「ママのいうことを聞いたら褒めてあげるわよ」
「良い成績を取ったら認めてあげます」
つい子どもへの愛情を条件付きにしてしまうこと、ないですか?
『〇〇したら愛してあげる』というもの。
自分では気づかないうちにやってしまうものでもあります。
お母さん(お父さん)が子どもに『〇〇したら愛してあげる』と思うとき、その裏側に『私は〇〇しないと愛されない』という心の痛みが隠れていることがあります。
自己肯定感の低さが子どもを支配する?
子どもは本来、親や周りの大人たちから全肯定されるべき存在です。
「いてくれるだけでいいよ」「あなたは宝もの」「生まれてきてくれてありがとう」 と。
でもそれは、親が子どものときにも、親や周りの大人たちからそうやって受け容れられ、そのままのあなたでOKだよと全肯定されるべきでした。
けれど、親自身が条件付きでの愛を差し出されていたり、そのままの存在を受け容れられなかったという痛みを持っていると、子育てにそのパターンが色濃く出ることがあります。
「条件を満たさないと愛されない」「そのままの私ではダメなのだ」という自己肯定感の低さをお母さん自身が持っていて、それを子どもにも当てはめてしまうのです。
子どもに条件を出してしまう、過干渉になる、支配的になってしまうときは、お母さん自身がありのままの自分を認められていないからかもしれません。
条件付きの愛
・お利口にしていたらおやつを買ってあげるわね
・90点以上取ったらお小遣いを上げるわよ
など子どもに条件を出して、従わそうとしてしまう。
私自身、子どもが小さなころは、幾度となくそんな条件を出してしまうことがありました。
その場を丸く収めるためだったり、子どものためによかれと思って条件を出すこともあったのですが、これはとても支配的です。
子どもが小さなうちは、子どもが親に褒められたくて我慢してお利口にしたり、がんばってよい成績を取ってきていたけれど、思春期ころになると過激に反抗したり不登校になったりと、子どもからいろいろと学ばされました。
本来なら無条件で親子の愛が成り立つはずなのに条件付きとなると、子どもは失敗が恐くなりますし、人と比べては劣等感を強く抱きやすくなります。
親から認めてもらえないために、自分には価値が無い、自分は人よりも劣っていると思い込んでしまうのです。
自分に自信が持てず自己否定感が強くなり、常に焦燥感に追われ、やってもやっても満たされない空虚感を抱き続けることも多くあります。
子どもには自分を肯定的にとらえて、幸せに生きてほしいですよね。
親が自己肯定感を上げる
子どもとの間に問題を感じたときは、お母さん自身の心の内をチェックしてみるといいです。
「私が〇〇であらねばならない」と思っていることがあるとすればどんなことだろう?
幼いころ親との関係で私はどんなことを感じていただろう?
我慢していることがあるとしたらどんなことだろう?
このとき、親思いの人は「あのとき、親にあんなこと言われて悲しかったけど、親は親で大変だったからな」という気持ちが出てくることがあります。
自分の悲しみを感じることが、親を否定したり悪いことをしているような感覚です。
でもその親への思いはちょっと脇に置いて、ご自身の心の悲しさをちゃんと認めてあげてほしいのです。
もちろん親に悪意があったわけではなく、親には親の事情があったはず。
それもわかったうえで、その時に感じた正直な感情をそのまま受け止めてみるのです。
感情は感じてあげると、納得して消化されてゆきます。
そうやってひとつひとつ、ご自身の感情に丁寧に向き合って癒されてゆくと、お母さん自身が条件から解放され、そのままの自分でもいい、私は私なりにがんばってきた、と自分を認められるようになります。
すると「なにかの条件を満たしていても満たしていなくても、私は私でOKなのだ」と、何かが出来ても出来なくても、自分への肯定感が上がります。
自己を肯定するとは、良いところはもちろん、出来ないことや苦手なことがあっても ”それも私だ” とそのまま受け容れ、自分自身にOKを出すことです。
お母さんの自己肯定感が上がると子どものこともそのままで受け容れやすくなるので、子どもを支配するのではなく、応援することが出来るようになります。
また 『私と子どもの幸せは別ものだよな』 と、過度に干渉したり支配的にならずにすみます。
子どもにとって、自分を無条件に応援してくれる親の存在ほど心強いものはありません。
それにはお母さん自身が自分の価値を見直し、自分をまるごと認めることです。
あなたとお子さんが幸せでありますように。
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来週は、朝陽みきカウンセラーがお送りいたします。
どうぞ、お楽しみに♪