませんよね。

そんな状態が長く続いているということや、話し合いをしても何の変化もなかったことで
ももさんのつらさが限界まで積み重なってしまい、彼に性欲を感じなくなってしまったという可能性が考えられるのかなと感じました。
なぜなら、求めても辛い気持ちになるだけだから・・。

「いっしょにいるということは、愛されているということ」「今、日常はうまくいっている」だけでは片付けられない、心のひっかかりをずっと感じていらっしゃったのかなと想像すると、すこしでもこの回答がお役に立てたらと願ってやみません。

セックスの問題は、相談しにくかったりもしますし、このようにご相談を送っていただくことも、とても勇気が必要だったのではないでしょうか。
信頼してご相談くださり、ありがとうございます。

ただ、最初にお伝えしておきたいことは・・
彼にセックスレスについて話し合いを何度も持ちかけたり、自分の気持ちを訴えかけて「彼を変えようとする」という方法は、逆効果になりやすい、ということです。
そして、セックスの問題は、セックスに関してだけ焦点を当てるのではなく、ふたりの関係を根本的な部分から見直し「自分がどんな心持ちで日常を過ごしながら、どんなふうに彼と関わっていくか?」がキーになることが多いのです。

ですから、今回のご提案は、テクニック論をお話しするというよりも、おふたりの心の面からのサポートとしてお話しさせていただきますこと、ご理解いただけたらなと思います。

今回は、3点ほどご提案をさせていただきたいと思います。
もし当てはまるものがあれば、参考にしていただけたらと思います。

1:まずは、自分自身の心を立て直すという視点

セックスを拒まれた側は無意識に「自分は女性として魅力的ではないのかもしれない」など、女性としての自信がなくなってしまいがちだったりします。

大好きな彼にセックスを拒まれるたびに、夜を過ごすたびに、ももさんの女性としての自分が「また選ばれなかった」「私ではダメなのかな」と傷ついていってしまうとしたら・・それはどれだけお辛いことでしょう。
たくさんの寂しさや、むなしさも抱えてこられたかもしれません。

喧嘩のあとに彼の気持ちがなくなりレスになった、というお話ですので「この状態を作ってしまったのは私。取り返しがつかないことをしてしまったのかもしれない」と無意識に罪悪感も感じていらっしゃるかもしれません。

ただ、相手から復縁を持ちかけられた、とのことですから「自分に対しての愛情はあるのだろうな」とは感じていらっしゃると思うのですよね。
そして、ももさん自身も、こういう状態でありはするけれど、彼に対して愛情がある。
だから、もう多くは望まないけれど・・・求め合えたらいいな、という思いもある、という状態で、ここに来られたのではないかなと思います。

まずは、こういう状態でも、彼のことを愛している自分を認めてあげるところからスタートしてみていただけたらなと思うのですね。

大好きな人だったからこそ、浮気されて悲しかったし、いま、レスであることが寂しい。
そんな気持ちがあるとするならば、その思いもどうか大切にしていただけたらなって思うのですね。

そしてこの大きな悲しみや不安、そして愛情を、信頼できる人と分かち合いながら、まずは自分の心を立て直すところからはじめましょう。

悲しみ、恨み、寂しさ、虚しさ、怒り・・ひとりで抱えていらっしゃいませんか?
ご自身のこと、責めていらっしゃらないでしょうか。
ちっぽけに扱っていないでしょうか?大切にできていますか?
大きな愛情に気づいていますか?

ももさんが感じている感情は、どんな感情でも、ももさんが幸せを感じて生きていくために必要な感情です。希望に向かって進むための原動力にもなりますよ。
ぜひ、大切にしてあげてほしいなと思います。

ちなみに、自分の心の状態を彼に委ねるのではなく「自分側で立て直すこと」は、ふたりの関係を改善していくための重要なステップになります。

というのも、セックスレスの問題の渦中にいると無意識に「私は選ばれない」という「相手の言動次第で自分の幸せが左右されてしまう」という依存ポジションに入りやすいのです。
依存側にいるとどうしても必要以上に傷つきすぎてしまうので、大切なものが見えなくなったり、客観的な見方ができなくなってしまうことが多いのですね。

自分でも自分を労ったり、彼以外に頼れる人を見つけたりしながら、まずは自分自身を立て直していきましょう。
私たちカウンセラーもご活用くださいね。

2:レスになる時に起きていがちな心理を知っておく

次に、彼の心を「理解してみよう」という視点からのご提案です。
もちろん私たちは彼本人ではありませんから、本当に彼の心を知ることはできませんが・・いま取り組めるヒントが隠れていることも多いですからね。

>浮気発覚時、浮気相手は恋愛で私に対しては愛情だからセックスしなくていい、と言われたのがずっと引っかかってます。
と書いてくださっていますので、まずは、この視点から紐解いてみたいと思います。

一般的に「浮気相手にはセックスができるが、妻や彼女にはセックスができない」という場合は、機能的な部分ではなく精神的な部分のひっかかりがあることが多いです。
そのひとつとしては「心の距離感」があるかと思います。

たとえば、お付き合いしたいなと感じたとき、ふたりは「他人同士」だったわけですよね。
その距離感があるからこそ「もっと触れたい」「もっと知りたい」という欲求が生み出されていたりします。

ただ、長い付き合いになってくると、愛情はどんどん深まっていくのですが、距離は近くなっていくため「ふたりは他人である」という感覚が薄れ、性欲につながりにくくなってしまう、というケースがあるようです。

つまり、彼にとって彼女が、自分や、自分のお母さんや妹、姉のような存在になってしまうわけですね。
もちろん無意識に、です。

とくに、彼が自分のお母さんとの関係で「気兼ねなく甘えられる存在である」と感じていたとすると「愛情がある人=お母さんのように安心できる人」という図式が心の中で出来上がりやすくなり、恋人をお母さんのように(愛する人であることに間違いはないけれど、性欲の対象ではない)扱ってしまうこともあるようです。

そういった場合は、二人の間に、適切な距離を作っていくといいかもしれません。
「長い付き合いだから、なんでも知っている安心できる存在」ではあるけれど「もっと知りたい、と思うような、まだまだ知らないところがある」関係にゆっくりとシフトしていきましょう。

たとえば、自分だけの時間をきちんと作る。
一緒に住んでいるのであれば、あえて、外で待ち合わせてデートをする。
普段はあまり着ないような洋服にチャレンジしてみる、などを日常に取り入れてみるといいかもしれません。

また日常的な部分では「面倒を見過ぎない」「心配をしすぎない」というのもポイントになるようです。
母性が強い方ほど、無意識に距離が近くなりがちのようですので、すこし気を付けてみるのもいいかもしれませんよ。

つぎに、彼はレスの原因を「私は正社員なのに自分は非正規でお金が無く、我慢させている事と自信の無さが原因」とおっしゃっていたとのこと。

もし、彼の自信のなさから来ているのであれば、日常での彼の立場があなたよりも「下」に入っていないか?チェックしてみることをオススメします。

たとえば、自分に持っていないような魅力や素晴らしさを持ったステキな女性を好きになった+自分に自信がない、という男性の中には、お付き合いがはじまると、彼女を「特別ポジション」においてしまい、性欲の対象外にしてしまうことがあります。

こんなに素晴らしい彼女に、こんな情けない自分が触れるのは申し訳ない。
「もちろん彼女のことは大切にはするけれど、自分なんかの性欲の対象にして穢したくない」と棚に置いてしまったりすることがあるのですね。

また、ももさんのほうが頼り甲斐があるがゆえに、無意識に「彼のお母さん」や「同性の相棒」ポジションに入ってしまい、彼がパートナーシップにおいて「男性としての主導権」を握れていないケースもあるかもしれません。
彼はももさんに職業的な負い目を感じていると言っていらっしゃったようなので、もしかすると彼のほうから主導権をももさんに明け渡してしまっている可能性もあるかもしれませんね。

ちなみに、ここでいう「主導権」の役割は、主従関係ということではなく「愛する人を自分の手で幸せにできているという喜び」(自己有能感と言います)を得られているかどうかということが大切になってきます。

この喜びが日常で感じられていない時、セックスの主導権を握るのも難しくなってしまうことも多いみたいなのですね。

このような場合は「日常で彼に頼る、彼に任せる」ということを取り組まれるといいかもしれません。

最初は危なかしいと感じたり、自分でやった方が早い、とか、任せられないと感じることも多いかと思いますが・・

彼に身を委ねてみる。
全面的に彼にお願いをする。
彼に小言や文句を言うのを控える。
彼にしてもらったことがあれば、こまめに感謝をしていく。

というチャレンジを積み重ねることによって、責任感であったり、自分から愛する人に関わっていくという喜びを彼に与えてあげることができ、セックスに関してもいい影響が出てくることも多いようです。

また、どのような喧嘩の後にレスになってしまったのか。
気持ちが一度なくなってしまった原因については、彼はどのようなことを言っていらっしゃったでしょうか?
少し辛い作業ではありますが、ここのところも、一度、客観的に振り返る必要はあるのかなと感じました。

もちろんご自身を責めるためではなく、彼とももさんの心の引っ掛かりをみつけるために、です。
そのとき感じた何かが終わっていないという可能性もありますからね。

3:セックスにとらわれる時間を減らしていく

最初にもお伝えしましたが・・
セックスレスというのは、体の関係が大切だと感じる人にとっては、ものすごく辛い状態にあると思うのです。
その分「これさえ解消すれば、もっとうまくいくのに」であったり「これが解消しないから、二人の関係はダメなんだ」と、思い詰めがちだったりするかもしれません。

今後一生、女性としての人生の喜びをもう得られないのかもしれない、と感じて悲しくてたまらない。
浮気相手に負けているような気がして、悔しくてたまらない。

そんなお気持ちが湧いてくることは、私なりに分かるような気がするのですね。
そして、カウンセリングでお伺いしていると、セックスレスでお悩みの方の多くが抱えている気持ちであると思うのです。
そう感じてしまうことが悪いことではありませんし、愛する人と肌と肌を重ねたい、体を求め合いたいという気持ちには、できるだけ素直でいていただけたらなと思うのですね。

ただ、その上で、すこしでも心を軽やかにして
セックスだけで愛や幸せを測ったり、自分の価値をはかるもの、ふたりの幸せを決めるものとして断定しすぎず、セックス以外で感じた幸せも大切する視点を持ってみることもオススメしたいと思います。
違う幸せでまぎらわす、という感覚ではなく、多方向からたくさんの幸せを集めるという感覚ですね。

もしその中で「セックスなど、体の関係がなければ愛を感じられない」「意味がない」と極端に感じやすいとしたら、深層心理的な部分で、ももさんの中に、彼というよりも、かつて愛した人との関係で十分に心や体が触れ合うことができず、そのときの心の渇望が彼に向かっているという可能性も考えられるかもしれません。

その場合は、こういった心の分野はカウンセラーの得意分野ですので、カウンセリングなどもご活用いただけたらなと思います。

今回の回答が、ももさんとももさんの彼にとって、すこしでも参考になれば幸いです。

愛する人と、心も体も結ばれる。
想いが繋がる日がやってきますように。
応援しています。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛、対人関係の改善、自分が本当に望んでいる人生へのシフトチェンジへのサポートを得意とする。 特に「さびしさを笑顔に変えるカウンセリング」をテーマに掲げ、30代女性の生き方、恋愛・婚活サポートを精力的に行っている。 高い共感力を活かした「共に考え、併走する」カウンセリングスタイルが好評。