心を癒やしすことで心の反応を変えて自分軸の恋愛に変えていったケースをご紹介します。
■自分軸と他人軸
自分軸、他人軸という言葉があります。
自分軸とは、自分の考えや価値感を大切にしながら自分がどうしたいかを選択して行動することを指します。
他人軸は、他人がどう思うのか、他人はどうしたいと思っているのかを軸に選択して行動することを指しま
■他人軸での恋愛
A子さんは他人軸で恋愛をしていました。
彼が気に入りそうかを軸に着るファッションを選び、
彼に好かれそうかを軸にヘアースタイルを選び、
彼がどう思うかを基に言葉を選び、
彼がどうしたいのかを考えて、
本当は嫌なことでも彼の希望に合わせて行動していました。
もし、あなたがA子さんのようにしたとしたら、どんな感じがするでしょうか?
快適、爽快、楽しい、楽な気持ちとは違う気持ちになる方は少ないのではないかと思います。
A子さんは、そうでした。
付き合って3ヶ月くらいまでは付き合い立ての高揚感と、好きになった彼が喜ぶならなんでもしたいという気持ちで気にならないのですが、3ヶ月を過ぎたくらいから疲れ始め、犠牲感が伴い、苦しくなっていきます。
それでも、彼に嫌われないかが不安で他人軸の恋愛は辞められず、彼に合わせ、自分の気持ちは飲み込み、我慢して、我慢して、我慢して・・・苦しくなって別れたくなってしまいます。
そして何らかのきっかけで感情的に爆発し別れをA子さんから切り出し別れてしまいます。
これが彼女の恋愛パターンで何度も同じことを繰り返してきました。
■頭では自分軸が大切とわかっているが気持ちがついていかない
A子さんは、次の恋愛ではこのパターンの恋愛を辞めようと思いました。
『自分軸で生きる』『自分軸で恋愛をする』『自分軸の作り方』
といった内容の本をたくさん読みました。
だから、どう考えるべきなのか、どうするべきなのかは頭では理解していました。
しかし、いざ恋愛になると同じパターンになってしまいます。
あなたにはありませんか?
こう考えたらいい、こうしたほうがいいと頭では理解していたはずなのに、いざその局面になるといつもと同じことをしてしまうことはありませんか?
A子さんはそうでした。
頭では理解していたはずなのに、いざ恋愛の局面になると、彼が気に入りそうかが気になり、彼に好かれそうかが気になり、彼がどう思うかが気になり、彼がどうしたそうなのかが気になります。
自分軸であることは大切というのは理屈としては理解しているのですが、気持ちがついていきません。
心は彼のことが気になってしまうのです。
■見捨てられ不安が他人軸の恋愛を作っていた
頭では理解しているはずなのに気持ちがついていかない!
A子さんは『これは知識を頭にいれるという問題ではなく心の問題だ』と思いカウンセリングを受けようと思ったそうです。
カウンセリングをして見えてきたのは、A子さんは“見捨てられ不安”が強いことがわかりました。
見捨てられたくないために彼が気に入りそうかを気にし、
見捨てられたくないために彼に好かれそうかを気にし、
見捨てられたくないために彼がどう思うかを気にし、
見捨てられたくないために本当は嫌なことでも彼の希望に合わせていました。
他人軸の恋愛になってしまう動機が見捨てられる不安だったのです。
■見捨てられ不安の原因
A子さんの見捨てられ不安を見ていくと、子どもの時の体験が要因の一つになっていることがわかってきました。
A子さんが幼い頃に、ご両親は離婚をしました。
A子さんはお父さんに引き取られ、妹さんはお母さんに引き取られる形になりました。
A子さんは『お母さんに選ばれなかった』と感じたそうです。
逆に言えば、お父さんに選ばれたとも言えますが、子どもの時のA子さんはお母さんに選ばれなかったと感じました。
子どもの頃のA子さんは『お母さんは私より妹のほう好きだから妹を選んだんだ』と思い、見捨てられたように感じました。
それはA子さんの心の傷になっていました。
大人のA子さんの頭では、お母さんは妹のほう好きだから妹を選んだのではなく、子どもにとって良い形になるようにお母さんとお父さんと話し合っての決めたのであろうと解釈できるようになっているのですが、子どもの時に感じたことが心から離れず、心のどこかでそう思ってしまうそうです。
その心の傷がある為、恋愛で好きな人ができると、『お母さんは好きじゃない私を選ばなかったように、好きな人も私のことを好きという思いが減っていくと見捨てるんじゃないか』という心の回路が動きだし、見捨てられ不安を動機とした他人軸の考えをしてしまうのでした。
その為、この心の回路が動き出さないように心の傷を癒していくことがいることに取り組んでいきました。
■インナーチャイルドワークで心を癒やす
A子さんとインナーチャイルドワークといってイメージを使った瞑想を用いて、子どもの時に作った心の傷を癒していくことをしていきました。
イメージを使って、お母さんに選ばれなかったと感じた子どもの頃のA子さんに会いに行きました。
すると大人のA子さんに、当時感じた見捨てられたように思った悲しみがこみあげてきました。
その悲しみを涙に流して浄化していきました。
数度にわたりインナーチャイルドワークをしていき、当時見捨てられたように感じた悲しみを癒やしていきました。
心の傷が癒えていくにつれて、恋愛におけるA子さんの見捨てられ不安が薄まっていきました。
そうしていくと、やがて自分軸で恋愛ができるようになっていきました。
今まで本でたくさん読んだ知識が、感情(見捨てられる不安)に引っ張られず上手く使えるようになったのです。
■知識を入れるよりも感情を癒すことの重要なケース
「こういう時はこういうふうに考えてみましょう」と考え方を学ぶことで恋愛が楽になったり楽しくなったりすることがあります。
まだ知らぬ考え方を知ることって大切だと思います。
しかし、考え方を学んで知識としては知っているのに、A子さんのように感情に引っ張られてしまい、その考え方を実践で上手く使えないことがあります。
その場合は、もしかしたら傷ついた気持ちが足を引っ張っているのかもしれません。
そのような時は、さらに知識を詰め込むのではなく、A子さんのように傷ついた気持ちを癒すことが必要です。
もし、あなたに「こういう時はこういうふうに考えてみましょう」といった考え方を知っているのに実践で上手くできないことがあれば、『A子さんのように傷ついた気持ちが残っていて足を引っ張っていないかな?』ということを考えてみてもいいかもしれません。
そして、考えてみて傷ついた気持ちが残っていることを発見したら、誰かに話してその傷ついた気持ちを外に流す機会を持ってみてください。
話すことによってその傷ついた気持ちを外に流すことができます。
傷ついた感情は外に流していくことで癒しが進んでいきますから。
あなたの恋愛が傷ついた気持ちに引っ張られることなく、楽に、楽しくなることを願っています。
今回の記事があなたの恋愛のヒントになれば幸いです。
(完)