プレッシャーを強く感じて不安になる

相談者名
ミケ

43歳女性、漫画アシスタントの仕事をしています。
27歳の頃から絵を描く仕事を始めて16年ほどになります。

これまでに仕事で様々な高い評価を受けたり、逆にすぐにクビになったり、色々経験してきました。
今度新しい漫画作品のアシスタントになることが決まりましたが、人気作品であり相当高いレベルの作画とスピードが求められる職場でものすごく緊張しています。

2ヶ月の試用期間を経てレギュラーになることができるか、クビになるかのどちらかです。
無事レギュラーになるには100点満点以上の120点を求められている感じです。
プレッシャーがつよすぎて呼吸が苦しくなるほどで辛いです。

今までも様々な現場を経験してきましたが、こんなに緊張とプレッシャーの強い現場は初めてです。
理由はよくわからないのですが……
でも絶対にレギュラーを勝ち取りたいと強く思います。

先日パリオリンピック柔道女子の試合で、東京五輪金メダリスト阿部詩選手が試合に負けてしまい悲鳴に近い叫び声で号泣していたのをテレビで観ましたが、わたしも(背負っているものの大きさは全然違いますが)同じくらいのプレッシャー、重圧を感じています。
レギュラーになれずクビになったら独り泣き叫ぶと思います。

どうにかプレッシャーや不安と仲良くしつつ新しい現場で自分のもてる力を全て出し切りたいです。
そういった重圧に負けず目の前のやるべきことに集中できるコツみたいなものがありましたら教えていただきたいです。

どうぞよろしくお願いいたします。

カウンセラー
すのせさちこ

ミケさん、初めまして。
ご相談いただき、ありがとうございます。
今回担当させていただきます、すのせさちこと申します。
どうぞよろしくお願いします。

ミケさんは絵を描くお仕事を16年もなさっているんですね。
厳しい世界の中で紆余曲折あれど16年続けていらっしゃること、このたび人気漫画作品のアシスタントになることが決まったことは、誇れることだと思います。

一方、人気作品で相当高いレベルの作画とスピードが求められる職場であり、2ヶ月でレギュラーになるかどうか試されるのであれば、ミケさんが書いていらっしゃるようにオリンピック選手並みの重圧に押しつぶされそうで辛いですよね…

呼吸が苦しくなるほど今までにないプレッシャーと緊張を感じる要因は、色々あると思います。

・新しい職場であること
・相当高いレベルの作画とスピードが求められること
・多くの人目に触れる人気作品であること
・2ヶ月という短い期間で自分の力が試されること
・絶対にレギュラーを勝ち取りたいという強い思いがあること

これらのことからくる
・レギュラーになれなかったらどうしよう
・失敗したらどうしよ
・自分の力不足を思い知るのではないか
などといった不安や怖れを強く感じている状態なのだと思います。

ではミケさんがプレッシャーや不安と仲良くしつつ新しい現場で自分のもてる力を全て出し切り、重圧に負けず目の前のやるべきことに集中するためにどうすればよいか、そのコツをご紹介しますね。

(1)深呼吸をする
プレッシャーやストレスを感じている時は、ミケさんが体感されているように自然に呼吸が浅くなり、体も緊張してしまいます。
体と心の緊張をほぐすために、深呼吸を行うことで、心拍数を落ち着け、自律神経やホルモンバランスを整え、心を落ち着かすのです。

ゆっくり息を吐き切る→ゆっくり大きく息を吸う

これを10回程度行うと、少しリラックスすると思いますが、ご自分が「少しは緩んだかな」と感じるまで繰り返してください。

息を吐く時は「不要なもの(不安や怖れ)を体の外に出している」、息を吸うときは「新鮮な空気と良いエネルギーを体に取り込んでいる」と意識しながら行うと、より効果的です。

(2)プレッシャーや不安を感じていることをそのまま認める
プレッシャーを感じること自体は悪いことではありません。
プレッシャーはマイナスに働けば、自分の力を出しきれないことにつながりますが、プラスに働けば自分の力(あるいはそれ以上の力)を発揮することにつながります。

不安を感じることは「うまくいかなかった時、心が傷つかないための準備」という人間の防衛反応なので、不安を感じてしまうのは無理もないことです。

プレッシャーを味方につけ、不安を和らげる第一歩として、深呼吸をした後、「こんな状況なら誰でも強いプレッシャーや不安を感じちゃうよね」とプレッシャーや不安を感じている自分をそのまま認め、受け入れてみましょう。

(3)実績に目を向ける
「絵を描く仕事を16年続けてきた」
「これまでに仕事で様々な高い評価を受けた」
「人気漫画作品のアシスタントのレギュラー候補に選ばれた」
これは紛れもない事実であり、ミケさんの実績です。

一方で「無事レギュラーになるには100点満点以上の120点を求められている感じ」はあくまでミケさんの感覚と想像で、ひょっとしたらミケさんの今の実力で十分レギュラーになれるのかもしれません。

実績に目を向けることで、冷静さと自分の自信を取り戻しましょう。

(4)自分のありたい姿をイメージする
深呼吸をして気持ちを落ち着かせ、プレッシャーや不安を感じている自分をそのまま認め、自分の実績に目を向けたら、次にミケさんのありたい姿をイメージしましょう。

レギュラーになり、自分の力を思う存分発揮し、生き生きと仕事をしている姿をできるだけリアルにイメージしてください。

ありたい姿をイメージすることで、不安や怖れに向いていた意識を「本来求めている結果」に向けるのです。

人は意識を向けた方向に動くと言われているので、望む結果を得るために自分のありたい姿を何度も何度もイメージしてみてくださいね。

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上記以外にも色々方法はありますが、まずはこの4つを試してみて、なかなかうまくいかない時にはカウンセリングの活用もご検討ください。

ミケさんが持てる力を出し切ってレギュラーになり、人気漫画作品のアシスタントとして活躍されることを祈っています。

ご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

大学卒業後、地元企業に就職し、デザイン・経理・総務・秘書・営業事務等の業務を経験。不惑にしてカウンセラーを目指すために転職。離婚も含めた人生経験をベースに、楽になる物事の受け止め方を提案する。生き方やライフワーク、メンタルヘルス、パートナーシップ全般の問題を得意とする。