気づかないうちにモラハラを受けてる?〜モラハラに気付いて身を守る〜

自分が悪いからしょうがないなんて思って不当な扱いに耐えなくていい

職場でのモラハラに悩んでいるあなたへ。
無視、暴言、理不尽な要求…それはあなたのせいではありません。
モラハラの影響で自分が悪いからしょうがないと思い込むことがあります。
その思い込みから解放され、心身ともに健やかに。一人で抱え込まず、助けを求めてくださいね。

■ハラスメントとは

ハラスメントには、さまざまな種類がありますがパワーハラスメント(パワハラ)、 モラルハラスメント(モラハラ)などの言葉は皆様も耳にしたことがあるかと思います。

もしかしたら、読者の中には実際に被害に遭われた方もいらっしゃるかもしれませんね。

パワハラ、モラハラは重複する部分もありますが、パワハラは優位的な立場の物からハラスメント(嫌がらせ)という特徴を持って、その為職場では上司から部下、学校では先生から生徒という関係で起こります。

モラハラは倫理や道徳に反した言動や態度による嫌がらせを意味します。その為、上司から部下などの優位的な立場だけじゃなく、職場の同僚間、パートナー間でも起こります。

*参考:厚生労働省のサイトこころの耳でモラルハラスメントのことを下記のように書いています。
『言葉や態度、身振りや文書などによって、働く人間の人格や尊厳を傷つけたり、肉体的、精神的に傷を負わせて、その人間が職場を辞めざるを得ない状況に追い込んだり、職場の雰囲気を悪くさせることをいいます。パワハラと同様に、うつ病などのメンタルヘルス不調の原因となることもあります。』
引用元:厚生労働省 こころの耳
URL:https://kokoro.mhlw.go.jp/glossaries/word-1694/

他にも、セクシュアルハラスメント(セクハラ)、マタニティハラスメント(マタハラ)、カスタマーハラスメント(カスハラ)、ケアーハラスメント(ケアハラ)などなど いろいろなハラスメントがあります。

カウンセリングでもモラハラの話題がのぼることが多くあり、被害にあわれた方は、その時だけの精神的なダメージで辛い思いをされています。

ハラスメントの定義の違いがあれど、どのハラスメントであっても受けた方は精神的な苦痛を味わっていることをカウンセリングで話してくださいます。

そして、それだけではなく、ハラスメントの環境から解放されてもその時のダメージの影響で、その後も苦しまれているは少なくありません。

お聞きしていて、本当に辛いなぁと思ってしまいます。

■職場でのモラハラ相談

カウンセリングで職場での悩みのご相談をお受けすることがあります。

クライアントさんは、職場に通うのが本当に憂鬱で、気力を振り絞ってベッドから這い出て職場に行き、職場から帰ってきたら精神的に疲労困憊で家事や趣味に使うエネルギーも残っておらず。
倒れるようにベッドに横たわり朝を迎えてまた何とか気力を振り絞って職場に行くと言う現状を教えてくださいます。

非常に辛い状況ですね。

「職場でのどんなことがしんどいのですか?」
と私が尋ねると、上司が自分と他の同僚への態度が違うという話を教えてくれることがあります。

自分が挨拶しても無視するし、自分には仕事の注意以外では話しかけたりしないのに、他の同僚には挨拶を返すしたり、上司から話しかけて談笑をしているという話をしてくれます。

クライアントさんも最初は気のせいかなと思っていたらしいのですが、明らかに態度が違うという話をしてくれます。

もし、あなたが今、同じような状況だったらどんな感じがするでしょう?

私だったら、他の人との態度が違うと職場の居心地が悪く苦しいと思うのです。
そう思いながら、お聞きしていると他にもしんどいと思うことをお話してくれます。

上司から仕事上の些細なミスで注意を受けるのですが、その注意の仕方がネチネチと長時間にわたって理論的詰められるそうです。

その理論は完璧で言い訳もできず、仕事ができない自分が悪いんだと思ってしまうとのこと。

更につらいことが!

そんな注意を受けた後、上司が他の職員に
「あいつ本当仕事が遅くて使えない」
「この部署のお荷物だよ」
と愚痴をこぼしていて、その愚痴が本人に聞こえてしまうので本当につらいとのこと。

このようなお話をお聞きして、辛い中、よく職場に通っているなぁ、私だったら苦しくて職場に通えなくなってしまうと思いながらお話をお聞きしています。

■ モラハラから身を守れない

よくあるような例を挙げたのですが、このようなお話を聞いていると ご本人はご本人はモラハラを受けているという認識がなかったということがわかることがあります。

無視や仲間外れを受けたり、聞こえるように陰口を言われていたり、また直接侮辱されていたりしている等は、モラハラに当たると思うのですが、ご本人は「 私が仕事ができないから言われるのはしょうがないんです」と本来はあってはいけないことを受け入れてしまっていて、モラハラを受けているという認識が なかったということがわかることがあります。

これは、上司から仕事のことで責め続けられることで、「自分が仕事ができないから怒られるのはしょうがない」、「自分が仕事が遅いから怒られるなしょうがないと」などと自分が悪いからしょうがないんだ思いこんでしまうマインドができてしまうことで起こる現象です。

自分が悪いからしょうがないんだ思いこむマインドができると不当な扱いをされても、それを受け入れてしまい、自分の身を守れなくなってしまうことがあるんです。

例えば、自分が悪いからしょうがないと思ういこんでいると、モラハラという不当な扱いを受けているという認識が薄れてしまいます。

不当な扱いを受けていると本人が思えていないので、解決策として、さらに上の上司に相談したり、労働組合に相談したり、など助けを求める発想が出なくなってしまい、1人で頑張り続けてしまうという方もいらっしゃいます。

ご自身を守る発想ができなくなるので、これは危険ですね!
モラハラを受けているという認識ができることは大事だったりします。

自分が悪いからしょうがないんだというマインドが、モラハラという不当な扱いということに気づけなくさせてしまうのです。

■つらい時は誰かに相談し助けを求めよう

こうなってしまうとモラハラという不当な扱いを受けていることに一人では気づけなってしまうので、つらい思いをしていることをお友達、家族、職場の信頼できる人、カウンセラーなど誰かに相談してもらいたいと思います。

このつらい状況を脱するために一緒に考えてくれる人に助けを求めてほしいのです。

そうすると、その誰かが、それはモラハラだし、自分が悪いからしょうがないんだと思い不当な扱いに耐えなくて良いとうことを教えてくれるでしょうから。

また、そうやって話をすることで、心の中の辛い思いを外に流すことでき、それが心のケアーになります。

カウンセリングでも、ご自身が気づいてなかったモラハラを指摘させていただくことがあります。
そして、お話しくださっている方が、自分が悪いからしょうがないと思わなくて良いことをお伝えさせていただきます。

また、ご自身の身を守るために、さらに上の上司などに 相談することをお勧めすることがあります。

そうして、相談したことで、モラハラ上司が処罰を受けた、もしくは転属になった、またはご本人か転属という形になり地獄から抜け出せたというお話を聞かせていただくことがあります。

あなたは、自分が悪いからしょうがないんだ思いこんで、耐えすぎていませんか?
職場で、パートナーシップで、友達関係で、親子関係で、そんなことを思っていませんか?

この記事が、
『私は、自分が悪いからしょうがないんだと思いこんでいたかも』
と気づくきっかけになり、そして自分が悪いからしょうがないなんて思って不当な扱いに耐えなくていいと気付くきっかけになれば幸いです。

自分が悪いからしょうがないんだと思い、1人で頑張りすぎず、誰かに相談してください、助けを求めてくださいね。

(続)

 

心理学講座4回シリーズ/同シリーズ記事はこちら
  1. 気づかないうちにモラハラを受けてる?〜モラハラに気付いて身を守る〜
  2. 見えない傷跡パワハラ・モラハラの後遺症〜後遺症からの回復〜
この記事を書いたカウンセラー

About Author

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。