ごめんなさいとありがとうのバランス

私たち大人でも、日頃から、
「ごめんなさい」という謝罪の言葉
「ありがとう」という感謝の言葉
は、よく使うと思います。
だけど日本人はどちらかというと、ごめんなさいの人種のようですね。
すみません、ごめんなさい。
というのは、昔から日本では『謙虚』な姿勢と言われて来たからだと思います。
だけど、令和の今は謙虚な姿勢も悪くはないけれど、出来れば感謝の方が伝えた方も伝えられた方も気分がよく、その言葉は自尊心や自己肯定感、自信にもつながっていくと言われています。
今日はそんなお話です。

子どもに伝える謝罪と感謝

・ごめんなさいの影響

私たち親というのは、自分の今までの生き方や体験で、辛かったことや、今後悔していることがあると、
この子に同じ体験をして欲しくない。
この子にはもっと幸せになって欲しい。
そう願うものです。
だから、自分の今はさておき我が子には、出来るだけどこか完璧さを求めてしまうことがあるんですよね。
例えばおもちゃを片付けることや、忘れ物をしないこと。
こういうことも、社会人になった時、いい加減な生き方で社会に出ない方がいいと考えるところからでしょうね。
例えばゲームをいつまでもやってしまう。
これについても、多くの親御さんの悩みの種なのではないでしょうか。
多くの方が、スマホがなかった時代を知っていると思います。
その頃当たり前のように使っていた、
電話、テレビ、新聞、スケジュール表、辞書、メモ帳、連絡網などなど、そういったものすべてが、今はスマホ内で当たり前のように利用できます。
だから、スマホに依存してしまう部分もある程度は仕方がないかもしれません。
だけど、身体のことや、人との直接の関わり、友だち通しで外で遊ぶことなど、そういった部分も私たち親としては心配してしまうものですね。
だからこそ、不必要に手元ばかりじゃなく、周りの環境に慣れ親しんで、体感としていろいろしっかり学んで欲しくて、ついガミガミと言ってしまうこともあるんだと思います。

でもそんな親の心配って、子どもの頃ってあまり響かないんですよね。怒られたその場では、子どもはみんな本気で反省しているだろうし、もうしないようにしようって強く思っているものです。けれど、好奇心が勝ってしまってすぐに忘れちゃうのも確かです。
親を困らせているのでもなく、親をバカにしているのでもなく、単純に忘れちゃう。
でも当然何度も言われてしまうから、子どももごめんなさいが自然と多くなってしまうものです
だからといって注意をしないでいるというのは、正直ものすごく難しいね。
それでも叱る怒るが多ければ多いほど、子どものごめんなさいは多くなる。迷惑をかけてる、心配ばかりさせてしまう、俺はダメな子なんだ。
そして自信が無くなっちゃう。
これは子ども時代の誤解。だけど親は本気で我が子をダメな奴だと思うことはありません。むしろ逆ですよね。自分の育て方が…とか、自分の親としての関りが良くないとか…。
本音で思うことはそっちなんだよね。
ならこういったみんなが当たり前のように経験してしまう子ども時代。ごめんなさいを言っていても、自信を持たせるのってどうしたらいいのでしょう。

・ありがとうの影響

それは、日頃から子どものやったことに、意識して感謝を伝えることなんですね。
ごめんなさいと言う言葉を多く言ってしまう子どもに対しては、それ以上に感謝の言葉で上塗りしていくことなんです。
実は、この感謝の言葉。
私たち親は、日々やることが多くてバタバタしている分、どうしても余裕がなくて、伝えるということも忘れがちなんですが、子どもは案外簡単に言えるものなんですよね。
ご飯作ってくれてありがとう。
いつも優しくしてくれてありがとう。
一生懸命働いてくれてありがとう。
私たち親も完璧じゃなくて、上手く出来ないこともいっぱいあるのだけれど、私たち親は子どもの出来ないに結構厳しくなってしまうようです。
もちろんそれは、自分よりずっと楽に生きて欲しいから。
だけど、子どもは親の失敗や上手く出来ないことには寛容で、笑い飛ばしたり、いいよってあっさり許してくれたりするんです。
だから、私たち親は、子どもにありがとうって実はたくさん言えるんじゃないかな。
みんなありがとうって笑顔で言われたらすごく嬉しいよね。だから親御さんは自分のことを多少我慢しても、子どもにいろいろしてあげたくなるものです。
子どもも同じように、いっぱいありがとうを言われたら嬉しいだろうし、ありがとうの数だけ、自分に自信が持てるんですよね。
迷惑かけることはあるけれど、私(僕)は役に立つことだってたくさんあるんだって。

 

ありがとうの伝え方

・細かく伝えていく効果

これは、子ども相手だけに限ったことではなく、旦那様や友人など、大人同士の人間関係も同じです。
感謝の言葉って、ありがとうや嬉しかったなどですが、多くの場合、
「ああ、ありがとう。」
「助かったよ、ありがとう。」
「いつもありがとうね。」「優しくしてくれてありがとうね。」
なんですが、もちろんこれは悪い事ではありませんが、これでは子どもの伝え方と同じ。大人の伝え方を覚えておくといいですよ。
コツは、
詳細に伝える
ということです。
「この前の朝ね。ママすごく前の日にお仕事で疲れてて、なかなか起きれなかったでしょう? で、気づいたら朝ごはんの時間も過ぎていてびっくりしたの。だけどあなたは私が寝ているのを起こさずに、ずっと待っててくれたよね。あれね。ママすごく嬉しかったんだ。おかげでいつもよりゆっくり眠れたよ。ありがとうね。」
ただね。
余裕がないとこういったことも親が気づけなかったりするんです。
朝おそく起きてしまった。もしかしたら、声くらいかけてくれたらいいのに!って思ってしまうかもしれません。そこに感謝なんか出てこないかもしれません。
だから、たまには子どもの気持ちに寄り添って考えるのも必要ね。
なんで起こさなかったんだろうって。
子どもが親に悪意を持ってこういったことするわけがない。
だとしたら…。単純に寝かせてくれてた。って解釈出来るんですよね。
そう思えたら、それに気づいたとき、それは数日後でも数週間後でも構わないんです。
子どもが覚えていないことであっても構わないんです。
お父さんが、お母さんが、自分のことをそんなふうに思ってくれてた…というのが嬉しいのですから。
感謝を伝える時って、詳細に、いつ、どんなふうに、何が嬉しかったかと伝えることが、相手のこころにすごく響くんですよね。

 

・感謝を伝えられる余裕を自分に

私たちは余裕のないとき、みんなイライラやしんどさが勝ってしまって、子どもや旦那様の愛情って案外気づけないんです。
だけど、どんな親御さんも、いつも余裕をもって子育て出来るわけではないし、もしかしたら、時期によっては年中イライラしてしまうこともあるかもしれません。
特にお母さんというのは時に孤独になってしまうよね。
初めての子どもなら特に、いろんなことが初心者で、わからないが多くなると自分を責めやすいし、常に子どもと二人だけという環境はしんどいことでもあるかもしれません。

どうして私はこれが出来ないんだろう。
どうしてずっと泣いているのが私には理解出来ないんだろう。
他のお母さんならもっと上手に楽しくやっているのに。
ごめんなさい。ごめんなさい。いいお母さんじゃなくてごめんなさい。
あなたのことをもっと分かってあげたいのにごめんなさい。
って。
お母さん自身のごめんなさいが多くなってしまうね。

子どもというのはずっと依存状態で当たり前だから、どうしてもお母さんにとっては自分がいつも頑張る位置になりますね。いつまで頑張らないといけないんだろう…。そう思ってしまってもおかしくはありません。
でもだからこそ、子どもずっと見る立場にいる親御さんには、余裕はすごく必要です。
誰かに見てもらうこと、一時保育を使うことは悪い事じゃない。
そして何よりも一番大事なのは、
「私は毎日頑張っているんだ。」という自尊心です。
どこぞのお母さんと比べることをせず、自分は自分なりに精一杯やっていると。それは間違いなく事実です。ちゃんと自分自身のこころに、身体に、ありがとうという感謝です。

私本当に毎日頑張ってるよね。ありがとうね。
私本当に辛くてもこの子が大好きでやらざるを得なくても、それでもやめることなく頑張って子どもと一緒に精一杯生きている。
私の身体、そしてこころ、頑張ってるよ、ありがとうね。

どれだけしんどくても、どれだけ大変でも、それでも投げ出さず、愛してあげたいと必死に頑張っている自分にも、子ども同様の愛情を向けてあげて。
そして自分への感謝。自分への承認。
ごめんなさいより、ありがとうです。
忘れないでくださいね。

このお話が、子育て中の親御さんにとって、少しでも日々の何かにお役に立てれば幸いです。

次週は、高塚早苗カウンセラーです。
どうぞお楽しみに。

 

[子育て応援]赤ちゃんの頃から、思春期の子、そしてそんな子どもたちに関わる親とのお話を6名の個性豊かな女性カウンセラーが、毎週金曜日にお届けしています。
この記事を書いたカウンセラー

About Author

アルコール依存症の父からの虐待経験、学生時代のいじめから、恋愛依存、不倫や風俗を経て、自分を抑え付けるような結婚生活後、8年で離婚。その後自分に向き合い、今は穏やかに生きる。 過去のあらゆる経験をもとにして、恋愛関係、家族関係を得意とし、お客様と共に成長するスタイルを取る。