こんばんは
神戸メンタルサービスの平です。
まだまだ自分に自信がなかった子ども時代、私たちは自分と同じものを見ると安心し、そして、それに群がったりしたものです。
たとえば、幼いころは男の子は男の子と、女の子は女の子と遊ぶことが多く、しかも、自分と同じような年の子と遊ぶほうがなにかと楽しかったりするわけです。
心理学では、これを“類似性”と呼びます。
その後、どんどん成長し、自分に自信がもてるようになってくると、こんどは自分とは違うものに興味を持ちはじめ、自分がもっていないものをもっている人に魅力を感じるようになってきます。
これを心理学では“相補性”と言います。
海外旅行でいえば、まだあまり経験がないうちは、外国で日本人を見かけると、安心するし、ついつい話しかけてみたくなったりしますよね。
ところが、旅の達人になってくると、旅先を選ぶにしても、「日本人があまりいないような場所はないですか?」など、異文化や非日常を求めるようになってきます。
これも一つの“相補性”であるわけです。
そして、これは恋愛も同じです。
まだまだ恋に自信がないときは、趣味や関心事が同じであるということが、二人の絆を作ったりします。
「へぇ、いっしょなんだー」とか「彼と私は共通点が多くて‥‥」ということが大事な要素であるわけですね。
「わかりあえないのではないか」というそれまでの不安が、二人の共通点を見つけることによって、「つながりあっている」という安心に変わるわけです。
ところが、恋愛経験を重ねていくと、一転、「いままで、つきあったことのないタイプの人」とつきあうような場合も出てきます。
「こんなの初めて」とか「こんどの彼は、いままでの人たちと違って」というふうに、あなたとの違いや、これまでの男性との違いというものに魅力を感じたりするわけです。
そう、“違い”が魅力になるというのは、恋愛の力学の一つであるのです。
長い間、おつきあいをしていると、二人はどんどん同化していき、ある意味、あなたはパートナーを見切れるようになってきます。
よく空手や剣道の達人が対戦相手に向かって、「おまえの技はすでに見切っている」と言いますが、それと同じように、パートナーのパターンが見えるようになってくるんですね。
すると、もはやパートナーはミステリーでも不思議でもなんでもない、ただのヘンな人に成り下がったりすることもあるわけです。
「恋する心は3年しかもたない」とか「ホレたハレたは初めのころだけ」とよくいわれるのも、つまり、こういうことなのです。
どれだけおいしいものを食べたとしても、それが毎日では飽きてしまう‥‥、これも、この“同化”が起こっているからであるわけです。
つまり、“変化”という要素がないと、あれだけすばらしかったものも、どんどんつまらないものになっていってしまうのですね。
しかしながら、人は成長とともに興味や趣味の対象が変化し、そして、ものの見方考え方もどんどん変わっていきます。
そして、あなたが変化することにより、二人の間にまた“違い”が生まれ、その違いが新しい魅力となっていくようです。
なかには、「あなた、昔とすっかり変わってしまったわ」というセリフとともに、彼に失望してしまうというケースもあるでしょう。しかし、違う視点からコメントさせていただくなら、彼の変化に彼女がついていけていないときにこうなることが多いようです。
あなたが新たに興味をそそられていることや、新しく見つけた趣味などは、なぜか必ず、あなただけではなく、二人の成長に好影響をおよぼすものです。
それは、二人が永遠のロマンスを手に入れるために、必要なものなのかもしれません。
「つきあいだした当時、きみはとてもまじめな女の子だったんだけど、3年後にはインテリ女子になっていたね。その後、アウトドアが大好きな山ガールに変身し、いまはとてもセクシーなレディになっている‥‥」
こんなふうに、彼が思うことができるのだとしたら、彼はあなた一人としかつきあっていないのだけど、まるで何人もの女性と恋をしたような気分になれます。
もちろん、パートナーのためにと、あなたがむりやり変化する必要はありませんよ。
そうではなく、あなたの心が惹かれた方向にあなたが変化していくだけで、必ずこのようなことは起こるようなのです。
それも、なぜか、二人にとってとても大事なものに、あなたの心は興味、関心を惹かれることになっているようなのです。
来週の恋愛心理学もお楽しみに!!