幸せになってはいけないと感じてしまう心理的背景とは
この記事では、幸せになりたいと願いながらも『幸せになってはいけない』と感じてしまう心理的背景と、それを克服して幸せを手に入れた事例をご紹介します。
■罪悪感とは? ~心に抱える「罰を受けるべきだ」という感情
罪悪感とは“悪い自分は罰を受けるべきだ”という心の動きをする感情です。
そして、
自分を責めたり、
犠牲をしたり、
幸せな状況がやってきてもそれを受けとらなかったり何らかの形で自分に罰を与えます。
■罪悪感は良い感情、良い状況を遠ざける動きをする
罪悪感があると、私は罰を受けるべきという心の動きをするわけです。
すると、
楽である、
喜びにあふれる、
心地良い、
などなどの良い感情を感じる、良い状況でいるのは罰にならないので、これらは罪悪感のマインドの観点からすると都合が悪いです。
だから罪悪感があると良い感情、良い状況を遠ざけようとすることがあります。
■幸せを望みながら遠ざけるという矛盾
私達には色々なマインドを持っています。
家庭では、やさしい自分もいれば、仕事になると冷徹な自分もいればと、一人の人の中に様々なマインドを持っています。
そして、矛盾が生じるようなマインドを同時に持つこともあります。
例えば、幸せになりたいというマインドもあれば、罪悪感から幸せを遠ざけるマインドもある。
それらを同時に持っていることがあります。
すると、幸せになりたいと思いながら、同時に幸せを遠ざけようとする整合性がない状態が生じます。
不思議なことですが私達の心はそんな矛盾を抱えることがあるのです。
そうすると、幸せになりたいと思っていても違うベクトルのマインドがある為スムーズに、それが手に入りにくかったり、逆に罪悪感マインドのベクトルが勝ってしまうことがあります。
このように罪悪感は幸せを遠ざける心理として働くことがあります。
逆に言うと、
幸せを遠ざける罪悪感が無くなると、愛とか、喜びとか、楽さ、平和などの幸せが入りやすくなると言えます。
■幸せになってはいけない
幸せになりたいと思いつつ、違うベクトルの罪悪感マインドが、それを邪魔していた一例をご紹介します。
結婚をしたいなぁと思っている女性がいました。
しかし、付き合う彼氏がモラハラ男だったり、働かずお金をせびる男だったり、浮気をする男だったりなどで、結婚にたどりつかない恋愛になっていました。
その恋愛でいっぱい傷ついてたんです。
恋愛で傷ついた思いを癒やすべくカウンセリングにきてくださっていたんです。
「原さん、 今回の男もダメ男でした。奥さんがいることを隠していたのが発覚しました。
次こそは幸せな結婚に進める恋愛を掴めるよう、今回の恋愛を引きづらずさっささと終わらせるようにしたいです」
「そっか、それは辛かったね。次に向けて一緒に頑張っていっこうね」
そんな話をしながら、今回の恋愛で傷ついた心を癒やすことに取り組むことにしました。
彼女が言うように終わった恋愛の感情に引っ張られてしまいスムーズに次の恋に進めにくいことがあります。
恋愛で傷ついた心が、傷口がふさがっておらず痛んだままだと恋愛をすることに関して億劫になったり、恋愛の気力が沸きにくくなったりするので、次の恋愛に向けて癒やしていくことにしました。
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カウンセリングで彼女とお話をしていると彼女がおかしなことを言い出すのです。
「原さん、私、幸せになってもいいのかなぁ?」
傷ついた心を癒して次の恋愛こそ幸せな恋愛したいと思い、その為に時間も、お金も、労力も使ってカウンセリングを使っている。
それぐらい、幸せを手に入れる方向に向けてエネルギーを使っているわけです。
「私、幸せになってもいいのかなぁ?」というのは幸せになってはいけないのでは?という観点からの質問なので、これは幸せを手に入れる方向に向かうとは、また別方向の力が加わっていると考えられます。
私は、その質問を聞いて、幸せを手にしたいと思いながら、それとは違うベクトルのマインドを持っているのかな?と思ったので、なぜそんなことを思うのか詳しく聞いてみました。
すると、昔赤ちゃんを堕ろした経験を話してくれました。
それは色んな事情があり、苦渋の選択で堕胎を選択したんです。
色んな事情で生んであげれなかったんです。
それは、様々な事情があり、苦渋の選択だったそうです。
しかし、彼女は堕胎後ずっと罪悪感を抱えており、「自分は幸せになってはいけない」と心の奥底で感じていたのです。
幸せになりたいと思いながら、心のどっかで幸せになってはいけないという思いをずっと抱えていたのです。
彼女は結婚願望がある人でした。
結婚が結婚して幸せになってしまうのは、罪悪感の観点から見ると自分に罰を与えないことになってしまいます。
例えば、既婚者の男性や、モラハラの男性と出会い「この人との未来は結婚というかたちは難しそうだなぁ・・・」と思うと、すぐにその恋愛から撤退(お別れ)する人もいます。.
しかし、彼女は心のどこかで私は幸せになってはいけないという思いがあったので、結婚という未来につながらなそうな恋愛であった時も、それに甘んじるという心の動きをしがちになっていたことがわかりました。
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堕胎したことはしかたがない事情だった当時の自分のことを理解して自分を許すことに取り組みました。
私からは自分を悪く思わなくてもいいと、何度もお伝えしました。
最初はそう思えなくても、人に何度もそう言われることで「そう思ってもいってもいいかもしれないな」と、だんだんと気持ちが切り替わっていくことがあります。
その為何度も伝えさせていただきました。
彼女は自分を許したい→でも許していいのかなぁ→許せてきた気がする→やっぱりそう簡単に許してはいけない気がする・・という葛藤を繰り返しながら、ちょっとずつ自分を許していきました。
そうやって自分を許していくと、 恋愛のパターンが変わっていきました。
結婚に不向きな人との恋愛はしなくなっていきました。
そして、とっても幸せな結婚を手にしました。
■幸せが手にはいらないのは罪悪感が邪魔していない?
今回ご紹介したケースは、幸せになりたいと思いつつ、違うベクトルの罪悪感マインドがあるとスムーズに手に入りにくいことがあるという一例です。
もし、あなたが幸せを望んでいるのにそれが手に入らない、もしくは望む状況が手に入っているのはずなのにそれを充分に受け取れていない等があれば、「どこかで自分を罰している自分がいないかな?」と自問して罪悪感を探してみましょう。
探してみて無いにこしたことがありませんが、もし罪悪感が発見したとしたら前進したと言えます。
罪悪感があり、それがあなたを望む状況を手に入れることを邪魔する力として働いていたことを発見できたとしたら、逆に言うと罪悪感を何とかすることで、あなたはより望むものを手に入れやすくなれると言えます。
その邪魔していたものを発見できたというのは前進と言えるでしょう。
罪悪感は無いにこしたことはありませんが、もし見つけたら自分を許そうと思ってみてくださいね。
(続)