あなたは上司に褒められたり、会社で表彰されたり、同僚よりも一足先に昇進が決まったりしたあとに、周囲の人から冷たくされたことがありませんか?
自分の仕事ぶりを認められたのですから、本来なら喜ぶべきことのはずなのに、悪いことをしたような嫌な気分を感じるかもしれません。
◇職場で認められると周囲から冷たくされる心理的な理由
職場で認められると周囲から冷たくされる心理的な理由は「嫉妬」といえます。
嫉妬される側(あなた)は、とても嫌な気分を感じますよね。
足を引っ張られている気分。
お前にはそれほどの価値はないだろ、と言われている気分。
悪いこともしていないのに、恨まれている気分。
・嫉妬とは
嫉妬とは、誰かが手に入れた(入れている)ものを、うらやましく憎らしく思い、引きずりおろしたくなる気分といえます。
嫉妬する側は、嫉妬される側(あなた)のことを素晴らしく輝いているように感じ、自分(嫉妬する側)をみすぼらしく感じているものです。
その気分がひどく悪いので、相手を自分と同じレベルまで引き下げて安心したいという思いから、相手に冷たくしたり、悪いところをあげつらったりすることがあると考えられます。
たとえば、「あの人はたいした仕事もしてないのに上司には気に入られている」「自己アピールがうまいだけなんじゃない?」などと言われてしまうこともあったり、なかったり。
◇嫉妬された人がとりやすい態度3つとその心理解説
例として、あなたが営業成績を上げて社長から表彰されたとしましょう。その後、同僚たちが遠巻きに噂話をしたり、人によっては直接「おめでとう」と言ってくれたりしたとします。
そのときにあなたがとりやすい態度3つをご紹介します。
(1) 「いえいえ、私は大したことはやってないです」など、自分はそれほどの者ではありませんとへりくだる。
「まぐれです」など、認められたのは自分の成果ではないことを強調し、「だから冷たくしないでね」という思いをアピールするケース。
周囲の人は、「表彰されたあなたが大したことがないなら、私はどうなるのよ?」などと感じ、相手のイライラを助長することがあります。
(2) 「私はあなたたちよりデキるんだからね!」と上から目線になる。
このような思いは言葉にしなくても、表情や態度などから相手に伝わることがあり、周囲の反感を買い、足を引っ張られるリスクが考えられます。
(3) 「ありがとう、おかげさまで」と、自分ひとりの力でここまでやってこられたのではないと、周囲に感謝する。
口には出さなくても、「褒め言葉や表彰、昇進など、ありがたく受け取ろう」「私も頑張ったけど、私ひとりだけで結果を出したのではない」「周りの支えがあってこそだ」などと、感謝の気持ちをあらたにするケース。
あなたの誠実な態度に周りも一目置くようになり、スムーズな人間関係を取り戻せることが考えられます。
◇嫉妬してくる人たちとうまくやりながら自分を大切にする対処法
嫉妬してくる人たちとうまくやりながら自分を大切にする対処法をご紹介します。
・「おめでとう」「よかったですね」には、素直にありがとうと言う
上司からの褒め言葉や、表彰や昇進など、周囲の人に「おめでとう」「よかったですね」などの祝福を受けたときは、卑下せず素直にありがとうと言いましょう。
「ありがとう」は良いことを一旦自分の中に受け取ること。
相手の祝福が心からのものであるかを気にする必要はありません。
あなたが受け取ると、祝福してくれた相手も良い気分になるものです。
・相手の態度が見るからに冷たいときも、普段通りの応対をする
嫉妬を感じる相手(あなた)に「おめでとう」などの祝福を伝えられる人ばかりではありません。
睨んでくる人、無視してくる人、ありもしない悪い噂をたてる人もいるかもしれません。
あなたのことをうらやましいと思うほど、悪い態度になってしまうことがあるのですね。
普段通りに挨拶し応対することで、相手もあなた自身のことをも、蔑まず大切にすることができるでしょう。
◇自分を認められるようになるだけ、嫉妬が気にならなくなる
嫉妬されることは気分のいいものではありませんが、心の投影というしくみによれば、あなたが自分を認められるようになる度合いだけ、周囲の嫉妬が気にならなくなると考えることができます。
投影とは、心の中の感情や経験、過去に出会った人などを、心の外の人や物に映し出して見ることをいいます。
あなたが自分のことを力量不足だと思っていると、周囲もまたあなたのことを、力量不足のくせに認められるなんて不公平だ、などと思っているように、「あなたが」感じてしまうので、嫉妬されることがとても苦しくなってしまうのです。
あなたが、周りの人たちの協力のおかげもあって、自分の努力の結果が報われたのだ、などと自分を認められるようになると、多少嫉妬されたとしても、周囲もまたあなたのことを、十分に頑張ったからこそのご褒美だと、認めてくれているように感じるのですね。
ご参考になりましたら幸いです。