傷ついたことで生じた躊躇感は、その心の傷を癒すことで緩めていくことができます。
今回は、子どもの頃の傷ついた気持ちを癒すことで躊躇感を緩め、幸せな恋愛を実現したケースをご紹介します。
■心の傷と躊躇感
人は心が傷つくことで何かを躊躇するようになることがあります。
自分の意見や気持ちを表現することに躊躇するようになる人もいます。
人に近づくことに躊躇するようになる人もいます。
何かのチャレンジをする時に躊躇しがちな人もいます。
愛されているのに、その愛を受け取ることを躊躇する人もいます。
傷つくことでできる躊躇感というのは心の防衛反応なんですね。
傷ついたことで生じた躊躇感は、その心の傷を癒すことで緩めていくことができます。
今回は、子どもの頃の傷ついた気持ちを癒すことで躊躇感を緩め、幸せな恋愛を実現したケースをご紹介します。
■自分の意見を言うことに躊躇してしまう女性
パートナーとの関係をもっと楽にしたいと思い、カウンセリングを受けた女性がいました。
楽な恋愛にしたいというのは、彼女はとても苦しいというわけではないのですが、楽とも言いがたい思いで恋愛をしていたからでした。
彼女は自分の意見や気持ちを言うことに躊躇してしまうところがありました。
意見や気持ちを言うことに躊躇しているうちに話題が変わってしまうことが、しばしばあり、ご自身の意見や、気持ちを言えずじまいになってしまうことがありました。
その為、自分の意見や、気持ちに添ってない形でパートナーシップが進むことがしばしばありました。
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パートナーとの関係って一般的には友達よりも一緒にいる頻度や、時間が多くなる関係ですよね?
その為、たまに会う友達よりも、意見や気持ちが言えずじまいになる頻度も多くなります。
何年も付き合っていると、自分の意見や気持ちを言えてない蓄積量は、その分大きなものになります。
・パートナーに自分の気持ちを誤解されたままになっている
・「それは嫌だなぁ」という気持ちを我慢したままパートナーに合わせている
・「嫌だなぁ」とまではいかないが、自分が乗り気でない形で物事が進んでいる
仮に一週間に一度でも、そのようなことがあったとしたら、単純計算で一年間で52回もそのようなシーンがある計算になります。
3年つきあったとしたら156回そのようなシーンがある計算になりますね。
30年つきあったとしたら1560回そのようなシーンがある計算になります。
一つ、二つならまだしも何十、何百の数になれば、幸せなパートナーシップとは言えなくなってしまいますね。
あなたにはこのような無数に意見や、気持ちを飲み込んで嫌な思いが蓄積してしまいパートナーシップが幸せでなくなっていったご経験はございませんか?
彼女はそうでした。
蓄積すればするほど幸せではなくなっていってました。
そして、彼女曰くは週に一度どころの数ではないとのことでした。
彼と一緒にいても心がモヤモヤした状態であったり、我慢が多くなってつらい気持ちでいたり、晴れない気持ちの時間が多くなっていました。
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気持ちを言葉にすることを躊躇して言葉にできぬまま話が終わってしまい、彼女の気持ちを彼に誤解されたままになっていることも多々あり、モヤモヤした気持ちになることがあるそうです。
誤解されて気持ちがモヤモヤしているので、誤解を解こうと思うこともありますが、一旦終了してしまった話題を、後から、もう一度しなおすというは、切り出すタイミングが難しいですし、もともと意見や気持ちを言うことを躊躇してしまう彼女にとっては大変なことでした。
タイミングを見計らい、そしてエイ!っとエネルギーを振り絞って言えることもあるそうですが、誤解された気持ちを解くの作業に毎々疲れてしまいます。
意見や気持ちを言えずに心が晴れないままでいるのも辛いですし、毎回言えなかった思いを伝え直して疲れるのも辛いです。
どちらも辛くなるので、付き合っている幸せを感じる時間は減っていきます。
『たった3年のつきあいで、意見や気持ちを飲み込むことを何百回してきて幸せと言えなくなってしまっているのに、彼と結婚して仮に後50年一緒に過ごすとしたら、私は一体後どれくらい自分の意見や気持ちを飲み込んで生きなければいけないんだろう・・・』
彼女は、ある時このように思ったそうです。
そして、ぞっとしたそうです。
原から彼女に尋ねました。
「自分の意見や、気持ちを表現するのを躊躇するのは彼氏との関係だけですか?」
と。
彼氏だけはなく、職場の人間関係や、友人との関係でもあるそうです。
その為、それを合計すると膨大な数の、言えずのままの思い、飲み込んできた思いがあるようです。
職場や友人との関係でもあるのですが、彼氏との関係は自分のことを理解して欲しい相手であるため、彼氏との関係での誤解はよりきついとのことでした。
カウンセリングで、なぜ自分の意見や気持ちを言うことを躊躇してしまうのかを見ていくと、子どものころのお母さんとの関係の話がでてきました。
子どもの頃はお母さんに自分の主張をすると、めんどくさがられたり、嫌な顔をされたり、怒られたりして嫌な思いをすることが多々あったそうです。
そのエピソードの一つを教えてもらいました。
小学校2年生の時のエピソードを話してくれました。
母の日にお母さんに「今日は、お母さんと一緒にご飯を作りたい」と言ったそうです。
日頃頑張っているお母さんの為に、ご飯の準備を手伝ってあげたいという、子どもの頃の彼女の”愛”から出た言葉でした。
すると、お母さんは、「疲れているから、かんべんして」と、嫌そうな顔をして言ったそうです。
そう言われて、小学生の頃の彼女はショックだったそうです。
大人になった今考えると、
彼女曰くは、あの頃のお母さんは、子どもを3人抱えて、仕事もして、仕事から帰ってきてすぐご飯の準備もしてと余裕が無かったと思うとのことでした。
一緒に作ったら、私がケガをしないようにお母さんがそばで見とかなきゃいけないからお母さんの手間が増えるし、そうすると夕食の準備もどんどん遅くなるし、時間もどんどん削られて疲れているお母さんが一休みする時間もますますなくなるから、そんなことを言ってしまったんだと思うと理解を示していました。
原から、彼女に聞きました。
「今言ってくださったショックは、悲しいとか、さみいしいとか、怒りなどの感情で言いあらわすことはできるようなものでしょうか?」
すると、
「悲しいという言葉かなぁ・・・」
と言われました。
その言葉を声にだすと彼女の目から涙がこぼれました。
涙がでてくるというのは、まだ終わっていない想いがあるという一つの目印です。
お母さんの為を思って、子どもの頃の彼女が発した言葉だったのですが、お母さんに嫌な顔をされながら拒否されたので、まるで自分の愛が迷惑なものとして拒絶されたように感じた悲しさでした。
大人の頭では、あの時のお母さんは余裕がなかったから言ってしまったのだと理解はできているのですが、当時の感情としては悲しかったし、その悲しかった感情がまだ終わっておらず、心の中に残ってたいたのです。
それが「悲しいという言葉かなぁ・・・」と言葉にしたことで、心に残っていた感情が外にでてきたのでした。
■インナーチャイルドワークで心の傷を癒す
お母さんに自分の意見をいったり、気持ちを発して傷ついてきたことから、心の中で意見や気落ちを主張して嫌な思いをしたくない、もう傷つきたくないという心の防衛反応が起こっていたことがわかりました。
その防衛反応が、彼との関係で自分の意見や気持ちを言う時に躊躇をしてしまうという現象を引き起こしていたのです。
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【整理】
子どもの頃の体験した傷ついた思いがまだ心に残っている
↓
その終わっていない思いが”もう嫌な思いをしたくない、もう傷つきたくない”という心の防衛反応を起こしている
↓
・彼との関係で心の防衛反応が働き、意見や気持ちをいうことを躊躇してしまった結果自分の意見や気持ちを飲み込む現象がおきている。
・彼に自分の気持ちを誤解されたままになる現象がおきている。
・彼との関係で晴れない気持ちになることが増え、幸せ度が減っている。
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というわけですから、この現象を作っている元となる心に残っている傷ついた思いを癒やしていくことができると防衛反応も消えていき、現象も変わると考えられます。
彼女は心のに残っている思いを癒やしていくべく、カウンセリングで当時のことを話すことを通して、その時の悲しかった感情にアクセスして言葉と共に感情を外に流していきました。
またインナーチャイルドワークといって、瞑想を使って心に残っている傷ついた思いにアクセスし、癒すこともしました。
目を閉じて、彼女に子どもの頃のご自身をイメージしてもらいました。
お母さんに「疲れているから、かんべんして」と言われて悲しい気持ちになった小学校2年生の頃の自分です。
小学校2年生の頃の自分を感じながら、イメージの中で傷ついた女の子のそばにいきました。
そして、少ししゃがんで、その女の子と同じ目の高さになって「悲しかったね」と言って、その子を抱きしめてあげました。
すると、涙がいっぱい溢れてきました。
彼女はいっぱい泣いて、涙と共に残っていた感情を浄化していきました。
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この「疲れているから、かんべんして」以外にも、お母さんとの関係では傷ついたことがあったので、日を改めてその傷ついた思いを癒すことに取り組みました。
そうやって何度かカウンセリングとインナーチャイルドワークで癒やしていきました。
カウンセリングの回を重ねるごとに、徐々に自分の意見や気持ちを言うことに躊躇してしまうことが減っていったそうです。
そして、今ではほとんど躊躇することも無くなったそうです。
自分の気持ちを飲み込んでモヤモヤすることも無くなりました。
彼に自分の気持ちを誤解されるということも無くなりました。
自分の意見や気持ちをスムーズに伝えられるようになり、彼との関係が楽に、そして前より楽しいものになり幸せな恋愛になったとのことでした。
■あなたの心の傷を癒して躊躇感を緩めていこう
人は心が傷つくことで、今回のケースの彼女のように意見や気持ちを表現することを躊躇するようになることがあります。
また、人と近づくことに躊躇するようになる人もいます。
何らかの行動を起こすことに躊躇するようになる人もいます。
愛を受け取ることを躊躇するようになる人もいます。
これらの躊躇感は、その傷を癒すことで緩めていくことができます。
そして、より楽に、より楽しく、より幸せな人生にしていくことができます。
もし、あなたが何らかのジャンルに関して躊躇してしまう傾向があれば『なぜこのジャンルでは躊躇をしてしまうのだろう?このジャンルに関して傷つくようなことがあったのかな?』と自分と向かいあってみてもいいかもしれません。
そして、その躊躇の理由が、今回ご紹介したケースのように傷ついた出来事が要因であれば、その傷ついた感情を誰かに話して外に流していかれることで癒やしていけます。
あなたの幸せ感を損なう躊躇感が消えて、より楽に、より楽しく、より幸せな人生になっていくよう祈っています。
(続)