自分を好きになれば人生は上手くいくって本当?
「自分を好きになれば人生は上手くいく」
心理学ではとてもよく聞く言葉です。
この言葉の意味を考えてみてほしいのですが、逆説的にいうのならば、「自分を嫌いだと、人生は上手くいかない」ということになります。
なぜかというと、その答えは簡単です。
「あなたは嫌いな人を幸せにしてあげたいと思いますか?」
ということなのです。
だって、嫌いな人のことをわざわざ幸せにしてあげたいとは思いませんよね。
誰だって好きな人のことを幸せにしてあげたいと思うものです。
この言葉の極意はそういうことです。
ですから、ぜひ「好きな人」のなかに、あなたの存在を入れてあげてほしいのです。
それにあたり、良いお知らせがあります。
「自己嫌悪」は、自分が自分に対して感じている感情ですので、他人が自分に感じさせている感情ではないのです。
自己に対する嫌悪感なので、自分で変えていくことができるのです。
では、みなさんにこんな質問を投げかけたいと思います。
「もし私が自己嫌悪を必要としているのならば、それはなぜだろう?」
え?私が自己嫌悪を必要としている?
そうですよ、あなたが必要としているのです。
人間は無駄なことはしたくない生き物です。
だとしたら、自分を嫌悪することにも何らかの目的やメリットがあるのではないか?と考えてみるのが心理学なのです。
さぁ、みなさんも一緒に考えてみましょう。
「もし自己嫌悪することに目的やメリットがあるのだとしたら?」
◆自己嫌悪をする目的:自分を隠すため
自己嫌悪をする目的のひとつに「自分を隠すため」があります。
比較的自覚しやすいものなので、心当たりがある方が多いことでしょう。
自己嫌悪があると自分を魅力的なものだと思えないので、人前に出ることや自分を表現することを抑えて、自分を隠すようになります。
すると、自己嫌悪があるおかげで、目立たないで済むし注目されないで済むというメリットがあるのです。
たとえば、もしリーダーに抜擢されて、みんなをうまくまとめられなかったらどうしよう。
もし自分がスポットライトを浴びて、仲間から嫉妬されたらどうしよう。
もし彼氏ができて、自分のダメなところがバレて嫌われてしまったらどうしよう。
それが怖いばかりに、世の中に自分を出さないようにして、隠しておくわけです。
隠しておくためには、自分のダメなところばかりを探して、自己嫌悪しておく必要があるわけです。
◇自分を隠すために自己嫌悪をする人へのアドバイス
このタイプの人は、自己イメージと他者イメージに大きなギャップがあることが多いでしょう。
自己評価があまりにも低いので、他者からほんのちょっとでも評価されると、自分に対して「ニセモノ感」を感じてしまうのです。
「あなたは本当の私を知らないだけよ!」「どこを見てそんなことを言うの?」と言いながら、自分のダメさをアピールします。
「私にはこんな悪いところがあって、あんなダメなところがあって、ほらね、最低でしょ!」という具合に。
自己嫌悪が強い人は、「自信のなさだけには自信がある」という人が多いのですが、あまりにも自分のことをマイナス評価しすぎているので、まわりがしているほうがよほど適正評価なのです。
しかし、ここでもう一度、自分を嫌って隠しておくことのメリットについて考えてみましょう。
それは、チャンスが来てもチャレンジをしないで済むというところにあります。
あなたがもし、目立つことが怖い、人前に出ることが苦手なのだとしたら、自分が表舞台に出て脚光を浴びるチャンスを避けるために、わざわざ自己嫌悪しているのかもしれません。
あなたが光り輝かないように、自己嫌悪をつかってわざわざ自分の闇を色濃くしているのだとしたら、自己嫌悪の裏側に「スター性」という才能があるのだと思えてなりません。
これを読んで「ドキッ」としたあなたにきっと当てはまる心理なのでしょう。
(続)