一人で悩む彼の取り扱い法

こんばんは

神戸メンタルサービスの平です。

いつもなにか一人で悩んでいるような彼。

「どうしたの?」と聞いても、「べつに」とか「きみには関係ない、ほっておいてくれ」など、つれない態度。

そんな彼をもつ女性から、「彼の世界に私は入れてもらえず、とても寂しい」というご相談をいただくことがよくあります。

コミュニケーションの本などには「彼に聞いてみましょう」とよく書いてありますが、こんなふうに聞いても答えてくれない、むしろ迷惑がられたりするということもたしかにあるものです。

こんなときの彼には、あなたには伝えていない問題や秘密があると思われますが、そもそも隠しているということは、それはあまりよくないことだと彼が考えているといえるでしょう。

そして、あなたに伝えたとしたら、自分は嫌われるかもしれないし、自分の価値が下がってしまうかもしれないなどと思うわけです。

なるほど、みなさんにしても、秘密にしておかなければと思うことがあるとしたら、それはあまりよいことではないですよね。

ともあれ、彼からなにも教えてもらえないあなたにしてみれば、「私は信頼されていない」とか「あてにされていない」と思えるわけで、それはなかなかつらいことですよね。

で、「一人で悩まないで、私に言ってくれると、意外といいプランを思いつくかもしれないわよ」などと、ちょっとがんばってアプローチしてみたりするわけです。

が、「きみに解決できる問題じゃない」などと取りつく島もないことを言う彼。

それ以上、食い下がろうとすると、デートの途中であったとしても、「きょうはもう帰る。おもしろくない」など、彼はすっかり悪い態度になってしまいます。

しかしながら、ここで気づいていただきたいことがあります。

彼が一人で悩んでいるとあなたが察しているということは、彼は無意識かもしれませんが、気づいてくれ、助けてくれというメッセージをあなたに送っているということです。

どうやら、彼の中には二つの思いがあるようです。「このおれって、最低だよな。このことを知ったら、きみはすっかり失望するだろう」というのと、「いや、きみはそんなふうに思うことはないよね」という二つです。

私のかつてのクライアントの女性は、彼がまさにそんな状態だったとき、こんなふうに食い下がったそうです。

「私はあなたの彼女なんだから、あなたのことはぜんぶ知っておきたい。二人の未来をあなた一人で勝手に決めないでほしい」

「私がこう言っても話せないということならば、そんなあなたとは私はもうやっていけません。話してくれたら、問題次第でいっしょにやっていける可能性は半々だと思うんだけど、さあ、どっちにするの?」

こうして彼を追い込み、しゃべらせたという強者の彼女なのですが、とくに「私はあなたのパートナーなんだから、一人で勝手に決めないで」という言葉が彼のハートに響いたようでした。

そして、判明したのが、彼には多額の借金があるということで、しかも、自己破産するための弁護士費用もないぐらい彼は追いつまっているということなのでした。

結局、彼女が弁護士費用を出し、当面の生活の面倒も見ることとし、彼は彼女に頭の上がらない状況に。

そして、その上下関係を保ったまま、二人は仲よく(?)結婚なさいました。

もう一つ、地方の老舗旅館が実家だという男性とつきあっていた女性は、彼からこんな悩みを聞き出しました。

「ぼくと結婚したら、きみは将来、若女将にならないといけないよね。けれど、きみには若女将なんて仕事は向いていないでしょ。だから、きみと別れて実家に帰るか、きみを選んで実家を離れるかずっと考えているんだ」

彼女は言いました。

「私が若女将の仕事に向いているかいないかなんて、やってみないとわからないじゃないの!」

そして、この彼女、現在は立派な若女将になっているのです。

たしかに彼女はおしとやかでもきめ細やかなほうでもなく、女将に向いたタイプとはいえませんでした。しかし、彼のこの言葉をきっかけに、ものごとの見方や考え方が大きく変わったのです。

一人で悩むことをやめると、思いがけない道が開けることもあるんですね。

来週の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。