がんばりすぎていませんか? ~長く仕事を続けるために大切なこと~

春は始まりの季節ですが、仕事においても何かと環境の変化が多い時期です。
新年度や新体制など切り替えもあるでしょうし、この春から社会人として新たな一歩をふみ出される方もいらっしゃるでしょう。
そういった環境や状況の変化が訪れた時には、新たな目標や期待が生まれる一方、がんばりすぎに気を付けていただきたいなと思います。

例えば新たな環境で心機一転、今まで以上に努力しなければと積極的にふるまったり、早くなじもうとして周りに合わせすぎてしまうことはありませんか?
ちょっとずつ自分のペースに戻していけるのならいいのですが、無理をし続けると心身の不調にもつながりかねません。
何を隠そう、数々の転職をしてきた以前の私のことです。

私は転職をするたびに、今度こそは長く働きたい!!という想いから、前職でうまくいかなかった部分を改善しようとしてきました。
もっと早く仕事をこなせるようになれば、もっと気を使って人と接することができれば。
もっとスキルアップできれば、待遇を改善してもらえるのではないか。
自分のがんばりや我慢が足りないから長続きしないのだと思ってきました。
もちろん意欲的に仕事に取り組むのも、周りに気を配ることも社会人として必要だと思いますが、私に足りなかったのは『自分を大事にすること』だったのではないかと今は感じています。

以前の私は、自分を大事にすることを、サボり・手抜きだと考えていました。
身を粉にして働くことがいいことだと思い込んでいたので、自分に割り当てられた仕事が終われば、すぐさま周りの仕事を手伝うのは当たり前。
「ほかに何か仕事はありませんか?」とたずねて回る私を見た上司に「休むことができないんだね」と困ったように言われるほどでした。
そうなると何が起こるかというと、割り当てられる仕事が増えます。
当たり前ですよね。
猛烈にこなして、また仕事が増えて・・・いつしか昼休憩の時間もとれなくなりました。
またある時は、新しい職場で今度はおとなしくしていようと周りに合わせていたところ、業務外の仕事を振られても断れずに毎日残業なんてこともありました。

そんな状況で働き続けるのは難しく、私の職歴は増えるばかり。
次の履歴書を書くのも一苦労です。
そして当時はこう思っていました。
「こんなに働いているのに会社が私を大事にしてくれないから、辞めるしかない」
確かにそういった面もあったと思いますが、会社よりも先に、私が自分を大事にできたらよかったのです。
自分ができること以上の仕事を抱え込むことは、会社にとっても自分にとってもメリットはありません。
ちゃんと休憩をとる、できないことは一人で悩まず相談する、引き受けすぎないなど当たり前のように聞こえることですら自分に許してこなかったため、体調を崩して退職をしたことも何度かありました。
体のことは自分にしかわかりません。
「もう限界!!」という心身のサインがあったはずなのに、大事にしてこなかった結果です。

けれど以前の私を褒めてあげるとするなら、めげずに転職をしてきたこと。
おかげで自分に合った会社と出会い、9年ほど勤めさせていただいています。
ひとりで無理をしすぎないことが、自分のためにも会社のためにもなっているからこそ続いているのだと感じています。

「何度も転職を繰り返してしまって・・」と悩んでいらっしゃる方の話をうかがうことも多いのですが、悪いことでも恥ずかしいことでもないと私は思います。
転職をおススメしているわけではありませんが、人生において仕事に長い時間を費やすからこそ、自分を大事にしながら続けられる環境を求めてもいいのではないでしょうか。

「もしかしてこの職場、自分に向いていないのでは?」
「今の環境で続けていけるのだろうか」
という疑いや不安が出てきたときは、無理をしすぎてはいないかと振り返ってみてください。
がんばっている自分に気付いてあげてくださいね。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

親との関係性、うつ、子育て、離婚、転職の経験を活かし、一人一人が「自分の人生の主人公」になれるようなサポートを得意とする。深い共感力と的確な分析力で、新しい視点から感情に向き合える場所を提供している。男性女性問わず「声を聞くと安心する」「前に進む力がもらえる」との声も多い。