子どものSOS、見ないふりしていませんか?

「時間ができたら」「大丈夫でしょ」
お子さんのSOSを見ないふりをしていませんか?

親御さんも、家事・育児・家庭の事情・仕事など、なにかと忙しいものです。でも、お子さんのSOSに、早めに向き合ってあげませんか?

私は子どもを限界まで追い詰めてしまった経験があります。だからこそ「早めに向き合うことの大切さ」を痛感しています。

「先延ばし」をしていませんか?

2年ほど前のことです。
「大事な人のSOS、大丈夫でしょと先延ばし、見ないふりをしていませんか」
先輩カウンセラーが勉強会で問いかけました。

そのとき、ふと私は子どもの顔を思い浮かべました。具体的な心当たりがあったわけではありません。でも、その言葉を聞いたときに、なぜか子どもの顔が強く思い浮かんだのです。

今思えば、この時すでに子どもはなんらかのSOSを発していたのかもしれません。私が先延ばし、見ないふりをすでにしていたから、こんなにも子どもの顔がはっきりと思い浮かんだのかもしれません。

「子どもがSOSを発したら、すぐにでも向き合おう」
そう自分に言い聞かせたものでした。

・限界まで追い詰められた子ども

それから数か月後のことです。子どもが私に泣きながら訴えてきました。
「学校に、行きたくない。心療内科にかかりたい」

その瞬間、先輩の言葉の意味が腑に落ちました。私は、子どものSOSをずっと見逃していた。子どもは限界まで追い詰められていたのです。すぐに心療内科を予約し、その日のうちに連れて行きました。

もし、先輩の言葉がなかったら、子どもが限界を迎えて発したSOSすら先延ばし、見ないふりをしていたかもしれません。

 

大事なことを、選ぶ

心療内科の先生は漢方医でもあり、子どもの全身を診て、話しを真摯に聞いてくれました。優しく、常識にとらわれない、子どもに今必要な言葉を丁寧に語りかけてくれました。そして私のほうを先生は向き直って、言ってくれました。

「学校に今のお子さんは行けない状態です。お子さんの心が大事です。なにが一番大事か、お母さん、選べますよね?」

先生の言葉は、胸に突き刺さりました。その横で、子どもが本当に安心した顔をしていたのを、今でも覚えています。

それでもなお、当たり前のことが選べないほど私は葛藤しました。
「本当に、学校に行かなくていいの?誰が責任とるの?取り返しのつかないことにならない?」

でも、私はずっとこどものSOSを見逃してきた。もう見ないふりをしてはならないとやっと決意しました。

・完璧じゃないということを、受け容れる強さ

子どものSOSに向き合うこと。それは、自分自身の至らなさと向き合うことでもありました。
「いい親じゃなかった。頼りなかった。SOSに気付いてあげられなかった。子どもをみていなかった」
そんな自分を認めたくなくて、私も子どものSOSを見ないふりしてきたのかもしれません。

たしかに、私は完璧な親、理想の親には到底なれない。できるのは、私なりに本気で子供に向き合うこと。でも、本当はそれが、子どもの欲しいものなのかもしれません。

 

まっすぐに、関わる

私も過去を振り返ってみると、両親に
「親の見栄やプライドを捨ててでも、私にまっすぐ関わって欲しい」
と、思っていました。そして両親も、一生懸命まっすぐに私に関わってくれたことも、たくさん思い出しました。

もしかしたら、あなたも親御さんが見栄やプライドを超えてくれた、本気の姿を見たことがあるかもしれません。そのとき、親御さんの本気の愛を感じませんでしたか?

子どもは親のことをよく見ています。

子どもも今までたとえ、親を「至らない親で頼りない」と、思っていたとしても。親が本気で自分のSOSに向き合ったら、子どもは親との関係を再構築する力を持っています。子どもとの関係は、いつからでも変えられるのです。

・後悔を、乗り越える

後悔とは、「本当はしたかったことがある」ということを教えてくれる力があります。私は子どものことを「大丈夫」と思いすぎて、見ないふりをしてしまいました。でも、本当は子どもに向き合いたかったのです。

だからこそ、子どものSOSを私の後悔で終わらせたくない。ずっと先延ばし、見ないふりをしてきたしまった。もう、それは終わりにしたい。
「子どもに、まっすぐ、今こそ関わりたい」
やっとやっと、取り組むことができたのだと思います。

本当は子どものSOSを待たずに、私たち親は本当にこどもにしてあげたいことを今、してもいいのかもしれません。

あなたも、お子さんのSOS、先延ばし、見ないふり、していませんか?
もしかしたら、私たちが本当に見ないふりしているのは、私たちが今、「お子さんにしてあげたいことをしていない」ということなのかもしれません。

今こそ、私たちが子どもにしたいことを、先延ばし、見ないふりをせず、チャレンジしてあげてみませんか?

あなたの子育てのなにかのお役に立てたら嬉しいです。

来週は、小川のりこカウンセラーです。

どうぞお楽しみに。

 

[子育て応援]赤ちゃんの頃から、思春期の子、そしてそんな子どもたちに関わる親とのお話を6名の個性豊かな女性カウンセラーが、毎週金曜日にお届けしています。
この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛・夫婦・子育て・人間関係など、生きづらさや悩みを抱えたかたに、穏やかに、寄り添うことを大切にしている。「話すことのすべてを大切に聴いてもらえる安心感」がある。あらゆる人のなかにある豊かな才能・魅力に光をあて、生きる力を一緒に育む。共感力の高いカウンセラーである。