子どもには愛情をたっぷり注いでいるはずなのに、子どもとの関係が上手くいかない。
がんばっているのに思い通りにいかない。
子どもって本当に親の思うとおりには動いてくれませんよね。
思うとおりにいかない子育てに疲れ果てているとき、“完璧なお母さん” を手放すときかもしれません。
伝わらない親の愛情
「私は母に愛してもらえなかった。放任主義で寂しく育ったので娘には同じ思いをさせたくないと思って子育てをがんばってきたのに、娘には私の愛情が伝わらないようで反抗的な態度ばかり取られます。子育てに疲れました」
そんなお話しをいただくことがあります。
私にも覚えがあります。
「母は私の気持ちには寄り添ってくれないけど、やたら過干渉で門限が厳しく籠の鳥だった。私はそれが凄く嫌だったから、娘の気持ちを理解して尊重してあげよう」
そう思っていたけれど娘には「全然伝わってない。。。」と感じていた時期があったのです。
子育てが義務になってしまう理由
親との関係で「親からもらえなかったものは、自分の子にはあげよう。親からされて嫌だったことはしないでおこう」我が子にそう思うお母さんは少なくないのではないでしょうか。
それって、我が子を思う愛ゆえ、ですよね。
よかれと思ってするわけです。
ですが難しいのは、それが”自分の価値観”からきているということなんです。
たとえば、「私は放ったらかされて愛された感覚がなく、寂しかった」とすると「子どもとはしっかり関わって、寂しい思いをさせないでおこう」と思うものです。
そんなとき私たちは、しっかり関わることが愛だと思うわけです。
けれど、我が子といえども別の個の人間なので、子どもがそれを愛と感じるかといえば必ずしもそうとはいえないのですね。
でも、自分はもらえなくて辛かったわけですから、その辛い自分を無意識に子どもに投影して必要以上に関わろうとします。
「寂しい思いをさせてはいけない。もっと密に関わらねば!」と、まるで義務かのように。
親の感情が子どもに共鳴するとき
「〇〇せねばならない」と思うことは、心理学的にいうと「本当はしたくない」ことなんです。
したくないことをするのはストレスを感じますよね。
なので「もっと密に関わらねば!」と過剰に思う子育ては、楽しい子育てではなく疲れる子育てになるのです。
そして、子どもは感情に敏感です。
疲れを押して「関わらねば!」と愛情のつもりで子どもと関わっていても、子どもはお母さんの焦りや不安、義務感をキャッチします。
子どもからすると「私と関わることがお母さんの喜び」ではなく「私と関わることにお母さんはストレスを感じている」という感覚を肌で感じるのです。
お母さんの焦りや不安、ストレスを子どもも感じて反抗的な態度になったり、またはまるで機嫌を取るかのようにベタベタしてきたり、赤ちゃん返りしたかのように甘えてくる、なんていうことも。
また、「子どもと関わらねば、愛してあげなきゃ」のその裏には自分の母親への怒りも隠れていそうです。
私は愛してもらえなかったというその寂しさが癒えずに「私は母として子どもに寂しい思いなんてさせないわ」と母親と知らず知らずに張り合って競争していた、なんてこともよくあります。
私に寂しい思いをさせたあの不完全な母ではなく、この”完璧な母”を目指すのは、子どものためではなく自分が母に勝つためになってしまうので、子どもに純粋な愛が伝わらないのです。
完璧なお母さんを手放そう
ちょっと余談ですが、母親と子どもは、特に第一子が女の子だった場合、自分と同じように扱ってしまいやすいといわれます。
自分を投影して、自分と同一視してしまうのです。
第一子でなくとも、母親と子どもは癒着しやすい間柄でもあります。
子どもとの間にしっかり境界線を引き、私があげたい愛情と子どもが欲しい愛情は違うのだと理解することはとても大切です。
子どもが嬉しいこと、望んでいることを適切なときに適切なやり方で、程よく贈ってあげることができたら素敵な親子関係が築けそうです。
親子関係がしっくりいかない。
そんなときは多々あるかと思います。
けれどそのことで悩むこと自体、お子さんへの愛情があるからこそ、です。
そのことには自信を持ち続けてくださいね。
愛し方が合っていないなと気づいたら、愛し方を変えればいいだけです。
ただ気負い過ぎると、子育てに疲れてメンドクサクなって楽しめない、子どもを上手く愛せていない、という負のループに嵌ってしまいやすくなります。
”完璧なお母さん” は手放して、無邪気にお子さんと一緒に楽しめる時間を持ってみましょう。
難しいようであれば、ひとりでがんばらずにカウンセリングをご活用くださいね。
参考になれば幸いです。
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来週は、朝陽みきカウンセラーがお送りいたします。
どうぞ、お楽しみに♪