運が良い人ってどんな人?
「最近ツイていない」「今日はツイていた」と日々私たちは言いますが、もし運を味方につける方法があるのならば、それを知りたいと思いませんか?
運について心理学的な考察からお届けいたします。
◆運ってなんだ?
「運」ってなんだかわかるような、わからないような言葉ですよね。一般的には「到底実現しなさそうなことを偶然実現させてしまうこと」を表します。つまりは、自分の力ではどうにもできないものを運だと私たちは思っているようです。
私たちがなぜ「運」というものを作った、もしくは信じるようになったかというと、そこにはひとつの深層心理があるようです。
私たちは、原因がよくわからない出来事が起きたときに「運」という言葉を使いたくなります。それは「運」という言葉が、よくわからないことが起きているときの気持ちの悪さを払拭してくれるからなのですね。
それは良いことが起きても悪いことが起きても同じです。運のせいにしておくと、自分のせいではないので、ちょっとほっとするのです。しかし、ここにはひとつの「罠」があります。
◆運がもたらす罠とは?
「たまたま運が良かっただけ」「今日は運が悪い一日だった」
私たちは「運」を理由にしたとたん、考えることや行動することを止めやすいのです。なぜならば、運であるのならば、自分の力ではどうしようもないので、そこであっさり諦めることが出来るからです。
しかし、ここに「運の良い人」と「運の悪い人」の違いが現れてきますから、ここから先を心して読んでくださいね。
◆「運の良い人」「運の悪い人」の違いとは?
たとえば、あなたと入社も同じでさほど変わらない働きぶりをしている同僚が、上司からの高い評価を得てプロジェクトリーダーに抜擢されたとしましょう。
あなたはちょっと悔しかったので、「あいつは口が上手いからな。上司が気にいるようなことばかり言うもんな。まったく運がいいヤツだよ」と思ったとします。
しかし、「まったく運がいいヤツだよ」だけで終わらせてしまうと、その同僚のもつ「運が良い理由」をスルーしたまま、あなたの運を逃してしまうのです。
そこで、ちょっと考えてみることにします。「なんであいつはそんなにも運がいいんだ?自分と入社も同じで働きぶりもさほど変わらない。だけど、なぜあいつは運がいいのか?」と。
ちょっと、いやだいぶ嫌な気がすると思うのですが、あえてその理由を考えてみます。すると見えるのです。
「たしかに、あいつはコニュニケーションが上手い。なんかつい気分良く話しちゃうところあるよな。それってどうして?」「そうか、質問するのが上手いからか。相手に話させるのがすごく上手いのか!」
つまり、同僚の運が良いことには何らかの理由があるはず。そこから目を背けずに注目すれば、そこから学ぶことも真似ることも可能になるということなのです。
ところが、それを運の良い悪いだけで捉えると、その理由がわからないままで終わります。すると、同僚と自分の評価の差がついたままで、自分では何も変えることができなくなってしまうのです。
じつはこういうことはたくさん起こっています。運が良いことは偶然ではなく、何か理由や原因があるのではないかと好奇心をもって見ることが違いを作るのです。
◆運には理由と原因がある
私の経験ですが、自分なりの準備や努力をしたにも関わらず、本番になると思うような成果が出ないことが長く続きました。そんなときの私の口癖は「今回は運が悪かった」でした。
運のせいにしておくと、少しだけ救われるのです。しかし、そう言いたくなるときには、どこかに準備や練習の不足、雑になっている部分がありました。
それを「運」で片付けてしまうとラクになるのですが、上手くいかないことには必ず理由や原因があります。そこに目を向ければ改善策を練ることができ、次回をもっと良くすることができるのに、それをしないままに終わりにしてしまう。
それこそが「運を逃がしている」のですが、私たちは自分を責めることに忙しく、起こった出来事を客観的に見ることから逃げているのです。
◆運を敵にまわす方法
心理学には「自分を責めることからは何も生まれない」という格言があります。もし上手く出来ないことがあれば、出来ない自分を責めるのではなく、次はどうすればいいのかを計画するのです。
自分を責め続けると次の行動やチャレンジが出来なくなります。運という文字は「運動、運転、運送、運行、運営」などに使われますが、動いてこそ運が働くのです。
しかし、ここで自分を責めすぎると動けなくなり、チャレンジすることを止めてしまいます。動かなくなることこそが、じつは運を下げているのだということに気が付かなければいけません。
◆運を味方につける方法
みなさんのなかで、何かが上手くいったときに「今回はたまたま上手くいったな。ラッキーだったな!」と考えるクセがある人はいませんか?
これはたまたま偶然なのだ。すると、自分の力で出来たのではなく、たまたま上手いことが起きたという認識になります。
すると、自分がやったことにならないので、ちっとも自信がつきません。だって、自分がしたことなのに運がしたことにしているからです。
上手くいった時こそ「ん?なぜ上手くいったのだろう?」とその理由と原因を考えてみた方が良いのです。必ず何かがあるはずですから。
運は天から降ってくるようなものではなく、根拠がちゃんとあるのではないかと考えるクセをつけると、自分の味方につけることができるのです。お試しあれ。
(完)