母の彼氏は3人
「オカンに3人の彼氏がいてる夢見た」
息子が中学3年生のある朝、起きてきていきなり言われました。
それを聞いたとき、息子は私に彼氏が出来たらいやだな、と不安に思っているのだろうと 「そんなことあるわけないやん」 と笑ってしまったのですが。
私は息子が中学2年生の冬に離婚を経験しています。
当時の私は自己否定、無価値感、罪悪感、喪失感、失敗感、恨みつらみなどネガティブな感情がオンパレードでした。
自分の感情が苦しくて苦しくて 「消えてしまいたい」 「このまま誰の記憶に残ることなく消えることが出来たらどれだけラクだろう」 そんなことばかり考えていました。
「でも、私が消えたら子どもたち(私には娘もいます)はどうなるだろう」 そう思うと 「いつまでも私がこんなにも落ち込んでいたら、子どもたちにもよくない」 そう思ってなんとか立ち直ろうと、心理学を学び始めたころの息子の夢です。
夢に出てくる登場人物はすべて自分
私が心理学を学んだのは、カウンセリングサービスの母体である神戸メンタルサービスです。
そこでは心理学を座学で学ぶ講座と、実際に自分自身やいろんな人の心に触れて体感するヒーリングワークという学びがあります。
ヒーリングワークでは公開カウンセリングのような形で、くじ引きで当たった人の悩みや問題をシェアし、癒しを進めてゆきます。
あるとき私はそのくじ引きに当ててもらい、離婚の経緯や息子が私に3人の彼氏がいる夢を見たことを話しました。
そのときにトレーナーをしていた弊社代表の平は、私の話しを聞いて 「息子さんは自分が3人いないとお母さんを助けられないと思っているようですね」 と私が思いもよらない心理分析をされたのです。
夢の分析や解釈は色々あるかと思いますが、夢に出てくる人物や状況は見ている人の心をなんらかの形で映し出しているといわれます。
夢を見ているその人自身の潜在意識や無意識にあるものが、あらゆる形で夢になって出てくるのです。
離婚をして自分を消したいくらいに絶望していた私を、当時中学3年生だった息子は自分の不安ではなく 「自分ひとりでは助けられない」 「自分が3人はいないと」 と私に対する無力感を感じていたんだと思うと、切なくて申し訳なくて涙が止まりませんでした。
そして、そのときに罪悪感は感謝に変えることができることを教わったのです。
子どもはいつも親の幸せを願っている
親は子どもの幸せを願っていますが、それは子どもも同じなのだろうと思うのです。
「自分ひとりでは助けられない」 「自分が3人はいないと」 息子がそう思っているようだと聞いたとき、いろんなことが思い出されました。
息子がまだ小さかったころ、買い物に出かけたトイレのハンドドライヤーで手を乾かしているときに、ふざけて吸い込まれるふりをして「助けてー」というと、慌てて私を引っ張って助けようとしてくれたこと。(あまりの息子の慌てっぷりに悪ふざけを反省しました)
スーパーの荷物を黙って持ってくれること。
熱を出して寝込んでいるとお粥をつくって持ってきてくれたこと。
思春期の娘とやりあっていると、いつも間に入ってくれること。
「離婚をして子どもたちに申し訳ない」 「自分が情けない」 と私が私自身を責めていたころは、子どもたちの私を思う気持ちに対してまでも申し訳なさを感じていましたが、心理学を学び自分自身を許せるようになると、子どもたちの存在や私を思ってくれる気持ちに申し訳なさではなく、心からその思いを受け取り、素直に感謝できるようになってきたのです。
親の罪悪感
親は子どもに罪悪感を感じやすいといわれます。
自分のために何かしようとするときや、親として不十分だと思い込んでいるときに、子どもに対して罪悪感を持ってしまう親御さんは多いのではないでしょうか。
私も、離婚をしたこともそうですが、心理学を学び始めたころは息子が中学生で娘が小学4年生で、19時からの講座に出掛けたり、土日のヒーリングワークで家を空けることに罪悪感を感じていました。
また、子どもを怒り過ぎたり、願いを叶えてあげられなかったり、或いは、ちょっとした事故や病気、友だち同士のケンカにさえ罪悪感を感じることもありました。
親の私が罪悪感を抱えると、それを傍で見て肌で感じている子どもたちは 「自分はお母さんを喜ばせることができない無力な存在だ」 「自分はお母さんを悲しませる悪い子だ」 と感じて、同じように罪悪感に嵌ってしまいます。
自分を責めていると、自分はもちろん周りをも幸せな気持ちでいることを妨げてしまうのです。
親の罪悪感は、親自身が描く理想の親像と現実の親自身が一致しないときに湧き上がってくることが多いようです。
ということは罪悪感を感じやすい人ほど、自分に厳し過ぎる人だといえそうです。
だとしたら、親が自分自身に寛容になり完璧主義を手放すと、子どもに対する罪悪感は信頼や学び、感謝に変えてゆくことができます。
私たちの心にはパターン(癖)があって、そのパターンを変えようとするときはある程度の時間を要することも少なくありません。
まさしく私は罪悪感を感じやすいパターンを持っていて、直ぐに自分責めモードに入っていました。
けれど 「あ、また罪悪感に嵌って自分を責めている」 と気づけるようになっていったのです。
気づけると、選択することができるようになります。
このまま自分を責め続けてもいいし、感謝に変えるにはどう捉えたらいいかな?と考えてみてもいいし、今目の前のことに集中してみてもいい。
どれをしてもいい、と全てを自分に許して自由に選べると思うと、しんどい私のパターンが薄らいできました。
「ちょっと手放せたなと思ったら、また振り出しに戻った…」
そんな浮き沈みのようなジグザグした動きを繰り返しながら、少しづつラクになることが多いです。
なので手放したいパターンがあるなという方は諦めずに、少しでもしんどいパターンが手放せたときはそちらにフォーカスして、自分を思いきり褒めて喜んでくださいね。
その先に必ず光が見えてきますから。
親が思うように子どもも親の幸せを祈ってくれている。
その思いを受け取ると、良い循環が生まれます。
この記事がお役に立てれば幸いです。
あなたとご家族の平和と幸せを応援しています。
来週は、朝陽みきカウンセラーがお送りいたします。
どうぞ、お楽しみに♪