従来の営業は、商品やサービスの情報を一方的に伝えることが中心でした。
しかし、ものや情報に溢れる現代の消費者は、単に商品が欲しいわけではありません。
自分の悩みや課題を解決してくれる、信頼できるパートナーを求めています。
そこで重要となるのが「共感に基づいた営業」です。
「売り込む」「自分をアピールする」といった一方的な関係から、相互の関係へ。
あなたも「共感に基づいた営業」を取り入れてみませんか?
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共感に基づいた営業とは、お客さま一人ひとりの心に寄り添い、その人が抱える課題や願望を深く理解することを大切にした営業の方法です。
たとえばあなたが新しいスマホを買いたいと思って販売店に足を運んだとき、ただただ自分の売りたい機種のスペックやメリットを羅列してくる店員さんと
「最近、電池の持ちが悪くて困っているんです」というあなたの言葉に「それは大変ですね。このスマホは、◯時間動画を見てもバッテリーが持ちますよ」と、共感しながら具体的な解決策を提案してくれる店員さんがいるとしたら、どう感じるでしょうか?
きっと、後者の店員さんを信頼し、その店でスマートフォンを購入したいと思うのではないでしょうか。
共感に基づいた営業とは、まさにこのことです。
一方的にこちらの要求をぶつけるのではなく、お客さまの話をじっくりと聞き、その人が本当に求めているものを理解し、寄り添うこと。
単に商品を売るのではなく、お客さま一人ひとりの状況や心境に共感し、その人にとっての価値をご提供していくことなのです。
・なぜ、共感に基づいた営業が有効なのでしょうか?
人は、誰もが自分のことを理解してほしい、大切に扱って欲しい、認めてほしいという欲求を持っています。
そしてそれは、お客さまも例外ではありません。
お客さまの話を聞き、共感することで、お客さまは「この人なら私のことを理解してくれている」と感じ、安心感を得ることができます。
そして、その安心感が、最終的に購買へとつながるのですね。
例えば、ある化粧品店では、お客さまの肌質や悩みに合わせて、一人ひとりに合ったスキンケアプランを提案しています。
お客さまの話をじっくり聞き、共感することで、お客さまは「このお店なら、私に合った商品を選んでくれる」と信頼し、リピーターになるケースが多いそうです。
お客さまの話を聞き、共感することで、お客さまは「この人なら私のことを理解してくれている」と感じ、安心して商品やサービスを選ぶことができるのですね。
・共感に基づいた営業のポイント
そのためにはお客さまがこぼした言葉や「最近、こんなことで悩んでいるんです」というお客さまの言葉に、共感し、寄り添う姿勢を示すことが大切です。
いくつかポイントをご紹介しておきますので、参考にしてみてくださいね。
1)相槌を打つ:
「はい」「なるほど」「それは大変ですね」など、相槌を打つことで、お客さまの話に集中していることを示しましょう。
「きちんと受け止めてもらえている」と感じることができると、お客さまは安心して話を続けることができます。
ときどき、こちらは聞いているつもりでも、反応が薄すぎてお客さまから「聞き流されている」と受け取られてしまうこともあるようです。
相手に伝わるようにしっかりと反応を返す、ということを意識するといいかもしれませんね。
2)共感の言葉を具体的に:
「おっしゃる通りです」「その気持ち、よく分かります」など、具体的な言葉で共感を示しましょう。
「自分が間違ったことを言っているわけじゃないのだ」と感じることができると、お客さまは本音を表現しやすくなります。
よりお客さまの求めているものを知ることができますよ。
3)質問をする:
「もう少し詳しく教えていただけますか?」「具体的にどのようなことを期待されていますか?」など、質問をすることで、お客さまのニーズを深く理解することができます。
質問責めをすることはNGですが、興味を持って質問をされることはお客さまにとって嬉しいものでもあります。
また「ここを教えてもらえると、あなたにとってよりベストな提案ができますよ」という「教えていただく姿勢」は謙虚さとして伝わります。信頼し合える関係を築くことに有効ですよ。
大切なのは、一方的に話すのではなく、相手の話を聞き、共感し、そして自分の考えを伝えるということです。
このようなコミュニケーションを心がけることで、お客さまとの信頼関係を築き、より円滑な顧客関係を築くことができるでしょう。
共感に基づいた営業は、単なるテクニックではなく、お客さまとよりよい関係を築くための心構え。
良かったら取り入れてみてくださいね。
参考になれば幸いです。