リアル子育てデイズ

私、娘が産まれたら、んーーもう目一杯愛してあげたかったんです。
何が出来ても出来なくても、どんなにワガママでもヤンチャでも大人しくても「これがこの子だから」と、まるっと受け入れて愛してあげたい!
そう思っていました。

齋藤一人さんのお母様のように、もし学校に行けなくなっても「こんなに学校に不向きなお前は、社会に向いてるんだねぇ」な~んて優しく言ってあげたかったし、保護者面談の時には「うちの子、良いでしょう~」なんて先生に自信満々でニコニコしていたかった。
簡単に愛せると思っていました。

小さい子ってただそれだけで可愛いじゃないですか。
あんなに愛しやすそうな子供を愛することなんてヨユーヨユー。
いっぱいギューーってして、チューってして、ハグハグして絵本読んであげるんだ~♪
と思っていました。

更に私の野望はありました。
それは「幸せなママになること」
ママが幸せそうじゃなかったら、子供も自分に幸せを許しづらくなります。
私がやりたかったのは、たった2つです。
1、めいっぱい愛してあげるべし!(可愛いだろうから余裕でしょ)
2、幸せなママになるぞ!(カウンセラーとして自分を幸せにできてきたから大丈夫でしょ)
しかし、娘が産まれてから間もなく、そんな私の根拠なき自信は、こっぱみじんに崩れ去るのでした。

赤ちゃんの泣き声は想像を絶して不快でした。
基本、全て思い通りにいきませんでした。
ギュッとハグしたくても大人しく抱かせてはくれません。
体をクネクネさせて隙あらば逃げられますし、挙げ句平気で「ママ、いらない」なんて言われます。

良かれと思う事も正論も、まったく奴らには通じません。
読んであげたかった絵本は噛みちぎられ、読んでいる途中でページをめくられ、ろくに読ませてもらえない。
「こんなはずでは・・・」の連続で「もう嫌だ」になるのは時間の問題でした。

娘を愛せない。可愛いと思えない。ダメな母親だ。
そんな感情が耐えがたく、ますます娘にイライラし怒ってしまう日々。
1、うまく愛せないし
2、こんな日々ちっとも幸せじゃない。
たったの2つの私の目標と根拠泣き自信は、あっという間に吹き飛んで行きました。

私、子供の頃から娘が欲しかったんです。
お世話をしてあげたかった。
なぜなら・・・寂しかったから。
父も兄弟もいなくて、母は忙しそうで。
良い子でいることで母を助けようと無理をしている子供でした。
自分がもらえなかったもの(たっぷりお世話)を、誰かに与えることで満たそうとしていたんだと思います。

私が幸せなママ!にこだわったのも、自分の母が幸せそうではなかったから。
それを近くで見ていることがツラかったから。
自分が欲しくてももらえなかったものを、子供に与えることで、幼い頃の私の無念が雲散霧消する計画だったんです。
でも、それが全然簡単ではなかった。

愛せない。愛させてもらえない。
なぜなら、娘のワガママの度が過ぎるから。
娘がもっと良い子だったら、愛せたのかな。
「いっそ私のように我慢して良い子になってくれ」
そんなこと全然望んでなんかいないのに、大変すぎてそんなことを思ってしまう自分にまたガッカリと肩を落として失望する。
どんな個性でもまるっと受け入れたいと思っていたのに。
強情で我が強くワガママ放題、という私が表現できなかったことを見せてくれる娘は私のシャドウ(生きられなかった自分。苦手な相手)そのものでした。

こんなもん、愛せるかーーー!
そう怒っては反省する、の繰り返しです。
それでも娘は見せ続けてくれてます。
「ママ、もっとワガママに自由に生きなよ。本当のママはこんな人でしょ?こんな性格も個性も持ってるでしょ?」
抑圧して隠したワガママで強情な私を思い出させてくれます。
たしかに、これも私。愛されないと思って、困らせると思って、無いことにした私の中の私。
子供のころ、もっとワガママ言っても許してもらいたかった私がいたことを認めます。

もっと沢山の人に囲まれて安心して暮らしたかった私もいました。
心の中に今も、そんな自分がいることを認めます。
そうだよね。寂しかったよね。
もっと遊んでほしかったし、聞かず屋の悪い子の私でも、まるっと認めて愛してほしかったよね。
当時の幼い私の無念を、今の私がぎゅーっとハグするイメージをします。

そして苦労続きだった40年前の母を、今の私がイメージの中で抱きしめます。
結婚して、子供に恵まれて、幸せでいたかったよね。
他の人達のような普通の幸せを、自分も手にできると思ってたよね。
当時の母の無念を抱きしめて、私の胸の中で母に泣かせてあげます。
子育ては自分癒やしのチャンスでもあり、自責するチャンスもごまんと有ります。
どうか一人でも多くのママが自責よりも深い所にあるご自身の愛を感じながらお子さんと笑えますように。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

温かくフレンドリーで近づきやすい雰囲気を持つ。カウンセラーという垣根が低く「昔からの友達みたい」「元気になれる」と定評がある。両親の離婚と再婚、家族を失った経験を持ち、生きづらさを克服してきたことから、どんなお話もまるっと受容し、安心や希望を感じていただく事を大切にしている。