「子どもが罪悪感を持ってしまったんじゃないか」と思う時、例えば、テストの点数が思わしくなく、母親である自分が、きつく叱ってしまった。きょうだい喧嘩で、上の子を頭ごなしに、「お兄ちゃん(お姉ちゃん)のくせに!」と言ってしまった、など。
子どもに罪悪感を感じさせてしまうことは、母親にとって、ものすごく大きな失敗感になるようです。取り返しがつかないような気持ちになる方も少なくありません。
そんな子どもの罪悪感について、そして、その罪悪感を減らす方法について、今日は、書いてみたいと思います。おつきあいいただけたらと思います。
子どもの罪悪感の正体
子どもは、基本的には、父親、母親のことが大好きです。
大好きな父と母が、怒っていたり、元気がなかったり、悲しそうにしていることは、子どもにとって、大袈裟でなく、一大事なわけです。
やっぱり、大好きな父親、母親には、とにかく元気で、笑顔で、ご機嫌でいて欲しいものなんです。私たちの経験からいっても、そうでしたよね。
でも、両親は、元気もないし、笑顔じゃないし、怒っていて不機嫌だ、という時、子どもたちは、「私のせいだ」「自分のせいで、こうなっている」のだと、なぜか、罪悪感を感じてしまうんです。
どうして、父や母が、こうなっているのかについては、本当のところ、わからないことが多かっただろうと思います。大人の事情なんてわからない、幼い子どもたちは、原因が見当たらなければ、「自分のせいだ」と、「自分がいい子じゃないからだ」って、自分の中に原因があると、解釈してしまうことが多いのです。
子どもの罪悪感の正体は、父親と母親のことが大好きだから、ということです。
愛情がなければ、罪悪感も、生まれないのですから。
自分を悪い母親にしない
子どもに罪悪感を感じさせた、そういう状況を作った私は、悪い母親だと、思ってしまいやすいものです。
先ほども申し上げたような、テストの点数が思わしくなく、きつく叱ってしまった。きょうだい喧嘩で、上の子を頭ごなしに、「お兄ちゃん(お姉ちゃん)のくせに!」と言ってしまった、など、自分の子育てに、バツを付けてしまうこと、そして、ひどい母親、悪い母親だとレッテルを貼ってしまうこともあります。
先日、こんな動画を観ました。
小さな女の子と母親が、夕食にピザを食べています。
そして、女の子に、疲れた顔をしている母親がこう言うんです。
「私は、ご飯を作らない悪いママね。」って。
すると、女の子は、こう言います。
「ママ!ピザは美味しいし、ママは悪いママじゃない。良いママよ!」って。
そして、続けてこう言うのです。
「ママ、私は、悪いママじゃない。良いママだって、言って!」
母親は、ちょっと泣きながら、女の子の言う通りに言います。そして、にっこり笑うんです。
いろんな事情があって、母親は、食事を作る元気も、気力もなかったようです。
でも、本当は、きっと何か手をかけた美味しいものを、可愛い娘に作って、食べさせたかったのでしょう。だから、それができなかったこと、出来合いのピザを食べさせている自分が、ゆるせなかったんです。
罪悪感が大きくて、つい娘に向かって、悪いママだって、言ってしまったようです。
娘にとってみたら、大好きなママが、自分のことを悪いママだって言ってることが、ショックで、それは、大間違いであり、ママを叱って、言い直しさせたくなったのでしょうね。
子どもの前で、自分のことを「悪いママ」だなんて言ってはだめなんです。なぜなら、子どもの大切なものを傷つけることで、子どもを傷つけてしまうからです。
可哀想な子どもにしない
こんな母親で、ごめんなさい。
私のような母で、うちの子は可哀想。
そんなふうに感じている方は、実は少なくありません。カウンセリングでも、こういったことを仰る方は、結構いらっしゃるんです。
でも、お子さんたち、本当に可哀想でしょうか。
そんなふうに思ってくれているお母さんを、子どもは、嫌いでしょうか。自分が不幸だと思うでしょうか。いいえ、やっぱり、お母さんのことは、大好きなんです。
可哀想な子どもにしないでくださいね。
母親であるあなたが、可哀想だと思うことが、子どもにとっては可哀想なことです。
子どもたちは、ただ、あなたの笑顔が見たかったり、愛が欲しいだけです。なんなら、側にいてくれさえすればいいのですから。
こんな母親だと、引き下がらず、謝らないでください。親に謝られるなんて、子どもは困ってしまいます。
あなたの罪悪感で、子どもを遠ざけてしまわないようにしましょう。
あなたが笑顔で生きる
いい子じゃないから、私が悪いんだっていう、子どもの持つ罪悪感を減らす方法があります。
それは、あなたが笑顔で生きることです。
母親であるあなたが、辛そうに生きているのと、幸せそうに生きているのと、どちらが、子どもにとって良いのか。幸せそうに生きているほうが、子どもは楽に決まっています。
でももし、母親であるあなたが辛そうだったら、子どもも辛くなってしまいます。
子どもが罪悪感を感じてしまうことは、あなたが一番したくなかったことではありませんか。
一緒に暮らしていても、別々に暮らしていても、親は、笑顔で、幸せに生きていることが大切なんです。逆を言えば、あなたが幸せに生きていることが、子どもの幸せにも、つながるということです。
罪悪感は、伝染しますが、幸せも、伝染します。
時間も気力もなくて、出来合いのピザを夕食に出したとしても、「ピザで、ごめんなさい、悪いママで、ごめんなさい」って、罪悪感と共に食べさせるのか、「ママと一緒に食べよう。ピザ、美味しいね。」って、笑顔で食べさせるのかで、食卓は一変します。
ここでは、出来合いのピザがわるいのではないのです。
あなたの感じている罪悪感が、子どもへの愛情から来ていることを、あなたが忘れてしまっているだけなんです。
子どもにとってあなたは、いつだって、大好きな、大切なママです。
そこから、降りてしまって、悪者になってはいませんか。
子どもが大切に思うご自身を、どうか大切になさってください。もし罪悪感が出てきたら、愛情とセットなのだと、是非思い出しみてくださいね。
子どもの罪悪感を減らす、一番良い方法です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
みなさんの子育てに、お役に立つことがあれば、嬉しいです。
来週金曜日は、いしだちさカウンセラーがお送りします。
どうぞお楽しみに。