「やりたいことがわからない」のは忙しすぎるからかもしれない

キラキラした人生を過ごしたい!

“好きな仕事をしてキラキラしてる人が羨ましい!
だけど、いったい私なんかに何ができるんだろう…”

これは私が以前、慢性的に感じていた心のモヤモヤです。

20代のころ、私は典型的なハードワーカーでした。
とくに20代後半は、平日は毎日夜中まで仕事、土日は翌週の仕事の準備…。
にも関わらず、お給料は周りの同年代より低くて。
「貧乏暇なし(お金も時間もない)」という言葉通りの生活だったんです。

頭の中はいつも、目の前の仕事をこなすことばかり。
毎日が、テトリスやぷよぷよを必死で捌いているような精神状態です。
「私の本当にやりたいこと」に思いを馳せる余裕なんて、まったくありませんでした。

今の私がキラキラか…はさておき、たぶん、あのハードワークの生活を続けていたら、いつまでたっても私自身のやりたいことは見つけられなかったと思います。

自分の限界と挫折がもたらしたもの

30歳になる少し前、心身ともに、この働き方への限界を感じ始めます。
そして、悩んだ末に当時の彼(今の夫)と結婚が決まったと嘘をつき、会社を辞めました。(そうしたら本当に結婚することになりました笑)

そして、社会に出てからずっと拘り続けていた正社員という立場を手放し、派遣社員として働くことに。
残業もほとんどなく、責任やプレッシャーなどの心的ストレスも、正社員のときより遥かに楽になりました。
家にいる時間も増えて「私って何がしたいのかな〜」なんて考える時間ができます。

そしてある日、たまたま見つけたのが、ある団体の心理学講座の割引キャンペーンでした。(この時は、カウンセリングサービスとは別のものでしたが)

そういえば私、心の世界とか好きだったな。
中学校の図書室で心理学の本、たくさん借りてたな。

こんなこと、それまでまったく忘れていました。

パツパツだった私の生活に余白ができたことで、すっかり記憶の彼方にあった興味の対象に偶然出会い、自分の「好き」を思い出すことができたんです。

直接の原因は仕事への挫折ですが、あのハードワークの生活を手放し、時間と心の余裕が生まれたことで、私が好きなことに出会うチャンスが物理的に広がっていたんですね。

やりたいことを見つけるために必要なこと

あのとき会社を辞めていなければ、今の私はなかっただろうなって思っています。
辞めるまでは、「本当に辞めていいのか…?」とずいぶん葛藤しましたが…。

やりたいことを見つけるには、落ち着いて自分の心にある「好き」や「こうしたい」を聴いてあげる時間が必要なのだと実感しました。
そして心と体の余裕を作ってあげることが、本当に大切だと感じます。

目の前のタスクに追われ、自分の心を横に追いやった状態のときに「本当にやりたいこと」はなかなか掴むことができません。

心の奥にある本音にアクセスする余裕がないまま、「私にはやりたいことやできることがない」と考えてしまうのは、本当にもったいないことです。

*

私の場合は、こんなふうに心理学の世界に足を踏み入れ、心の面白さや素晴らしさにどんどん惹かれ、今はカウンセラーというお仕事をさせていただいています。
すべてが順風満帆!とはいきませんが、以前の私が感じていた「人が羨ましい、でも自分にできることなんて…」というモヤモヤはなくなりました。

こんなに興味を持てることを、よくあそこまでスッカリ忘れていたなぁ…と自分でもびっくりするのですが、「これが好き!これがやりたい!」っていう思いは、毎日が忙しすぎると、どんどん記憶の彼方に埋もれてしまうようです。

人って本当にやりたいことや望む生き方があっても、目の前のことに追われていると、それが自分の世界のすべてになってしまいます。
だからこそ、ときには意識的に自分の世界を広げられるよう、心と時間の余白を作ってあげることが大切だと感じます。

「やりたいことが見つからない、今の生き方にモヤモヤする」そう感じるとき。
今の生活は忙しすぎないかな…?
自分の本当の気持ちを聴いてあげる時間はあるかな…?
そんなことも、ぜひ考えてみてくださいね。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

自分に自信が持てないことから生まれる、恋愛・夫婦問題や日々の閉塞感のご相談を得意とする。1人ひとりの価値観やペースを尊重し「自分軸の幸せに向かうカウンセリング」をご提供。理論的な解説と実体験からの感覚をあわせたサポートで「本当の気持ちに気づけた、勇気が持てた」との声も多い。