職場で昇進することが決まった知人が、どこか浮かない顔をしていました。
当人としては、言葉にできないモヤモヤを抱えている様子。
心に湧き起こるモヤモヤの正体と、そのモヤモヤとどのように関わっていけば良いのかを考えてみたいと思います。
昇進することは、一般的に嬉しいことであり、おめでたいことのように思いますが、当人としては素直に喜べなかったり心にモヤモヤを感じていることがあったりします。
心にあるモヤモヤした気持ちを上手く言葉にできずに「モヤモヤした気持ちを感じてはいけない!」と、気持ちを抑え込もうとしても、なかなかモヤモヤが消える事はありません。
感情は、我慢すればどんどん大きく膨らんでしまいます。
例えば「怒ってはいけない」と、怒りを禁止したとしましょう。
腹が立つ場面で「怒ってはいけない。怒ってはいけない。怒ってはいけない。」と唱えてもイライラは消えません。
それどころか、3回「怒ってはいけない」と唱えているので、3回も怒りに意識が向いてしまっているのです。
試しに
「レモンの味を想像しないでください」
と言われたとしましょう。
いかがでしょうか?
レモンの味を感じませんでしたか?
頭で一生懸命にレモンの味を否定しても、否定するために一度レモンの味をイメージしてしまうので、なかなかイメージを払拭することができないのです。
このことから、「私たちの無意識や感覚は、否定形を理解できない」なんて言われたりします。
仕事で昇進する時に素直に喜べず「モヤモヤした気持ちを感じてはいけない」と抑圧するよりも、そんな時こそ、自分のモヤモヤする気持ちに意識を向けてみてはいかがでしょうか。
原因が分からない漠然としたモヤモヤを抱えるということは、原因が分からない漠然とした寒さに凍えるようなもの。
気合いで乗り越えられる人もいらっしゃるかも知れませんが、けっこうなエネルギーが必要です。
しかし、今が真冬だと気づいたら。自分が半袖であることに気づいたら。
モヤモヤの原因や理由に気付くことで理解や納得もできるでしょう。
気合いで乗り越えるより少ないエネルギーで済むかも知れません。
真冬に半袖で「どうして寒いんだ?」と悩むより、今が冬である事や半袖で居ることに気付くことで、何かしらの対策ができるようになります。
それと同じで、モヤモヤする原因が分かれば何かしらの対策ができるのです。
原因が分からず漠然とモヤモヤするより、原因が分かるだけでも納得出来たり、気持ちに整理がつきます。
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さて、昇進に対して嬉しいはずなのに「素直に喜べない」「なんだかモヤモヤを感じる」ということは、心に何かしらの抵抗感があるということです。
つまり、昇進したくないと思っている自分が居る。という事です。
頭では「昇進したい」と思っていても、心のどこかでは「昇進したくない」という気持ちがあるので抵抗感として素直に喜べなかったり、モヤモヤを感じるのですが、
「そうは言っても昇進したいと思って頑張ってきたのに、心の抵抗感とか言われてもわからない」
「そんな抵抗感など無い。」
と言われてしまいそうです。
そこで、
「もし、昇進したくないとすれば、なぜ?」
という質問を自分にしてみてください。
「自分には、昇進するほどの能力がない」という自信の無さ?
「自分だけ評価されて申し訳ない」という罪悪感?
「周りから妬まれるのが怖い」という恐れ?
「責任を押し付けられているように感じる」という被害者意識?
「自分の時間が取れなくなる」という自己犠牲?
10人いれば10通り。
十人十色の昇進したくない気持ちが隠れていそうです。
隠れているのですから気付かなくて当然。
そんな隠れた心の抵抗感に気付くためにも
「もし、昇進したくないとすれば、なぜ?」
という質問で、思いもよらない抵抗感に気づけるかも知れません。
そして、ネガティブな感覚を理解(受容)した上で、得られるもの(ポジティブ)に意識を向けて受け取ってください。
心で感じる感情や感覚を無理に我慢したり、無視するよりも、言語化してしまうことで気持ちが整理されて案外楽になれるものです。
無意識に抱える抵抗感、心のモヤモヤ、それらを無視するのではなく、言語化して気持ちを整理するヒントになれれば幸いです。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。