他人の価値観で自分を責めている事実に気づくだけでも心は楽になる。
さて、今回の4回シリーズ講座のテーマは「自分を好きになる」。
2回目の今回は、自分を好きになることの対極、「自分を責める」について考察していきます。
最初に答えを書いてしまいますが、他人の価値観で自分を責め続けてしまうと、どうしても自分を好きになることは難しくなりやすいです。
同時に、自分を責めたくないがゆえに、他人の価値観に過剰に合わせようとしてしまうと、自分を見失ってしまったり、生きづらさが生じてしまうこともあります。
この「他人の価値観で自分を責め続けてしまうこと」が、恋愛やお仕事、結婚生活の中での問題などを引き起こすこともあるようですよ。
◯自己攻撃の声がもし他人の声だとしたら
さて、僕も「なかなか自分を責めたり否定したりすることがやめられない」というご相談をお受けするのです。
その中でつくづく僕が感じる「自己攻撃がなかなか止められない理由」があるのです。
それこそが「自己攻撃の声って、他人の声であることが多い」という部分なんですね。
例えば、結婚に関するご相談の場合
「私、もう30代半ばなのに、まだ結婚できていないんです。周囲の友達は結婚しているのに。」
なんてお声を伺うことがあります。
もし、ご相談者さんにとって「私は愛する人を心から愛したい気持ちがあるのに、それができないことが悔しい」と思うなら、それはその方の愛したいという思いから生じるお気持ちなのだと思うのです。
個人的な気持ちといいますか。
が、「もう30代半ばなのに結婚できていない」ということで自分を責めているとしたら、それって一体誰の声なのでしょう?
多くの場合、世間の声や、親の声などを使っている事が多いはずなんです。
このように多くの自己攻撃の声って「自分ではない誰かの考え、価値観など」であることが少なくないんです。
なかなか気づくことが難しいポイントでもあるのですが、ここに気づくことが、自己攻撃から解放される第一歩になることが少なくないのです。
そもそも「他人の声や価値観が正しく、自分が間違っていると感じている」ならば、どうしたって自分を責めるしかないと思いませんか?
◯自己攻撃を他人の声だ見極めるメリット
自己攻撃を他人の声だ見極めることができると、「自分のほんとうの気持ち、考え」いわば「自己」を取り戻すことができる、と僕は考えるのです。
ここがものすごく重要な部分なのです。
そもそも僕たちは、親や家族、人や社会から多大な影響を受けて過ごしていますから、他人の声や価値観に影響される部分があって普通なんです。
ただ、他人の声や価値観を根拠に自分を責めているとしたら、そのとき自分は誰かの声や価値観に乗っ取られちゃっているような状態なんですよね。
ここに、責めなくてもいい自分を責め続ける理由が生じることって多いんですよ。
とくに日々生きづらさを感じていたり、自分のことをなかなか肯定できないという思いを抱えておられる方に顕著かもしれません。
また、癒着傾向がある人は、人の感情などと自分心がくっついてしまうことが多いので、人の声や価値観が自分のもののように感じやすい傾向も出てくると思いますよ。
まずは「自己攻撃の声は他人の声」という考え方で、自分の内面から湧き出す声を丁寧に整理することがおすすめだと僕は考えています。
ただし、「自己攻撃が他人の声?なに?他人が私に悪さをしたっていうのか」という風に他者を責めたり、批判する気持ちが出てくるなら、それは横においておいてくださいね。
「他人が悪いのではなく、他人の声を使って自己攻撃が起きている状態が辛い」という理解だけにとどめておいてください。
自分の内面に存在する、他人の声・価値観で自分を責める状態から一旦解放されましょう、という部分がポイントです。
実際にその声の主(他者)と争うことはデメリットでしかありません。
また、自分自身もあらゆる場面で他人に影響を与えているでしょうから、そのレベルではお互い様って話でもあるんですよね。
このあたりの話、なかなか一人では整理しづらいとお感じでしたら、カウンセリングなどをご利用になっていただいてもいいと思います。
(続)