今回は、仕事のアウトプットの質を上げるために有効な方法と それを支える心理的な側面についてお話しできればと思います。
まず、仕事の質を上げるために有効なやり方の1つとして、
1、一旦は自分のこだわりを捨ててとにかくスピード優先でドラフトを仕上げてみる。
考えるよりも、頭の中にあることや感じたことを出来る限りそのままアウトプットしてみましょう。
2、仕上がったドラフトを周囲の人に見てもらいコメントしてもらう。
周りからどのようなコメントが返ってくるか、内容によっては少し厳しいものもあるかもしれません。
そういった時、責められていると言うよりも自分が気づいていない事に対するサポートや気づきをいただいていると考えてみましょう。
3、反映できるコメントが多いほど、成果物の品質はより良くなっていく。
周りからいただいたコメントや意見が多いほど、自分にない視点を取り込むこともできるので、より多様な視点でとらえた成果物になり、その分完成度も高くなるといえます。
いわば、より客観的な視点が取り入れられていると言うことになります。
以上のことを実践できれば良いのですが、口で言うのは簡単、やるのは結構難しいと感じる人もいるかもしれません。
では、なぜそんなに難しいと感じるのでしょうか?
1つ目のポイントに関して言えば、内容にこだわる事自体はとても大切かと思いますが、自分の中で長く温めたものは概して独りよがりになりがちです。
ここには自分自身の観念が強く影響すると考えればわかりやすいかもしれません。
つまり、自分の考えを周囲にも投影してしまうと言うことです。
言い換えれば、自分自身が考えていることは周りの考えも同じだろうと感じてしまい、その結果として客観的な視点が失われてしまうと言うことです。
2つ目のポイントに関しては、周りからいただいたコメントを自分がどう受け止めているかを考えてみましょう。
例えば、自分に対する批判や誹謗中傷に見えてしまうとすれば(勿論、中には本当に心ないコメントをする人も一定数いるかもしれません。)、「自分自身に対する罪悪感や自己肯定感の低さが影響していないかを振り返ってみましょう」などと、私も偉そうなこと言っていますが、仕事で失敗して落ち込んでいる時、全く関係のない相手に話しかけられても相手がなんだか怒っているように映ったり自分を嘲笑っているように感じたりすることがあります。
そんな時、いつも思うんですよね。
「自分が自分を嘲笑っているよなぁ」と。
自分自身を攻撃している時、攻撃の対象になっている自分自身の事を当然責めを追うべき罪人であると裁いているんですよね。
そして、その裁判の結果は大抵実刑の有罪判決です。だから、有罪判決を受けた自分を周りも同じように責めるはずだと誤解してしまうんですよね。
3つ目のポイントに関しては、周りからいただいたコメントで、自分のアウトプットの品質を上げることが、あたかも自分自身の未熟さを証明しているように捉えていないか考えてみましょう。
つまり、誰かに助けてもらわないといけないぐらいに自分が未熟だと認めたくない、いわば悪い意味で自立しているわけですね。
周りからのコメントや、それによって得られた気付きを受け取りがたいと言う事は、助けてもらうことに対しての許可が降りていない時かもしれません。
特に1人で頑張ってしまう傾向が強い場合は、ここを振り返ってみても良いのではないでしょうか?
まとめると、
1、果たして、周りは自分と同じ考えを持っているだろうか?
そう映るのは、自分の観念を周りに投影しているからではないか。
2、周りの人たちから自分の考えに関してコメントをもらうのが怖い時、批判されると感じていないか?
そうするのは普段から自分に実刑判決を下していることが影響している。
3、周囲の人たちからいただいたコメントを素直に受け取れないのは、助けてもらうことに対しての抵抗感が強いからではないか?
そう考えるのは、助けてもらうこと自体が自分の未熟さの表れと考えていることが影響している。
気がつかないと言う事は、知らない間に自分のパターンにはまってしまい、延々とその行動を繰り返すことになります。
また、ひどい時は、やっていること自体に気がつかないでいる場合さえあります。
気がつけば、まずはストップをかけられる可能性が出てきます。
まずは、普段自分がどんな風に感じているか、意識をしてみる所から始めてみましょう。