おじいちゃんとおばあちゃんの影響力

近所に小さな公園があるのですが、そこで子どもと遊ぶおじいちゃんの姿を目にしました。おじいちゃんと小学校低学年くらいの女の子です。

おじいちゃんとキャッチボールをするというなかなか見ない珍しい光景だったのでよく覚えているのですが、おじいちゃんに嬉しそうに抱きついている女の子の笑顔がとても印象的でした。その光景を見て、おじいちゃんおばあちゃんがいることで、子どもの世界はどんな影響を受けるんだろうと改めて思いました。

今日はそんなお話です。

祖父母という存在

・親とは違う無条件な愛

子どもにとって、祖父母というのは「親とはまた違う安心感をくれる存在」のように思っています。

親はどうしても “ルールを教えることや教育などのしつけと呼ばれる部分” を意識せざるを得ないことが多いですが、おじいちゃんおばあちゃんというのは、そういう部分は関係なく、あるがままの子どもを受け止めてくれることが多いんですよね。

もちろんそれは、すべてのおじいちゃんやおばあちゃんに当てはまるわけではないだろうし、厳しい方もおられるかもしれません。そこはそれぞれの環境で違ってくることもたくさんあると思いますが、こういったことはよくあるのではないでしょうか。

「ちょっとくらい甘やかしてもいいんじゃないの?」

「今だけの可愛さなんだから、好きにさせてあげなさい。」

など、それこそ無条件に愛情を注げるのが祖父母という存在なのかもしれません。

 

・親や子どもの限界をフォローする存在

親という立場の多くの人は、日々あまり余裕がありません。

だから、そこまで言わなくてもいいとか、甘やかしていいとか、そういった言葉に抵抗感を持つ親御さんもおられると思います。

どうしても毎日が忙しいですからね。ゆるりと子どもに関われるおじいちゃんおばあちゃんを羨ましく思う部分もあると思います。

祖父母の立場というのは、 “無責任さ” というものが、いい意味でとてもプラスに考えられる部分があるのではないでしょうか。だからこそ出来る子どもへの対応だと思うんですね。

自分の子どもって親はどうしても責任というものを背負います。その責任というプレッシャーがあると、おじいちゃんたちのように、余裕を持った接し方は難しくて当然だと思います。

でもその部分を補うようにして、おじいちゃんたちというのは孫をただ可愛がって、たくさんの愛を与えることが出来るのでしょうね。自分の子ども…の産んだ子だからこそ、孫を愛することで、同時に今、一人の親になった自分の子も同時に愛しているカタチなんじゃないかなと私は思います。

 

祖父母の思いと、子どもへの接し方の影響

・孫を可愛がる祖父母の思い

私には厳しかったのに、私の子どもには甘い…なんて言葉もよく聞きますね。

親になるとみんな自分の子どもには責任があり、そのプレッシャーも多かれ少なかれ感じてしまうものです。おじいちゃんもおばあちゃんも自分が親の立場だった時は、自分の子どもにはある程度厳しい部分があったはずです。だけど子どもが成長すると、その責任からは解放されるので、責任が解放された分、孫に対しては、ただ可愛がること、ただ愛することには特化出来るのではないでしょうか。

そのただ愛する…というのが子育て真っただ中では多くの親御さんにとって難しいものですよね。

だから、あの時自分が出来なかった、ただ愛するということを、自分の子どもが産んだ孫に、今自然と出来るんだと思います。

そして解放された自分で孫に向き合った時、きっとおおくのおじいちゃんとおばあちゃんが思うんでしょうね。

「自分の子どもにもこうしてあげたかった。」

って。その思いを孫につなげているのかもしれません。孫への思いは自分の子どもと同じようなものですからね。

 

・子どもの土台を作るサポート

祖父母から、ただ愛されるということを経験することは、子どもの自己肯定感を育むという部分では、親の強いサポートになりますね。

親はいろいろと忙しい分、子どもに「早くしなさい!」、「ダメでしょう!」などつい言ってしまいがちなのですが、そこはおじいちゃんとおばあちゃんは、いいよいいよで受け止めてくれる。それは一見すると、

「お母さんはダメなのに、おばあちゃんは良いって言う。」

という子どもの表面的な言葉にはなりますが、それは決して悪いことではないと思うんですね。考え方が人によって違う。違う意見というのがあるということを、自然と学ぶわけですから、それは、子どもにとって多様な価値観を知るといういい経験にもなるんだと思います。

 

祖父母との関係を大切にするために

・親との考え方の違い

とはいえ、

〇祖父が、祖母が子どもを甘やかしすぎる。

〇育児の価値観が違いすぎる。

などと悩む親御さんも多いと思います。

それを話し合ったとしても、生きて来た環境の違いは大きいものですから、なかなか理解しにくい部分もありますよね。

時代の変化もありますし、祖父母の言葉というのは参考にはしても、基本的には子育てはその親に任せてもいいんじゃないかと私個人は思いますが、祖父母というのはその時代の子育てで心配しているので、その意見も彼らにとっては間違ってはいないと強く思っていることなんでしょうね。

だとしたら、私個人の意見として例えばね。

 

『子どもにとって、おじいちゃんとおばあちゃんとの時間は “特別な時間” 』

 

という意識を持つと少しは楽になるんじゃないかと思っています。

育てるのは親。だけど、見守るのが祖父母。

そんなふうに役割の違いを意識してみると、少し気持ちは楽になるのかもしれません。

 

・子ども時代に大切なたくさん愛されること

子どもにとって、たくさんの人に愛されながら育つというのは、きっとこころが豊かになっていくのではないでしょうか。

『無責任にただ愛してくれるおじいちゃんとおばあちゃんと過ごす時間』

それが、子どもの一生の宝物になるかもしれません。

そんな風に考えることが出来ると、親の私たちも心もほっとする瞬間が増えるのかもしれませんね。

 

私も近々子どもとともに実家に遊びに行きます。

その日もおばあちゃんと(おじいちゃんは他界していますので。)息子の笑い声が響く、温かい時間がたくさんありますように…と思いながら、その日を楽しみにしています。

今回の私事の記事が、子育て中の皆さんに少しでもお役に立てれば幸いです。

次週は、高塚早苗カウンセラーです。

どうぞお楽しみに。

 

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この記事を書いたカウンセラー

About Author

アルコール依存症の父からの虐待経験、学生時代のいじめから、恋愛依存、不倫や風俗を経て、自分を抑え付けるような結婚生活後、8年で離婚。その後自分に向き合い、今は穏やかに生きる。 過去のあらゆる経験をもとにして、恋愛関係、家族関係を得意とし、お客様と共に成長するスタイルを取る。