ソロウエディングをご存知でしょうか?
ソロウエディング(以下、ソロ婚)とは、一人で行う結婚式のこと。
独身女性を中心に、ウェディングドレスや和装(白無垢・色打掛)を着て、ヘアメイクや撮影をプロにお願いするフォトプランが人気のようです。
結婚の有無に関係なく、「自分へのご褒美」や「人生の節目を祝う」目的で利用する方もいるそうです。
●否定的な意見があっても
ソロ婚の話をすると、話した相手によっては
「一人でドレスを着て写真を撮るなんて、虚しくない?」
「結婚できなかった人がするものでしょう?」
「周囲から痛々しい人・寂しい人と思われそう」
「結婚式の真似事をすると、本当の結婚が遠のくよ」
といった否定的なコメントが返ってくることもあります。
しかし、結婚願望はないけれど、結婚式の願望がある私にとって、ソロ婚は生きているうちに体験してみたいことのひとつなのです。
ということで、今回はひっそりソロ婚で感じたことのお話しです。
あきれたい人は、あきれておいてくださいませ。
●「おめでとう」の威力
個人的に、親しかった人との関係が変わり、仕事でのポジションが変わり、このタイミングで「進化した自分になろう」と思ったタイミングがありました。
そこで、「自分が自分で生きる」と決意する儀式として、ソロ婚をしてみようと思い立ちました。
そんな動機だったので、「一般的な結婚をするわけじゃないけれど、いいのかな?」と迷いながら準備を始めたのです。
写真撮影だけのプランでも、衣装合わせ、ブライダルシェービング、ブライダルネイルなど、ブライダルイベントがいくつもあります。
そして、どこに行っても「この度はおめでとうございます」と祝福ラッシュでした。
祝福につられて、だんだんと喜びの気持ちが湧いてきたのは驚きでした。
また、不思議なことに、「おめでとう」と言われるたびに、決断したという現実感が増していくんですよね。
たとえて言うなら、戻ることなく前に進むように、次々と背中を押されていくような感覚です。
「がんばれ」の応援はゴールまでの支えになり、「おめでとう」の祝福はゴールした喜びを分かち合って実感していくもののように思えました。
日常でも、周囲の人たちと「おめでとう」を伝え合っていられたら、「おめでとう」を言う人も言われる人も幸せを感じていられるのでしょう。
●決断の強化レッスン
「結婚式は決めることが多くて大変」と聞いてはいたけれど、まさに決断の強化レッスンでした。
ソロ婚の場合は100%本人の希望で決められるわけですが、それでも式場ロケーション・衣装・付属の小物・メイク・髪型・ポーズ・写真のカット数・料金プランなど、決めることはたくさんあります。
ペアでの結婚式だったら、(ほぼ)一生に一度のイベントで「後悔したくない」プレッシャーと楽しさを感じながら、二人でお互いの意見を調整してひとつずつ決めていくものなのでしょう。
結婚式という儀式は、これから人生を共に過ごしていく二人の決断レッスンとして機能するものなのかもしれませんね。
ソロ婚の場合は、
「望むことを自分に許可するか?」
「自分の気持ちを大切にできるか?」
「自分にとって何が必要だと選べるか?」
「どれだけ喜びと楽しさを感じられるか?」
など、自分軸で自分と向き合うことになります。本来しなくてもいいソロ婚をすることは、それなりの対価を支払って、自主的に決断レッスンの強化合宿に参加するようなものかもしれません。
本気で「自分が決める」人になりたいならば、本当の自分と縁を結ぶためにソロ婚にチャレンジするのもひとつの方法だと私は感じたのでした。
●主役の自信
ポジティブになりたいのなら、幸せを感じられる環境に身を置いて、ポジティブな人たちと交流するといいと言われています。
ブライダル関連はおめでたくて明るい世界です。
自然と気分が華やぎやすい雰囲気があります。
さらに、プランナーさんは、できるだけ希望に沿ったイベントになるよう寄り添ってくれます。
また、ヘアメイク・衣装・写真の担当者さんたちは、いいところを引き出してくれます。
ソロ婚は「必ず主役になれる」と約束された舞台になっているようです。
主役体験は、自分の人生の主役という自信を取り戻すチャンスです。
人生の節目や再スタートのタイミングで主体的に何かしらの儀式をすることは、気持ちを整理するだけではなく、自信の回復にもつながりそうです。
●本番まであと3日
このコラムを執筆している時点で、ソロ婚の本番まであと3日です。
当日は何を感じるのでしょうね。
「私が私で生きる」と決意できますように。
そして、これからも私とかかわる人たちの幸せを祝福する機会がたくさんありますように。
以上、ソロ婚直前レポートでした。