役に立てていないように感じるとき

皆さん、こんにちは。
カウンセリングサービスの南條あすかです。

皆さんは「私、この職場で役に立てているのかな?」と思ったことはありませんか?
新しい仕事を始めてなかなか成果が出なくて「役に立てていないな」と感じたり、長年仕事を続けていて日々の作業は出来ていても「自分がやっている事って、何かの役に立っているのかな?」と思ったりするのではないかと思います。

自分が「役に立てていない」と感じていたら、仕事に対するモチベーションも下がってしまいますし、自分に対しても自信がなくなってしまいます。

私たちは、多かれ少なかれ「人の役に立ちたい」「誰かに喜んでほしい」と思う気持ちを持っています。
しかし、「役に立つこと=自分の価値」という思い込みがあると、「役に立てていない自分は価値がない」と思ってしまいやすくなります。
また、「役に立たないと価値がない」と思い込んでいると、いつも誰かの期待に応えなくてはならなくなりますし、成果が出なかったりすると、落ち込んだり、自分を責めてしまったりします。

心の世界では「人はそのままで価値がある」と言われます。
とはいえ、職場など結果を重視されがちな状況では「そのままの自分で価値がある」と思うことが難しいこともありますよね。
今回は、物事の見方を少し変えて「役に立っていないように感じる」を緩めるヒントをお伝えしたいと思います。

●自己評価を見直す

「自分は役に立っていない」と感じる時、私たちは「周りの人はきっと自分を役に立てていない存在だと思っている」と感じています。
それは、私たちの心の「自分の心で感じていることを外の世界に映し出す」という性質から来るものです。
実際には、周りの人はあなたを「役に立っていない人だ」と思っていないことが多いのです。
むしろ「頑張っているな」と思っていることもありますし、自分のことで精いっぱいで、周りの人の事はそれほど気にしていないこともあります。

「自分は役に立てていないな」と感じる時は、自分のやっている事や自分の能力を客観的に捉えて、自分が自分を過小評価していないか見直してみることが大切です。

●自分の長所に目を向ける

新しい仕事を始めたときなどに、すぐにその技術やスキルを習得する人、成果が出る人もいれば、時間がかかる人もいます。
なかなか成果が出ない時など「あの人と比べて私は、、」と落ち込むかもしれませんが、人には様々なタイプがあります。

例えば、すぐに良い結果や成果が出ない人は、物事を深く考える人が多いと言われています。
そんな人は、表面的なスキルだけではなく「なぜそのことが必要なのか」といったそのスキルの本質を掴むことが出来ているため、イレギュラーなことが起こった時にもスムーズに対応できます。
「あの人と比べて私は、、」と落ち込んでしまう方は、自分を多角的に見て、自分の長所に目を向けるとよいでしょう。

●感謝を受け取る

私たちは、自分が役に立てていないように感じると、自分に自信がなくなって、自分に意識が向いてしまったり物事の捉え方が一面的になったりします。

そもそも「自分は役に立てていないように感じる」という方は、「役に立ちたい」と強く思っている方なので、自分は実感がなくても、何かしら周りの役に立つことをやっていることが多いのです。

しかし、自分に自信がなくて、「私のやっていることなんてたいしたことない」とか「私のやっていることは迷惑なんじゃないかな」などと思っていると、周りから自分に向けられた感謝の気持ちや評価してくれている人の想いに気が付くことが出来ません。
すると、たとえ周りの人が自分に「ありがとう」と言ってくれたとしても聞こえなかったり、表面的には感謝の気持ちを受け取ったとしても「どうせ社交辞令でしょ」と思ってしまったりして、相手の気持ちを受け取れないのです。
自分が役に立てていないと感じる時は、今自分が出来ていることを素直に認め、周りの人の感謝を謙虚に受け取ることも必要かもしれませんね。

●自分から与える

人には誰しも「誰かの役に立ちたい」という想いがあります。
あなたが周りの人の頑張りや貢献したい想いに気づいてあげることで、周りの人の「誰かの役に立ちたい」という想いを満たしてあげることもできます。

「自分は役に立てていないように感じる」ほど「役に立ちたい」と思っているあなただからこそ、周りの人の頑張りや気遣いに気が付くことができます。

あなたの周りに、あなたと同じように頑張っている人、コツコツ仕事をしている人、サポートしてくれている人はいませんか?
そんな人に「いつも頑張っているね」「とても助かっているよ」など、承認や感謝の言葉を伝えてあげることが出来るのです。
あなたが自分から周りの人の頑張りなどを承認してあげることによって、あなたの周りへの気遣いや思いやり、サポートしたい気持ちが周りの人の役に立つのです。

本来、私たちは自分の存在そのものに価値があり、生きているだけで誰かや何かに影響力があります。
でも、職場や家庭で過ごす中で自分の価値を感じられなくなることはよくあることです。
だからこそ、自分の中や周りの人の中にある良いところを見たり、自分を認めてくれている暖かな想いを受け取ったりしていくことが大切になってくるんですね。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

孤独感、自己否定からのうつ病を克服した経験、大手企業に勤続30年以上の経験から、自分自身との関わりや生き方、親子・友人・職場などの人間関係全般などを扱う。 気持ちに寄り添う高い共感力と地に足の着いた安心感を兼ね備える。「話をして安心できた」「気持ちが明るくなった」と好評である。