上下関係のない、対等な付き合いをするために大切なこと
マウンティングをしないほうがいいと分かっていながらも、クセになっていることも多いですよね。
今日は「自分も人も大切にする」という視点から、対等な対人関係を築くヒントをご紹介します。
こんにちは。
今日の心理学講座はカウンセリングサービス『服部希美』が担当します。
マウンティングとは「人に対して、自分の優越性を示す言葉や態度を用いる行動をし、優位に立とうとする」ことをいいます。
たとえば
・自分のほうが凄いんだとアピールをしたくなったり、持論を押し付けたくなる。
・人の頑張りや価値を否定してしまう。人を見下してしまう。
職場や友人関係、パートナーシップにおいて、こういうことってありませんか?
マウンティングは、やっている側に自覚がないことも多いので「ああ、私は人にマウンティングをしているな」と気づけるだけでも凄いことではありますし
「もし、自分がマウンティングをしているとしたら、マウンティングをやめたい。もっと素直に対等な関係を築ける自分になりたい」と思えるあなたは、周りの人の気持ちを大切にする思いやりのある方だと思うのですね。
ただ、マウンティングは「分かっていても、ついやってしまう」クセのようなものでもありますし、そのときには気づかず、あとでマウンティングをしていた自分に気づいて猛反省・・という方も少なくないかなと思います。
また、マウンティングしないように気をつけるがあまり、卑屈になりすぎてしまったり、対等な意見が言えなくなった結果「自分がマウンティングされて辛くなる」なんてことが起きたりして、対人関係がうまくいかなくなるということもあるかもしれません。
マウンティングをするクセを手放すために必要な視点
実際にマウンティングするクセを手放していくためには、まず「どうして自分はマウンティングをしてしまうのか」の理由について目を向けていくことが大切になってきます。
いろいろな理由が考えられますが、たとえば育ってきた環境の中で「上下関係を強く感じてきた」というケース。
昭和時代の強いお父さんの中には「俺が家の中で一番偉い」「俺の言うことが一番正しい」といった発言をする人も多かったかと思います。
また、両親が自信がなく、世間体を過剰に気にするようなお家であれば、ご近所の子供や、いとこなどを引き合いに出されて比べられた方も少なくないかと思います。
そういったことがなくても、日本は「上のものを敬う」という文化もありますから、私たちは大なり小なり「上下関係を気にする」という土台で育っていたりします。
それはそれで良い点もあるのですが「目上の人の言うことは聞くべきだ」とか「年下のくせに生意気だ」など、年齢やキャリア、立場などで上下関係を作りがちだったりするのですね。
そんなふうに上下関係を強く感じているとき、私たちは「上に立たなければ、自分に価値を見てもらえないだろう」という感覚が生まれます。
その上、自分に自信がなかったり、劣等感が強かったりすると「誰かを見下したり、自分を大きく見せて、自分が上に立たなければ相手にもされない」といった思いにとらわれやすくなってしまうのですね。
対等な関係を築くコツは、自分のことも人のことも認めること
もちろん、ケースバイケースではあるのですが、
基本的にマウンティングをする癖を手放して対等な関係を築くためには、比較や競争の意識を手放して、自分のことも相手のこともちゃんと認めていくことが大切になってきます。
今日は、実際の対人関係において、どんなことを取り組んでいくといいことを3つほどご紹介します。
できそうなところから試してみてくださいね。
1:自分は自分、相手は相手、という意識を持つ
人と自分の違いは単なる違いであり、優劣を決めるものではありませんね。
あなたにはあなたの良さがありますし、人と違う価値観を持っていていいのです。
人と自分との間に健全な境界線を引きながら、自分の価値観や思いを、まず大切にしてみましょうね。
2:相手を尊重する気持ちを持つ
自分のことを大切にしはじめると、自分とは違う価値観や思いを持った他人のことも同じように尊重できるようになってきます。
違う価値観や意見と出会ったときには否定から入らずに「あなたは、そう思うんだね」「そういう考え方もあるね」と、一旦、受け入れていきましょう。
3:自分や相手のいいところや、魅力を見続ける
マウンティングがクセになっているとき、私たちは、人や自分の欠点ばかり見ていることが多いようです。
自分にも人にもいいところを見続けることで「こういう欠点もあるけれど、いいところもいっぱいあるよね」とフラットに見れるようになると、マウンティングをしたくなる気持ちがだんだん減ってくると思いますよ。
対等であり、喜びを分かち合えるような関係を築きたいと願う、あなたの思いが大切な人にまっすぐに伝わりますように。
参考になれば幸いです。
(完)