厳しいしつけや兄弟ゲンカと誤解されやすく、自尊心を傷つけ、後遺症に苦しむことも。
隠れモラハラに気付き心のケアーをしてモラハラの後遺症から解放された人生にしていきましょう。
■モラハラは、職場だけでなく家庭内でも起こります。
モラハラとは、言葉や態度によって相手の人格や尊厳を傷つけ、精神的な苦痛を与えることです。
職場のモラハラが取り上げられているニュースやテレビ番組を見たことがある方も多いかと思います。
しかし、モラハラは職場だけの問題ではありません。
実は、友人間でも、恋人間でも、夫婦間でも、家庭内でもモラハラは存在しています。
■モラハラにあっていることに気付いていないケースも
そして、カウンセリングの現場では、モラハラに遭っていることに気づいていなかったというお話を聞くことがあります。
「厳しいしつけ」
「兄弟ゲンカ」
など、モラハラ行為が日常に溶け込んでいるため、被害者自身も「普通のこと」だと認識してしまっているのです。
モラハラであったと気づいていなかったため、
「自分がダメな子だったから、しつけできつい言葉を言われたのは仕方が無かったんだ」
などの間違った認識を持っていたり、間違った認識(自己否定の認識など)が今も「自分はダメな人間なんだ」とご自身を傷つけているケースも少なくありません。
いわばモラハラの後遺症が見受けられ、そして後遺症からの2次被害が起きている状態であると言えます。
モラハラにあっていることに気づけると、自分を否定するような間違った認識を改めることができ、傷ついた心のケアをする必要にも気付いて、ケアに取り組んでいくこともできます。
だから、モラハラの被害にあっていることに気づくことって大切なんですね。
■気づきにくい「隠れモラハラ」
夫婦間のモラハラは、最近ニュースでも取り上げられだし、モラハラ夫、モラハラ妻という言葉も出てきました。
そのため、そのニュースを見て
「もしかして、私が受けているのはモラハラ?」
と考えるきっかけになり、それに気づく方は最近増えてきたように思います。
それでも、モラハラを受けていたということに気づいていないケースも多々あります。
そして特に気づきにくいのが、親子間のモラハラ、兄弟間のモラハラです。
■親子間のモラハラは
「私の親はしつけが厳しかったんですよね」
というふうに、厳しいしつけだったという認識であり、ご本人はモラハラを受けていたという自覚がないことがあります。
兄弟間のモラハラも
「兄弟が仲が悪くて、きついこと言われてたんですよね」
というふうに、仲が悪く言い争いが多かったという認識で、こちらもご本人はモラハラを受けていたという自覚がないことがあります。
このように本人も気づいていない、「隠れモラハラ」になっていることがあります。
詳しく統計上のものではありませんが、カウンセリングをしていての肌感覚では特に親子間のモラハラは隠れモラハラになっていることが多いように思います。
しかし、よくよくお話を聞いていると……
・人格を否定するような暴言
・存在を否定するような暴言
・無視
・ガスライティング(心理的な虐待)
等が行われていて親子間、兄弟間で行われていたということがわかることがあります。
家庭内でのモラハラ(夫婦間のモラハラ、親子間のモラハラ、兄弟間のモラハラ)は、職場でのモラハラと同様に、モラハラを受けたことにより、
・自尊心の低下
・罪悪感からの自責の念
・対人関係に困難な問題が生じる(人の顔色を伺う、人との関係で不安になりやすいなど)
・心がダメージを受けることによる抑うつ状態
などなどで苦しまれています。
また、家庭を離れた後も、モラハラの後遺症に苦しむケースも少なくありません。
人によれば、20年、30年とその後遺症で苦しまれている方もいらっしゃいます。
モラハラを受けている時点だけの話だけはなく、その後何年間、何十年間も後遺症で苦しめられるのはほんとに辛いですね。
■モラハラの後遺症に苦しむ方
例えば、職場で
「お前は役立たずだな」
という否定的な言葉が飛ぶお話をお聞きすることがあります。
そんな言葉が使われてはいけないのですが、実際に、そのような言葉を言われたというお話をお聞きすることがあります。
ひどい話だと思います。
親子間でのお話だと
「あなたは何やってもダメな子ね」
「変な考えをする子だ」
「あなたの感覚はおかしい」
と親に言われてきましたと言うお話を聞くことがあります。
職場での話の例、親子間での例、これらはともに人格否定なんですよね。
「あなたは何やってもダメな子ね」
と親に言われてきたことで、自己肯定感や自尊心が傷つき、社会に出てからも自分に自信が持てず、苦しまられていると言う悩みをお聞きすることがあります。
「変な考えをする子だ」
と親に言われてきたことで、社会に出てからも「自分の意見はおかしいと思われていないか?」と対人関係で不安になってしまったり、職場の会議なんかで、自分の意見に自信を持てずに意見を出しづらかったりと親子間のモラハラの後遺症で悩まされている方もいらっしゃいます。
「あなたの感覚はおかしい」
と親に言われてきたことで、社会に出てからも「自分は人と違うんじゃないか?」という分離感が作られ、人とのつながりをうまく感じられないという親子間のモラハラの後遺症で悩まれている方もいらっしゃいます。
モラハラの後遺症で悩まれているということは、モラハラの言葉で、心がまだ傷ついたままであるということなんですよね……。
つらいですね。
■モラハラの言葉はあなたの真実ではない
一部の出来事を取り上げて「あなたは何やってもダメな子ね」と、その子のすべての能力や価値を否定するのは真実ではありません。
あなたの良いところ、すばらしいところはあります。
「変な考えをする子だ」という言葉は、親御さんにとって違った考えだけであって、あなたの考えが変だと思わないで欲しいと私は思います。
あなたの発想、あなたの考えの素晴らしさがあり、その考え方に賛同する人や救われる人がいると思います。
「あなたの感覚はおかしい」という言葉も、親御さんにとって違った感覚だっただけであって、自分の感覚がおかしいと思わなくていいんです。
感性や感覚におかしい、おかしくないというはありません。
自分のこの感覚ではおかしくないんだ、これでいいんだと思って欲しいなと私は思うのです。
■モラハラで傷ついたインナーチャイルドを癒やすというアプローチ
インナーチャイルドという考え方があります。
インナーチャイルドとは、子ども時代の傷ついたマインドのことです。
子供時代に受けたモラハラでの後遺症で今も苦しまられているとしたら、インナーチャイルドを癒すということを取り組まれていくといいかもしれません。
※インナーチャイルドとは?
インナーチャイルドについては、こちらの記事もよろしければお読みくださいね。
子ども時代の傷ついた気持ちを信頼できる誰かに話していき、その時の気持ちを解放していくのです。
感情は解放していくことで、癒されていき、心が回復に向かっていきます。
そして、心の中にいるモラハラで傷ついた子どもの頃の自分に言ってあげるつもりで、
「あなたはダメな子なんかじゃないよ」
「あなたはあなたの考え方でいいんだよ」
「あなたの感覚はおかしくないよ」
などのような肯定的な言葉を傷ついたインナーチャイルドにかけてあげることも心の回復に有効です。
傷ついた心を回復していけるとモラハラの後遺症からも脱出できるでしょうから。
■あなたには必ずすばらしい部分がある
モラハラで投げかけられた言葉が自尊心、自己肯定感を傷つけ、その家庭を離れても傷ついた自尊心、自己肯定感が恋愛や仕事や友人関係で悪影響を及ぼし苦しまれている方は少なくありません。
モラハラを受けている真っ最中も苦しいですが、それだけではなく、その後の後遺症で苦しむのも本当に辛いことですね。
しかし、モラハラ加害者の言葉は、あなたを支配したり、ストレスを発散するためのものに過ぎず、あなたの価値を真実にあらわす言葉ではありません。
カウンセリングの現場でも、モラハラをした人の言葉のおかしさを指摘させてもらい、クライアントさんの持っている、すばらしい価値の部分をお伝えさせてもらっています。
あなたには、必ずすばらしい部分があります。
もしよろしければ、あなたもご自身の素晴らしい部分を見つけてみようと意識されてみてくださいね。
このこともモラハラの後遺症からの回復に役立ちますから。
モラハラの後遺症から回復され、あなたの人生がより素晴らしいものになるように祈っていますね。
(完)