「自分には女性としての魅力がまったくない」と思い込んでいませんか?
こんばんは
神戸メンタルサービスの平です。
彼女は「自分には女性としての魅力がまったくない」と思い込んでいました。
ですから、「こんな自分に興味をもってくれる男性はいないし、もしも近づいてくる男性がいるとしたら、悪意があり、私を利用しようとするような輩に違いない」と思っていたわけです。
そんな彼女に、最近、近づいてきた男性がいました。そして、意外にも、その男性に対し、彼女のアラームが点灯しなかったのです。
その男性は日本人ではなく、アフリカからの留学生でした。
彼女は大学の職員で、仕事上、学生の相談に乗ったり、サポートをしたりすることがあります。この彼も経済的に苦しい状況にあり、大学の事務局に相談に来た学生の一人でした。
留学生の多くはアルバイトをして経済的に自立していくのですが、彼の場合、まだ日本語が十分に話せないことから、そのアルバイト探しにも苦労していたのです。
事務職員として彼女は彼にさまざまなサポートをし、さらに、食事も十分に取れていないと聞き、仕方なくではありましたが、お弁当をつくってあげたりもしました。すると、彼は彼女にすっかり恋をしてしまったのです。
彼が彼女に惹かれたのは、彼女のやさしさだけでなく、彼女の容姿もまた彼の好みにぴったりだったからなのでした。
彼女は愛嬌のあるよい娘ですが、とくべつ美人というわけではありません。体型はやや‥‥、いや、だいぶぽっちゃりとしたタイプ。
そして、じつはアフリカや南米の男性には華奢な女性はあまり魅力的には映らず、彼女のようなぽっちゃり型の女性がいちばん素敵に見えるのです。
以降、彼の猛烈なアタックがはじまったわけですが、自分がモテるわけがないと思い込んでいた彼女にとって、それは青天の霹靂といえる出来事でした。
そして、困り果てた彼女は私どものカウンセリングを受けにやってきたのです。
彼女の口ぐせは、「だって、私なんか魅力ないでしょ」。
といっても、例の留学生の彼が真面目な人物であるということは、彼女もいままでのやりとりでわかっています。
初めこそ「私のヒモにでもなろうと思っているのかしら?」などと邪推したものの、どう考えても彼はそういうタイプではありません。そもそも彼のお国では、女性に食べさせてもらうことはプライドが許さないらしいのです。
私は彼女にこう言いました。
「あなたにまったく魅力がないならば、なぜ、彼はこんなにあなたに夢中になるんでしょうね?」
「え?」
「どうやら、あなたは自分に魅力があるということを受け容れることに抵抗しているようですよ。つまり、彼を疑っているのではなく、彼にとって自分が魅力的だという考え方とケンカをしているのです」
すると、彼女は泣き出してしまいました。
長年、自分の容姿にコンプレックスのあった彼女は、自分を防衛するために、「だって、しょうがないでしょ。私には魅力がないんだもん」と自分に言い聞かせてきたのです。
しかし、そんな彼女の前に現れたのは、まったく違う価値観をもつ彼でした。
その彼を信頼することからはじめてみたところ、まもなく、彼女は自分に魅力があるということを受け容れざるを得なくなってしまったのです。
自分に魅力がないと思っている人は、まわりの人々になにも与えようとしないものです。なぜなら、自分には与えられるものはなにももっていないと思い込んでいるからです。
でも、魅力があると知ったからには、それをしっかり見せてあげることで、彼をよろこばせてあげることもできますよね。
その後は彼女がしてあげるすべてのことを彼は大いによろこび、それによって彼女の自己価値もどんどん上がっていったのです。
来週の恋愛心理学もお楽しみに!!
(完)