周囲の人をあなたの味方にする会話の3つのポイント
コミュニケーションを円滑にするには、簡単な3つのポイントがあります。
ひとつは、まず相手の話を肯定すること。二つ目は、相手を基準に考えてみること。三つ目は、感謝を伝えること。
今日からできる方法なので、ぜひ試してみてくださいね。
苦手な人と話しにくかったり、親しい人とケンカしやすかったりしていませんか? コミュニケーションが大切とわかっていても、具体的にどうしたらいいのか困る時にお勧めしたい3つの方法をご紹介します。
●まず相手の話を肯定する
苦手な人とコミュニケーションする時、「言い負かされないようにしよう」「アイツの言うことなんて信用するもんか」「どうせ私を否定してくるのだろう」などと身構えていませんか。
相手の話を聞いた時に、「でも〜」「それは(違う)」「なんで〜しないの」など、間髪を入れずに反論していないでしょうか。それは、悪気はないけれど、せっかく相手が投げてくれた会話のボールを、全力で跳ね返すような振る舞いになっているようです。
相手側からすると「話を聞こうとしない」「何を言ってもどうせ反対される」「怒られるから言いたくない」「文句を言われるなら話したくない」と思うでしょう。
自分の意見を伝えることは大切ですが、円滑なコミュニケーションをしたいなら、まず相手の話をいったん無抵抗にキャッチする姿勢が大切です。
相手の話に、「そうだったんだね」「そんなことがあったんだね」「それは大変だったね」と投げられた会話のボールをキャッチしてみましょう。
たとえ、話の内容が同意できないものであったとしても、「あなたはそう思ったんだね」「あなたはそう感じたんだね」と、「あなたがそう思っている・感じていることはわかりました」と、相手発信の会話に領収書を発行することができるでしょう。
相手が話すことに、まずは肯定的な言葉を返していきましょう。相手が「私の言い分をうけとめてもらえた」「わかってくれた」と思えたら、相手もこちらの意見を聞いてみようと思いやすくなるでしょう。
●相手を基準に考えてみる
「自分だったら〜するのに、なぜしないんだろう」「どうして〜できないんだろう」と思っていませんか。こう思うのは、これまでに自分が作ったルールを守り、我慢もして、がんばってきた人に多いようです。
「自分だったら」と考える時、当然ですが自分が基準になっています。そして、自分と違う行動をする人が非常識に思えたり、自分と同じように努力をしない人が怠け者のように思えたりもするでしょう。そうすると、相手に対してイライラしたり、批判的に接したりして、関係が悪化しがちです。
そんな時、相手を基準に考えると、気がつくことがあるかもしれません。「なぜ〜しないのだろう?」「なぜ〜と思わないのだろう?」と。相手には相手の言い分、相手の価値観、相手の考え方の癖があります。
例えば、パートナーから「食べ終わった食器はすぐに台所まで運んで欲しい」と言われたとします。それに対してあなたは「食後くらいゆっくりさせてよ。小言が多いなぁ」と思ったとしましょう。
自分にとっては、「少し休んだっていいじゃないか」というつもりかもしれません。しかし、パートナーにとっては「家事負担を減らしたい私の気持ちをわかってくれるかどうか」なのかもしれません。もう一歩踏み込むと、たかが食器の片づけですが、「私を大切に思ってくれるか」「私を愛してくれているか」の判断材料になっている場合もあります。
相手はなぜこう言うのか、どんな考え・どんな気持ちからの発言なのかが理解できると、歩み寄るポイントが見つけやすくなるでしょう。
●感謝を伝える
まず相手の話を肯定するという点では、「伝えてくれてありがとう」「話してくれてありがとう」と感謝することができるでしょう。先ほどの食後の食器の片づけを例に、相手を基準に考えると、「少し休ませてくれよ」の代わりに「いつも家事をありがとう」と伝えることもできるでしょう。
自分自身に厳しくなっていると、つい自分を扱うのと同じように、人にも厳しくなってしまいがちです。特に、自分に近い人に対しては「言わなくてもわかってくれるだろう」と、感謝を伝えるのを省略しやすいものなのです。
だからこそ、意識的に感謝を伝えていく必要があります。慣れないうちは、ただ「ありがとう」から始めましょう。シンプルに「今日はありがとう」などと伝えられたらいいですね。
余裕ができたら、相手が何をしてくれたのか、そのことでどう感じたのかまで伝えていけるといいでしょう。例えば、「今日は最後まで話を聞いてくれて、真剣に考えてくれてありがとう。一緒にいられて安心したし、自分がこんなに大切に思われているんだって感じてすごく嬉しかった。」など、具体的な事柄と気持ちを合わせて伝えていきましょう。
相手からすると、自分の行動と気持ちに気がついて、それを肯定的に感じ、感謝のフィードバックを伝えてくれるような人を敵視したいとは思わないでしょう。相手を味方にするか敵にするかには、実は自分の振る舞いが影響しています。
相手を味方にするコミュニケーションに、肯定、相手基準、感謝を取り入れてみてくださいね。
(完)