失恋から立ち直る6段階の心理プロセス

失恋の苦しい気持ちから立ち直っていく6つの心の段階を解説

 

失恋すると、いろいろな感情で苦しくなるでしょう。自分の気持ちがわからなくなり、いつまでこの状態が続くのか不安に思う人もいるでしょう。
ショックの後に現実を受けいれ、怒りや悲しさを感じ、感謝して手放すまでの6つの段階を解説します。
心理プロセスを理解して、立ち直りに向かっていきましょう。

失恋は、ある日を境に、好きな人との関係を今までのように続けられない、もう愛してもらえない、さらには、どんなに愛したくても愛させてもらえないという現実を受けいれなければならないものです。

しばらくの間、「もう一度やり直せないかな」と考えたり、「やっぱり別れてよかったんだ」と思ったり、真逆の気持ちをぐるぐるするでしょう。いろいろな感情が出てきて、何が自分の本心なのかもわかりにくくなるでしょう。心が不安定になり、この苦しさを何とかしたいとも思うでしょう。

今回は、失恋直後から誰かを愛せる自分を取り戻すまで、一般的な心の動きの段階を解説します。個人差があるものなので、いくつかの段階を進んだり戻ったりしながら立ち直っていくものと思ってくださいね。

●ショックの段階

突然の別れは受け入れ難い出来事で、心は情報を処理しきれずに固まります。「何が起きたのかわからない」混乱状態になります。

ショックな状態では、ただ驚いて、しばらくは感情も感覚も麻痺しがちです。食事がとれない、眠れない、涙が止まらない(逆にまったく泣けない)などが起こります。

この段階では、泣けるなら、安全な環境で泣いてくださいね。また、できるだけ無理をしないでいただければと思います。

●現実否認・現実逃避の段階

ショックの次には、一時的に現実否認や現実逃避が起こります。「そんなはずがない」「信じられない」「何かの間違いだ」「嘘でしょう?」と、心を守る反応から現実を否定しようとします。

「あの時、私を好きと言ってくれた」「私がどれだけ好きか伝わっていないだけかも」「何か誤解しているからだ」などと思うこともあるでしょう。そして、離れたがっている相手に近づこうとして、強い拒絶をうけて傷を深くする方もいます。

この時期には、自分一人で考えるよりも、友達や家族など誰かと一緒にいることをお勧めしたいです。話すために言語化すると、心の整理もしやすくなるでしょう。

●原因を知ろうとする段階

「原因が自分にあるならば、それを改善したら別れを避けられるのではないか」と思う人もいます。また、「原因がわからないと納得できない」と考える人もいます。

失恋の原因を知りたいと思うのは当然ですが、残念ながら納得がいくような理由を聞けることはほとんどないようです。あれこれと原因を探して、「自分が悪い」とご自分を責めすぎないであげてくださいね。

●怒りの段階

好きだった分、信じていた分、愛しさ余って憎さ100倍になることもあります。「裏切られた」「嘘つき」「自分勝手」「ずるい」などと怒りが出るでしょう。ただし、相手に怒りをぶつけることはお勧めしません。

怒りが出るならば、それも自分の気持ちの一部として感じてみるのも大切です。怒りを抑圧すると、後から抑鬱的な状態がひどくなったり、自分自身に攻撃を向けて強く自己否定したりすることがあります。

もし、怒りに長期間留まり続けているとしたら、それは執着かもしれません。愛せない代わりに、憎むことで思い続けるという切ないやり方をしているようです。

●悲しさ・さびしさを感じる段階

急激なショックや怒りを通り過ぎ、緊張が解けてくると、ようやく感情を感じる余裕が生まれてきます。悲しさ・さびしさ・むなしさ・無力感や絶望と直面します。これまで感じないように保留してきた感情が、一気に押し寄せてくることがあります。

この段階では、どんな感情が出てきたとしても、「そう感じるよね」と受容していくことをお勧めします。ちゃんと悲しむことで、心が失恋を受けいれていくでしょう。この時期には、自己受容のセラピーに取り組むのもいいでしょう。大丈夫じゃない自分を愛してあげてくださいね。

その後、前を向いてみようかなという気持ちが少しずつ現れてきたら、気晴らしや気分転換をしたり、仕事や趣味に打ち込んだりするのもいいでしょう。

●感謝して手放す段階

終わった恋愛を手放すために、卒業式をしましょう。まず、この恋愛を通しての成長、自分なりのがんばりを振り返ってみましょう。しっかりと自分を認めてあげてくださいね。

次に、あなたを大切に思う人を思い浮かべ、その人たちが何と言ってくれるかを想像してみましょう。例えば、「がんばったね」「もう我慢しなくていいよ」「幸せになれるから大丈夫だよ」「あなたは素敵な人だよ」とか。

最後に、出さない手紙を書きましょう。別れたとしても、ある時期は特別な存在だった人でしょう。その人と出会えてよかったこと、嬉しかったこと、楽しかったこと、感謝していることを書きましょう。元恋人を痛みのシンボルではなく、感謝する存在にしていきましょう。

手紙を書きながら涙が出てきたら、流してあげてくださいね。癒しの涙になるでしょう。書き上げた感謝の手紙は、お焚き上げがお勧めです。

「大好きになれた人と出会えてよかった」と思える日がきますよう願っています。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

自己嫌悪セラピスト。心理学ワークショップ講師(東京・仙台) 「自分が嫌い」「自分はダメ」「私は愛されない」などの自己否定、ネガティブな感情・思考をリニューアルし、自信や才能・希望へと変換していく職人。生きづらい人の心が楽になる気づきや癒しを提供。テレビ・Web記事の取材にも多数協力。