ベースに愛があれば間違えない

戸惑うのは自然なこと

「自分の子育てはこれで合っている?」
「間違っていないかな?」

と不安を抱くお母さんは多いかと思います。

特に子どもに問題行動が見られたとき。
妹や弟に意地悪をする、お友達とよくケンカをする、親の財布からお金を盗むなど。

「どう向き合ったらいいのだろう?」
「どうするのが正解だろう?」
戸惑うことも多々あるのではないでしょうか。
けれど、我が子といえども自分とは別の個の人間なので、戸惑うのは自然なことです。

そして、子育てに正解はありません。
なので、間違いもないのです。
ベースに愛があれば、戸惑いながらも一生懸命ママ(パパ)が自分と向き合ってくれたという愛情が伝わります。

 

欲しいのは親の愛情

子どもの心はいつも親に 「私を見て欲しい」 と願っています。
たとえそれが ”怒られること” であったとしても、です。
物理的にそばにいても心が寂しさを感じると、親の心をなんとかこちらを向かせようとあの手この手を使います。
手の掛からない優等生になって認めてもらおうとすることもあれば、とても手の掛かる世話の焼ける子になって親の目を引こうとすることも。

これまでは良い子だったのに、なにかしらの問題行動を起こすときは 「もっと私を見て欲しい!」 というサインだったり 「もうそんなに私に期待しないで!」 というメッセージだったりするものです。

 

本当は親も子もお互いを思いあっている

子どもの心配事は次から次へとやってきますが、その接し方は性別、年齢、その子の性格、環境などによって違ってくるので、一概に「これが正解」ということってないのです。

あるお母さんはシングルマザーで4人のお子さんを育てていました。
(掲載許可をいただいています)

一番上は10歳の女の子。
4人の子どもを抱えてシングルとなると、超ヘヴィーなワンオペ子育てです。
仕事もがんばらなくてはいけないし、家に帰ってきても山盛りの家事が待っている。

毎日、息つく暇もなく生活を回すことに必死になっているとき、10歳の娘さんが荒れだします。

それまでは妹や弟の面倒をよく見てくれていたのに、妹たちのおやつを取り上げたり、お母さんの財布からお金を盗んで友達に大盤振る舞いしていたり。

もう二度とそんなことをしないようにこっぴどく叱りつけた方がいいのか、しっかり気持ちを聞いてあげた方がいいのか、注意だけしてしばらく様子を見守っていた方がいいのか。

「どれが正解?」
悩んだ末に先ずは気持ちを聞いてみようと、なぜお母さんの財布からお金を取ったのかを聞いてみたそう。
でも、黙ったままの娘さん。

だんだんイライラし始めてきたとき、カウンセリングで 「子どもの問題行動は寂しさがあるから」 と話していたのを思い出してくださったそうです。

本当は叱りつけたい気持ちもあったけれど、寂しい気持ちにさせていることは間違いないと思うと申し訳なさが湧いてきて 「きっとママが寂しい思いをさせてたね。ごめんね」 と伝えると、娘さんはコクリと頷いて、その日は久しぶりに一緒のお布団で寝て、それから娘さんは落ち着いているとのこと。

これがもし、中学生の娘さんだったり息子さんだったりすると、また対応も違っていたかもしれません。
親も子も素直にストレートに気持ちを話せないことだってあるし、感情的になってしまうことだってあるでしょう。
そもそも、自分の気持ちを上手く言葉にして伝えることって難しいことでもあります。

そして 「わかりあえない」 と感じると 「もっと上手いやり方があったんじゃないだろうか」 と親は自分を責めてしまうことも多々あるかと思います。
けれどそれとて、愛情があるからこその感情です。

なので、そのとき出来るベストを尽くす。
それでいいのです。

そのときに上手く伝わらなくても、不器用でも 「あのときお母さんが一生懸命自分と向き合ってくれたんだな」 という、愛された記憶は残りますから。

そして、子どもは子どもで心の奥底では親に対して 「支えたい、力になりたい」 という思いを持っています。
だから、がんばったり我慢したり出来るのです。

本当は親も子もお互いを思いあっているのです。

 

自分自身にも愛情を

親(子)の愛情が上手く伝わっても伝わらなくても、親も子もつまずいたりコケたりしながら成長します。
いい意味で、問題が起こるのは当たり前だと開き直った方が、大きな心で子どもを受け止めやすくなります。
それに、今の子どもの心配事が永遠に続くわけではありませんしね。

正解や完璧を求めず、自分の愛情に自信を持って素直に愛情を注いであげてください。
どんなやり方でもベースに愛があれば間違えることはないのです。

そして、お母さんに心の余裕がないときは自分自身に寄り添うことも大事なこと。

寂しい気持ちを抱えないませんか?
我慢していることは?
子どものときはどんな感情で過ごしていましたか?
なにか別の問題を抱えていないですか?
子どもを通してどんなことを感じますか?
とにかく疲れている、ということだってあるかもしれません。

お母さんの癒しは子どもの安心感につながります。
ご自身のことも愛情を持ってみつめてあげてください。
しんどいときは、ひとりで抱え込まず私たちカウンセラーを頼りにしてくださいね。

 

来週は、包容力満載の “朝陽みきカウンセラー” がお送りいたします。
どうぞ、お楽しみに♪

 

[子育て応援]赤ちゃんの頃から、思春期の子、そしてそんな子どもたちに関わる親とのお話を6名の個性豊かな女性カウンセラーが、毎週金曜日にお届けしています。
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恋愛や夫婦、浮気、離婚などのパートナーシップから対人関係、子育て、また、死や自己受容のテーマなど幅広いジャンルを得意とする。 女性的で包容力があり、安心して頼れる姉貴的な存在。クライアントからは「話しをすると元気になる」「いつも安心させてくれる」などの絶大なる支持を得ている。