「もっと上手に叱れたらいいのに…」
そう思うのに、つい感情的になって怒り散らかしてしまう。
そんな自分に自己嫌悪し、どんどん自分が嫌いになっていく。
これ、かつての私なんです。
息子たちに怒りをぶつけないようにするために、苦肉の策で、私が押し入れに閉じこもったこともありました。
「このままじゃダメだ!」と、怒り狂う“私の中にいる鬼”を封じ込めようとしたのです。
でも、そんな私の気持ちを知ってか知らずか、息子たちは「ママ、ママー」と呼びかけてくる。
「今は待って…お願いだから放っておいて!」そんな心の声とは裏腹に、幼い息子たちは全力で私を求めてくるのです。
耳を両手で塞いで、自分を制御するのに必死だった時代がありました。
どうしてこんなに感情があふれてしまうの?
それは、今ならわかるのです。「ただ一生懸命だった」からだと思うのです。
手を抜きたくて怒っているわけじゃない。むしろ、ちゃんとやろうと頑張るからこそ、無理をしたり、知らず知らずのうちに我慢が溜まって、ちょっとしたことで感情が溢れてしまう。
だけど、ちょっと思い出してみてほしいのです。
無理をしていませんか?
頑張りすぎていませんか?
気づかないうちに、自分のことを後回しにしすぎていませんか?
かつての私は、「いいお母さんにならなきゃ」と、自分を追い込んでいました。
慣れない子育てに必死で、気づけばボロボロ。
“理想のお母さん像”からどんどんかけ離れていく自分にがっかりして、さらに自己嫌悪。
その自己嫌悪は、気づけば怒りの沸点をどんどん低くしていました。
怒りたくないのに、ますます怒りやすくなってしまう悪循環。
「もうこんなふうに怒らないぞ」と抑えれば抑えるほど、バンっと蓋が吹き飛び、感情任せに怒ってしまう。もう最悪でした。
でも、今ならわかるんです。頑張りすぎてたんだな、と。
あのときの自分に伝えてあげたいことは、感情的に怒ってしまうことを「もう二度とするなよ」と押さえつけるのではなく、わかってあげること、不完璧を受け入れることが大事ということです。
「そりゃ怒るよ。わかってほしかったよね」と、認めてあげると、心の負担が少し軽くなります。
※認めるとますます怒るのでは?と心配されるかもしれません。でも逆なんです。
わかって受け入れることで、心が落ち着き、怒りが次第に和らいでいくのです。
怒りの奥には、「わかってほしい」「助けてほしい」「愛してほしい」そんな気持ちが隠れています。だからこそ、まずは自分に「そうだよね、大変だったよね」と優しく声をかけてあげてほしいのです。
社会から取り残されている気がする
あの頃、家の中で子どもと向き合っていると、ふとした瞬間に感じるのが「取り残されている」感覚でした。
仕事を持つ友人や、自由に外出している人たちを見ては、「私はこのままでいいのかな?」と焦る気持ちが湧いてくる。でも、実際に何かを始める余裕なんてない。
子どもを寝かしつけた後、スマホで流れてくるニュースやSNSを見ては、社会のスピードについていけていない気がして落ち込む。
昔の同僚が昇進した話や、新しいことを始めた話を聞くと、心のどこかで羨ましく思う自分がいる。
「私には何もない…」
そんな思いが、さらに自分を追い詰めて焦っていました。
そんな自分に、まず言ってあげてほしいことがあります。
「今日も十分、よくやったね!」
「できないことがあった?そんなの当たり前だよ」
たとえ感情的に怒ってしまった日も、それは“ちゃんとしようとした証”
怒らないようにしようと努力していた分だけ、止まらなくなってしまったことに気づいてあげることが大切です。
もし、今のあなたが自己嫌悪で苦しんでいるなら、まずは「お疲れさま」と自分に声をかけてみてください。
それでも苦しいなら、誰かに「疲れた」って言ってみることにチャレンジしてみてくださいね。
もしも旦那さんに伝えるとしたら、“男性は解決してあげたい生き物”なので“寄り添い”が苦手です。
最初に「アドバイスは大丈夫だから、今日は私の話を聞いて味方してほしい」と伝えるのがオススメですよ。
友達でも、カウンセラーでも、誰でもいいです。一人で抱え込むのが一番つらいですからね。
もし「私は何もしていないんじゃないか」と、そんなふうに思う日があったとしても、あなたは確かに、毎日、子どもを守り、育て、愛を注いでいるのです。
今も、怒ってしまう自分を変えようと、これを読んでくれているのではないですか?
それも愛情ですよね。
子育ての成果が見えるのはずっと後かもしれません。
でも、あなたは、ちゃんと大切なことをしています。
「こんなお母さんでごめんね」ではなく、
「私もあなたと一緒に成長するね!」
そんなふうに思うことで、案外子どもってたくましく育ったりします。
“あなたはもう、十分頑張っています”
必要な方に、このメッセージが届きますように。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
来週は、池尾千里カウンセラーがお送りします。どうぞお楽しみにしてくださいね!