なぜ幸せ禁止の暗示をかけてしまうの?不幸の暗示を解くには?
自分が幸せになるのを妨げてしまう4つの心理要因として、自己犠牲・完璧主義・罪悪感・無価値感を解説し、簡単にできるセルフケアをご紹介します。
「結果が出ても、まだ足りないと思う」「休みが怠けに思える」「楽しむことが申し訳ない」と思うことはありませんか?
実は、心の奥に「私は幸せになってはいけない」という思い込みがあると、無意識に幸せやラクさや楽しみを自分に禁止してしまうのです。望んでいるわけではないのに、つらい状況に身を置いてしまう場合もあります。
「幸せになってはいけない」の背景にある心理要因のうち4つを解説し、幸せに近づくためのヒントをお伝えします。
●自己犠牲
「周囲の期待に応えなきゃ」と人を優先して、自分の幸せを後回しにしていませんか?
楽しむことを「自分だけ申し訳ない」「悪いことをしているよう」と思う方がいます。心理的な背景としては、家族に我慢や犠牲があって、「私はいいから」と言われたり、「あなたはいいわね」と嫉妬されたりした経験がある人が多いようです。
このタイプは、誰かを思っての我慢、言わずにのみこんだ思いがあるのではないでしょうか。そこにある自分の愛に気がついて「よくがんばったね。もう幸せになっていいよ」と自分に言ってあげてくださいね。
●完璧主義
「もっとがんばらないと」「まだ足りない」と思っていませんか?
完璧さを目指す意欲は素晴らしいものです。しかし、目指す水準が高すぎると、「できない」ばかりが気になるでしょう。心理的には、自分はダメだと自分を責めている状態で、ダメな自分に幸せがふさわしいと思えないわけです。
例えば、恋人がいて「稼いで社会的地位を得てからプロポーズしよう」と考えていると、結婚まで時間がかかるでしょう。二人で一緒に過ごすことより、自分が完璧になることが大事になっていたら、幸せになる選択を逃してしまうかもしれませんね。
「完璧かどうか?」より「今の自分にできるのは?」という視点を持ってみましょう。完璧な人はいない、誰にでも不完全な部分はあると認めると、「幸せになっていい」という感覚が手に入れやすいでしょう。
●罪悪感
「あんなことをした自分は幸せになる資格がない」と、過去の行いを悔やんでいませんか?また、「できたはずのことをしなかった」「あの時、ああしておけばよかった」と自分を責めていないでしょうか?
「私が悪い」と感じる罪悪感があると、もれなく「私は幸せになってはいけない」と思い込みます。たとえ他の人が許しても、自分が自分を許せないと苦しむケースも多いです。
罪悪感は、心の奥にある本当の気持ちへの理解と、癒しの体験があるといいようです。できれば心の専門家と取り組んでいただきたいのですが、簡単に説明すると、罪悪感の奥には「本当はこうできたらよかった」と相手の幸せを願う気持ちが隠れています。この気持ちを体感すると、罪悪感が別の感情に変化するでしょう。
●無価値感
「私なんかが」と自分を過小評価していませんか?自分が偽善者に思えたり、本当の自分を知られたら嫌われると思ったりしていないでしょうか。
自己評価した分だけしか「幸せを受け取っていい」とは思えないようです。逆に、自分自身を肯定的に思うほど「幸せになっていい」と思いやすくなります。
もし「私には愛される価値がない」と思うなら、それは子供の頃や過去の恋愛で感じたことが原因になっているのかもしれません。例えば、「わがままだ」と言われて「私が私のままでいると人を困らせてしまう」と思ったとか。ケンカの多い両親が離婚して「自分は何もできなかった」「家族の役に立てなかった」と思ったとか。
上手にできなかったけれど、あなたなりの言い分や努力があったはずです。誰かに否定されたとしても、もう一度、大人の目線で客観的に当時の自分を振り返って、肯定評価に取り組んでいきましょう。
●幸せに近づくために
「幸せになってはいけない」と自分にかけた不幸の暗示を解くための方法はたくさんあります。ここでは、個人で取り組める方法を2つ紹介します。
1)セルフハグ
自分自身を優しくハグしてみましょう。そして、二の腕を優しくさすってみましょう。
「幸せになってはいけない」と思っているとき、自分を雑に扱ってしまいがちです。だから、意識的に優しく自分を抱きしめてあげてくださいね。
生まれたての赤ちゃんだった頃、大切に扱われた感覚が記憶されています。セルフハグによって、自分は大切な存在だという体感覚を取り戻していきましょう。
2)肯定的に素晴らしさを認める
自分を肯定的に感じること、自分のがんばりを意識的に認めていきましょう。
自分を認めるのが難しかったら、まずは人のいいところや人の素晴らしさを認めていきましょう。なお、「それに比べて私は」と比較しないで、「あの人のここが素晴らしい」とだけ感じてみてくださいね。
人を肯定し、人の素晴らしさを認めていくと、そうできる自分を肯定的に思えるでしょう。自己肯定していくほど「私も幸せになってもいい」と自分に許可が出しやすくなるでしょう。
(完)