追いかけてばかりで成就しない恋愛を繰り返す心理

なぜか振り向いてくれそうにない相手ばかり好きになってしまうという人がいます。

『追いかける恋愛』が癖になっていて、毎回同じパターンになってしまう。

周りに相談すると「あなたっていつも難しい人ばかり好きになるよね」と言われてしまうため、人前では恋愛の話をしないことに決めている人もいます。

「追いかけるのが好き」ということは、ちょっと視点を変えるとこんな見方もできます。

それは、心のどこかで『成就しない恋愛を望んでいる』かもしれないということ。

そんな恋愛に陥りやすい、いくつかのパターンをご紹介しましょう。

＊

１，情熱的な愛情を持っている

もしあなたの心の中に溢れるほどの愛があって、誰かにこの愛を注いであげることを幸せに感じているとしたら、どうせなら注ぎ甲斐のある人を愛したくなるのではないでしょうか。

となると、なかなか愛を受けとってくれそうにない人ほど、追いかけ甲斐を感じてしまうかもしれません。

その場合、もどかしいんだけど「どうやって振り向かせてあげようかな？」って悩んでいる瞬間はすごく愛情を感じらるんですね。

高いハードルほど越えたくなるチャレンジャーなタイプとも言えます。

２，シャイで恥ずかしがり屋さん

恋愛にはすごく憧れがあるんだけど、相手の方から近づいてこられるのは恥ずかしすぎて耐えられない。

あるいは、自分に自信がなくて近くまで来られると本当の自分を見られてしまうのが怖い。

追いかけているうちは安心なので、ずっと追いかけていられる相手を無意識的に選んでしまうタイプです。

３，助けたい気持ちと恋愛感情がくっついている

なかなか振り向いてくれない人は、恋愛関係での心の痛みを抱えている場合が多いと言えます。

私が傷を癒してあげたい、救ってあげたいという気持ちから、つい追いかけてしまいます。

母性が強い女性（でも生き方は自立的でちょっと男前な場合が多いです）が陥ることが多いですね。

ただ、このパターン、本当に助けたいのは目の前の彼ではなく、たいてい『過去に助けたかったけど助けられなかった相手』がいるものなんです。両親や兄弟、過去の恋人の場合もあります。

助けたかったけどできなかった。その失敗感・無力感を、目の前の相手を助けることで癒したいという気持ちが恋愛感情とくっついてしまうタイプ。

４，罪悪感が強い

たとえば、３，のケースで考えてみると、お父さんを助けられなかった（実際にお父さんが助けを求めていたかは不明です）けれど、助けることができなかった自分をあまりにも責めてしまうのです。

「こんな失敗した私が幸せになって良いはずがない！」という気持ちから、あえて上手くいきそうにない相手を選んで追いかけるなど、成就しない関係を求めることで自分を罰してしまう罪悪感が強いタイプ。

５，無価値感が強い

２，のケースとちょっと似ているんですが、「きっと自分には愛される価値なんて無い」そんな気持ちが強すぎるタイプです。

もし好きな相手が振り向いて近づいて来たら、価値の無い自分に気づかれしまうので、追いかけ続けることができる相手を選んでしまうわけです。変な話ですが、上手くいかない相手の方が都合が良くなってしまうのです。

あるいは、自分と同じ無価値感を抱えている人に心惹かれてしまい、近づいていくけど相手も無価値感を抱えているため逃げてしまい、結果的に追いかけるパターンになることもあります。

＊

典型的なパターンをご紹介しましたが、いずれにも共通する、状況を変えるために見つめ直したい心のテーマがあります。

それは『親密感への恐れ』を癒すということ。

親密な関係になることに恐れを抱えていることで、追いかける恋愛パターンに陥りやすくなるからです。

親密になりすぎると「拒絶されるかもしれない」「自分の弱さに気づかれるかもしれない」といった不安が生じ、相手との適切な距離感を保つことが難しくなってしまうのです。

たとえば、もし好きな人と毎日一緒にいられるとしたら、どんな気持ちになるでしょう？

多くの人は幸せな気持ちになれそうですが、もし不安や疑いなどのネガティブな気持ちが出てくるとしたら、それはいったいどんな感情でしょうか？

もし、あなたがパートナーに心を開けない理由があるとしたら、何だと思いますか？

もし、おつき合いすることになった時、あるいは結婚することになった時、あなたの心に浮かんでくる恐れや不安はどんな感情でしょうか？

これらの問いに出てきた感情と向き合うことが、親密感の怖れから抜けるための一つの方法になります。

自分の感情を受け入れられると安心感と自信が心に育っていきます。少しずつ相手との距離を縮めながら、信頼関係を築くための心の土台ができていくんです。

『追いかける恋愛』を繰り返してしまうのは、決してあなたが悪いわけではありません。その背後には、心の深い部分での感情パターンが影響していることが多いのです。

心理的な背景を理解して、少しずつ行動を変えていくことで、より親密で満たされた恋愛関係を築くことができるはずです。

まずは一歩、自分の感情を大切にすることから始めてみてくださいね。

（完）