かんしゃく持ちの君へ。こっちがキレたいわ!と思ったママより。

「ぎゃぁぁぁぁー!!!!!!」
何を言っても泣き叫ぶ我が子。
冷静になんて、なれない。
…なれたら苦労しないですよね?

子育て時代、ママ友とのおしゃべりの議題によく上がっていた「かんしゃく問題」。
「もうどう対応したらいいかわからない!」「こっちがキレたい!」
そんな声を聞くたびに、「わかる…!!!」と共感しながら、みんなでため息をついたものです。

「このままで大丈夫? こんなおこりんぼうさんじゃ、友達とうまくやれず苦労するんじゃ…」
かんしゃくしている間は、「どうにかしなくちゃ」と必死。そして、静かになった途端、今度は自分の中に広がる不安で胸がぎゅっと締めつけられていました。

 

「もういい加減にして!」と思うのも当然

子どもが何かに納得いかなくて、泣いたり怒ったりしているとき、
優しく寄り添うどころか、「どうにかして終わらせたい!」と焦りますよね。

「もういい加減にして!!!」って言いたくなるし、いや、正直に告白しますけど…「極道の妻ですか?」ってくらいの迫力で、「いい加減にしいや」と震え上がらせて終わらせようとしていたこと、私もたくさんありました。

 

お子さんの怒りに向き合うのがつらいとき

もしかしたら、親御さんも“自分の怒り”の感情を見ることができず、蓋をしてきたのかもしれません。
私自身も、誰かに怒りを感じるたびに、「気にしない」「考えない」でやり過ごしていました。
「怒ったって仕方ない」「怒っている暇があったら解決策を考えよう」と、そうやって、無意識に自分の怒りをなかったことにしてきたんです。

でも、そのせいで、子どもの怒りにもどう向き合えばいいのかわからなくなってしまいました。
「なんでそんなに怒るの?」「そんなに泣かれても困る…!」
そんなふうに、子どもの怒りを遠ざけようとしてしまったんですよね。

 

「知らない子のかんしゃく」は気にならないのに、なぜ?

公園やスーパーで、知らない子が大泣きしていても、腹は立ちませんよね?
「ああ、大変そうだな…」と思うくらいで、特に心を動かされることはない。
でも、自分の子どもがかんしゃくを起こすと、怒りが湧いてくる。
それはきっと、お子さんをどう愛そうか、どう理解しようか、一生懸命に向き合っているからこそ、 なんですよね。
なんとか気持ちを受け止めようとして、どうすれば伝わるか試行錯誤して、それでもわかってもらえなかったら、悲しいし、腹も立つ。

それだけ、本気で向き合っている証拠。

「なんでこんなにイライラするんだろう?」と思ったら、それは 「自分がこの子を大切に思っているからこそ」 だと、思い出してみてください。

 

“怒りの感情を受け入れること”とは

怒りを感じたときに大切なのは、
その奥にある、お子さんへの想いに気づくことが大切です。
「こんなに一生懸命向き合ってるのに!」
「どうしてわかってくれないの?」

そりゃ怒りを感じますよね。
だって、それだけ お子さんを大切に思っている から。

「私、この子に、お友達とたくさん笑ってほしいんだな」
「自分の気持ちを上手に伝えられるようになってほしいんだな」」

そんなふうに、怒りの奥にある“想い”を見つけると、それを言葉にして、お子さんに伝えてあげることができます。

 

お子さんの怒りの奥にも、気持ちがある

かんしゃくの奥にあるのは、悲しみや不安かもしれません。
「助けてほしい」「わかってほしい」「愛してほしい」
でも、それをうまく言葉にできなくて、かんしゃくという形になってしまう。
だから、まずは気持ちを受け入れることが大事になってきます。

「この子は、今、悲しんでいるのかもしれない」
「助けてほしい、わかってほしいと思っているのかもしれない」

怒りの奥にある気持ちを受け止めてあげることで、子どもも安心して、自分の気持ちと向き合えるようになっていきます。
そして、それは親自身にも言えることだと思うのです。

 

親の怒りを受け入れると、子どもの怒りも見えてくる

自分の怒りを受け入れると、お子さんのかんしゃくも、もう少し楽に受け入れられるかもしれません。

「私、なにを我慢してきたのだろう?」
「私、なにをわかってほしかったのだろう?」

お子さんに問いかけるように、ぜひ、親御さん自身にも、優しく質問してあげてくださいね。

 

こんなおこりんぼうな子で大丈夫?

これだけ怒れるというのは、その奥に、大きな想いがある証拠。
「助けて!」「わかってよ!」
そう叫びたくなるほど、親御さんのことが大好きで、感受性が豊かで、情熱を秘めているのかもしれません。

今は感情のままにぶつかってくるけれど、受け止めてもらう経験を重ねていくことで、やがて 自分の気持ちを整理し、言葉で伝えられるようになっていくものです。

子どもも親も、完璧じゃなくて大丈夫です。

肩の力をふーっと抜いて、「ちゃんとやれてるよ」って、自分に伝えてあげてくださいね。

私のお話が、少しでもお役に立てたら幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
来週は、池尾千里カウンセラーがお送りします。どうぞお楽しみにしてくださいね!

 

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孤独感の中で生き続け、離婚や再婚、うつを乗り越えた経験から、パートナーシップや自分自身の問題を多く扱う。圧倒的な受容力と繊細な感性を活かし、言葉に出来ない感覚や感情にフォーカスすることが得意。問題に隠れた愛や魅力を見つけ、クライアントが安心して自己実現できるようサポートをしている。