産後、夫にイラついてしまいます

子どもを産むと夫婦関係は変わる?

・子どもを産んでから夫にイライラする
・子どもを産んでから夫が気持ち悪い
・子どもを産んでから夫が疎ましく感じる

そんなお話しを伺うことがあります。

子どもを産む前は大好きで世界で一番頼りにしていたのに、夫に対して負の感情しか感じられない自分にも「嫌な妻だな」と自己嫌悪してしまう。

そう感じることは辛いけれど、産後に色々な感情が出てくるのは珍しいことではないのです。

 

命がけの出産

“子どもを産む”って改めて考えても、凄いことですよね。
受胎してから約十月十日ものあいだ、お母さんのお腹の中で文字通り一心同体で過ごし、母子ともに命がけでこの世に赤ちゃんが誕生します。

妊娠出産はとても神秘的です。
私自身、妊娠中は自分の中にもうひとつ別の命があることに、なんともいえない不思議さを感じていました。

そして、出産のときの壮絶さは今、思い出しても「あの産みの苦しみと痛みに耐えた私は偉い!」と思えます。
世の中のお母さんは本当に素晴らしいですよね。

それくらい、壮絶で凄まじい体験をしたわけですから、ものごとの見方や感じ方、価値観、人生観がまるごと変わったんじゃないかと思うくらいの変化が起きることもあります。

出産直後は急激なホルモンのバランスの変化も手伝って、気持ちが不安定になりやすいのですし、それだけではなく赤ちゃんのお世話もありますから、お母さんは心身ともに相当な負担がかかっているのです。

 

夫への苛立ちはどうすればいい?

特に初めての出産を経験したあとは

・赤ちゃんをちゃんと育てられているかな?
・この先もちゃんと育てられるかな?
・私はお母さんなんだからがんばらなくては

と不安や責任感から自分を追い込んでしまいがち。

どれだけ眠くて疲れていても3時間おきに母乳やミルクをあげないといけないし、お風呂に入れるのも最大の注意を払って慎重に優しく扱わないといけないし、赤ちゃんの肌着なども大人のものとは別に洗わないといけないしで、あらゆることに時間と手間がかかりますよね。

そうやって自分以外の存在を徹底的に優先して、思いやり、気遣い、配慮して、守り育ててゆくうちに、母としての強く逞しい心が芽生えてきます。

ところが、男性は妊娠できないし出産も経験できません。
産後、手伝いたくても何をどう手伝ってよいかわからない、とオロオロするばかりのお父さんもいるかと思います。

なので、その夫の態度が「頼りない!」「役に立たない!」と見えてイライラを感じてしまうことはよくあることなのです。

その場合、それまで疎遠だった実家のお父さんがやけに頼りになって助けてもらったり、アテにしていなかった実家のお母さんのサポートが絶大だったりして、これまでの自分のものごとの見方や感じ方が180度変わったりすることもあるのですね。
※その逆で、出産後に両親への猛烈な怒りが出てくる方もいらっしゃいます。
抑圧してきた感情が人によって違うので、様々です。

 

そのままの感情を受け容れよう

「以前は大好きだった夫にイラつく。気持ち悪い。疎ましい」
そう感じることは心地のよいことではないですけれど
「今の私はそうなんだなぁ」とその感じ方を認めて受け容れましょう。

私たちは変化する生きものですし上でも述べましたが、出産を通してこれまで抑圧してきた感情が湧き上がってきて、不意に悲しみに襲われたり怒りが止まらなくなることもあります。

また、子育てをしていく上でも自分の子どものころの感情や、親に対する思い、変化してゆくパートナーシップに関する見方や感じ方など、さまざまな変化に直面することも出て来るでしょう。

けれどそれとて、私たち親の成長過程で、その感情を否定することなく認め受け容れることが出来ると、あなたを不自由に縛ってきた誤解や思い込みが解けて、癒しの道へと運ばれてゆきます。

ただ、ご主人には 「出産直後でちょっと今不安定だからイライラしちゃってるけど、ごめんね」 など、都度コミュニケーションは取っておくことはおすすめです。

男性にはなかなかわかりづらい心情であったり、特に子どもが産まれてからのお父さんは家庭の中で疎外感を感じやすかったりする(そこから浮気問題に発展することも)ので、そのときそのときの気持ちを伝えておくことは大事なことです。

命を懸けての出産を経て、さらに毎日子育てや家事、仕事をがんばっているママさんたち。
自分のどんな感情もまるごと受容しながら、労わることを心がけてくださいね。

来週は、朝陽みきカウンセラーがお送りいたします。
どうぞ、お楽しみに♪

 

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この記事を書いたカウンセラー

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恋愛や夫婦、浮気、離婚などのパートナーシップから対人関係、子育て、また、死や自己受容のテーマなど幅広いジャンルを得意とする。 女性的で包容力があり、安心して頼れる姉貴的な存在。クライアントからは「話しをすると元気になる」「いつも安心させてくれる」などの絶大なる支持を得ている。