ママ友づきあい:「あなたのためを思って」が裏目にでるとき

私たち親は、日々「こどものためを思って」様々のことをこなしています。こどものご飯を作ること、朝の登校準備の手伝い、宿題、寝かしつけ。これらのすべてが「こどものためを思って」行っていることだと思います。

でも
「こどものためを思って無理してきたことが、実は裏目に出てしまった」
なんて経験はありませんか?

そのとき
「本当にこどものためを思っていたのか?」
「本当は誰のために行動していたのか?」
振り返ってみてもいいのかもしれません。

華やかなママ友たちとの日々

こどもが小さかったころ、私は一時的に華やかなママ友グループに属していました。彼女たちの金銭感覚や時間の使いかた、会話に、私は大きく振り回され、自信を失い、顔色をうかがっていました。家に帰ると、あまりにも疲労困憊している私をみて、夫が
「あんまり背伸びして無理するなよ」
と、アドバイスしてくれました。

・夫を悪者にして憤る

しかし、その頃の私は「こどものためを思って」頑張っているつもりだったので、夫の言葉に耳を貸すことができませんでした。それどころか
「ひどい。邪魔しないでよ。わかった、あなた嫉妬しているんじゃない?」
なんて、夫を悪者にして、憤っていました。

 

無理が生んだ悲劇

そんなある日、そのママ友たちとのランチから帰宅した私は、あまりの疲れから横になったまま一歩も動けませんでした。そのとき、こどもが「ママー」と、抱き着いてきたのです。そのこどもにむかって私は
「うるさい!!」
と、どなり突き放してしまったのです。

・楽しい一日のはずが、悲しい一日に

今日は楽しい一日になるはずでした。でも、私の怒鳴り声で楽しい思い出もなにもかも全部ふっとぶくらい悲しい一日にしてしまいました。

 

本当に「こどものため」だったのか

「あなたのためを思って」が、「こどもの幸せからかけ離れてしまっている」とき、主に誰のための行動だったのか、振り返ってみませんか?

私自身も「本当にこどものためを思っているのか」振り返りました。そのとき気付いたことがあります。

・自分の過去を埋めようとしていた

私は過去の出来事にリベンジしようとしていました。私は学生時代、友達がいなかった時期があります。ママ友との関係で、こどもが一緒にいてくれる、つまり味方がいてくれる環境で、過去の屈辱や劣等感をはらそうとしていました。

今回のこの「こどものためを思って」背伸びしたことは、実はこどものためではありませんでした。自分の過去を埋めるために使おうとしていたのです。

 

本当にこどものためを思うのであれば

私が本当にこどものためを思うのであれば
「私が本当はどうしたいのか」
取捨選択することが必要だと思いました。

そう思ったとき、思い浮かんだ人がいます。いつも公園で遊ぶママ友のほがらかな顔です。無理せず、のんびり、心地よく、継続して一緒にいられる人。自分が無理をしないで、自分らしくいられる日々が、私自身だけでなく、こどもにとっても幸せなことだと気付きました。

・恐れていることは、何も起こらなかった

「華やかなママ友グループに嫌われたらどうしよう」
と、恐れてびくびくしていました。でも、実際に待っていたのはただただ落ち着いた日々でした。恐れていることはなにも起きませんでした。

 

「あなたのためを思って」の本当の意味

子育てにおいて「あなたのためを思って」という言葉が、裏目に出る時。親の不安や焦り、劣等感を解消するために使われているなんてことはありませんか?その結果、こどもにとっては
「本当は自分のことを思ってくれていない」
と、感じさせてしまうこともあるかもしれません。

「あなたのことを思って」という言葉を使う時、親はこどもの幸せを願っていることは間違いないと私は思うのです。しかし、こどもにとっての幸せとはいったいどんなものでしょうか?

私はこどもにとっての幸せとは「こども自身が笑顔で幸せ、お父さんもお母さんも笑顔で幸せ」な状態でいることではないかなと思います。

そのために、
「親やこどもが無理していないか」
「親の過去をこどもで埋めようとしていないか」
「本当のこどもの幸せとはなにか」
取捨選択をするために振り返ってみるのも必要かもしれません。案外、わたしたちが恐れていることは、なにも起きないのかもしれません。

この記事が、みなさんの子育てのお役に立てたら嬉しいです。

来週は、小川のりこカウンセラーです。
どうぞお楽しみに。

 

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この記事を書いたカウンセラー

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恋愛・夫婦・子育て・人間関係など、生きづらさや悩みを抱えたかたに、穏やかに、寄り添うことを大切にしている。「話すことのすべてを大切に聴いてもらえる安心感」がある。あらゆる人のなかにある豊かな才能・魅力に光をあて、生きる力を一緒に育む。共感力の高いカウンセラーである。