自分を好きになるとは「自分とつながること」

自分を好きになる、とは、自分とつながること。

自分を好きになるというと、自分を褒める、長所を見つめる、自分をねぎらうなどなど、自分に丁寧に接するようなイメージをお持ちになっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、自分を好きになることとはどういうことなのかについて触れていきたいと思います。

さて、今回の4回シリーズ講座のテーマは「自分を好きになる」。

4回目の今回は、自分を好きになることとはどういうことなのかについて触れていきたいと思います。

自分を好きになるというと、自分を褒める、長所を見つめる、自分をねぎらうなどなど、自分に丁寧に接するようなイメージをお持ちになっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

もちろんそれも間違いではない、と僕は考えています。

ただ、自分を好きになることをもう少し広い視点で見つめるならば「今の自分のあり方(特に感情)を受け入れる」という意味合いになるんですよね。

これを「自分とつながる」なんて言葉で表現することもありますけれど。

4回シリーズ最終回は、この「自分とつながる」ということに関してまとめていきたいと思います。

◯自分とつながるとは

自分とつながるという表現って、どこか曖昧な表現(感じ)がするかと思います。

ただ、自分とつながるということを、このように理解してみると少し分かりやすくなるのではないかな、と思います。

「今の自分のあり方(特に感情)を受け入れる」。

私たちは日々、何かしらの感情を感じて生きています。

そこで感じる感情は実に様々なものでしょう。

例えば、喜び、悲しみ、嬉しさ、恥ずかしさ、充実した感じ、辛さ、驚き、怖れ、寂しさ・・・・

ただ、僕達はいつも自分が感じている感情を素直に感じているわけじゃないのです。

例えば、恥ずかしいという感情を苦手にしている人にとって、人から褒められることは、なんだかソワソワして嫌な感じがするかもしれません。

怖いという感情を苦手にしている人にとっては、怖れを感じないように我慢したり、怖れを感じる状況から遠ざかろうとするかもしれません。

中には、喜びを感じることを封じている人もいて、何があっても喜ばない(喜んで失望するのが嫌だ)と感じる場合もあるんですよ。

このように私たちは、自分の感情をいつも感じながら(感情を受け入れながら)生きているようで、どこか、自分自身が感じたくない感情を感じないようにして生きている部分があるわけです。

で、今回のテーマ「自分を好きになる」ということを考えていくと、こんなことが言えます。

「今の自分のあり方(特に感情)を受け入れることができないとき、 僕達は自分を強くしかりすぎたり、強く律しすぎたり、自分の感じていることを否定ばかりしてしまう」。

どこかで自分を否定的に見ているがゆえに、なかなか自分を好きになれない、という状態が出来上がるのです。

◯感情とつながることは自分とつながること

感情とつながることが自分とつながることにつながっていきます。

自分(自己・セルフ)の構築には「自分が何を感じているのか」という部分が大きく影響するのです。

いいも悪いもなく「今、自分はこんな気持ちを感じているんだ」と自分の感情を大切にすることで、自分というものが徐々に捉えられたり、ときには自分をきちんと守り、人の意見で振り回されない自分になることもできるのです。

ただ、これは仕方がないことなのですが、自分の内面に感じたくない感情があればあるほど、自分を受け止めたり、自分を守ることが難しくなることがあります。

例えば、恥ずかしさが苦手な人は、恥をかいた自分をものすごく責めてしまうことがあるでしょう。何かしらの失敗で恥を感じるたびに「自分はなんてダメなんだ」と攻撃してしまうかもしれません。

すると、なかなか自分を愛せなくなったり、好きになることが難しくなるというわけです。

なので、感情とつながること、少しづつ受け入れていくことができると、自ずと自分のあり方を受け入れ、大切にできるようになっていきます。

それが自分とつながる、自分を好きになる、という部分につながっていくんですね。

◯自分を好きになるために必要な意識

自分を好きになるために必要な意識は、「どんな感情も感じているのは自分」という部分にあります。

誰かに何かしらの感情を感じさせられているのではなく、感じているのは自分。

そう捉えて、自分の感情を受け入れて認めていくことがポイントなんです。

特に自分と他人を比較しすぎてしまい、自分を好きになれない人にとっては、「他人が感じているように自分も感じなければ」という思いを一旦横において、「今、自分が感じていること」を大切にされることがおすすめですね。

また、自分の感じたくない感情を他人にぶつけてもあまり意味がなさそうですよね。

もちろん、自分の気持ちを話して誰かにわかってもらうことで得られる安心感もありますから、我慢しろということではないんです。

ただ、怒り、いらいら、不満、嫉妬などのちょっとネガティブな感情を他人にぶつけても、自分を好きになるということからは遠ざかってしまうことが多い、と言えそうなんです。

むしろ「今、私はイライラしているんだな」といった風に自分の感情を自分で受け入れて認めてあげること。

きっとそこには感情を感じる理由がありますからね。

そのように自分の感情を受け入れていくことは、自分を好きになり、大切にするプロセスになっていくことでしょう。

(完)

 

心理学講座4回シリーズ/同シリーズ記事はこちら
  1. 自分を好きになるための心理学 〜自己評価とネガティビティバイアス〜
  2. 自分の気持ちを大切にすることの意味 〜他人の価値観で自分を責めすぎていませんか?〜
  3. 自分の中の願いを見つめる 〜本当のあなたが願うことはなんですか?〜
  4. 自分を好きになるとは「自分とつながること」

 

この記事を書いたカウンセラー

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年間400件以上の面談カウンセリングを行う実践派。「男女関係向上・男性心理分析」「自信・自己価値向上」に独特の強みをもち、ビジネス・ライフワーク発見なども対応。明快・明晰かつ、ユーモアと温かさを忘れない屈託のないカウンセリングは「一度利用するとクセになる」と評され、お客様の笑顔が絶えない。