手放しの力(3)~ニーズを手放して良いものを受け取る~

ニーズとは欲求のことです。
誰にでもあるものですね。

ニーズは誰にでもあるものであり悪い物ではないのですが強いニーズがネガティブな感情を作ることがあります。

カウンセリングでそういうことがわかった時は“ニーズを手放す”という提案をさせていただくことがあります。

それはニーズを持たないようにしましょうということではなく、ちょっと緩めて見ませんか?という提案なのです。

 

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例えば、Aさんという男性が奥さまに「愛している」とか「好き」というのをもっと声に出して伝えて欲しいという強いニーズを持っていたとします。

Aさんが奥さまに「愛している?」と聞いたところ、奥様は「10年前の結婚式の時に言ったじゃない」とはぐらかします。

奥様は恥ずかしがり屋で言えないタイプだったのです。

しかし、「愛している」とか「好き」というのをもっと声に出して伝えて欲しいという強いニーズを持っていたAさんは言ってくれないことにフラストレーションが生まれます。

そしてそのフラストレーションから奥さまに対して攻撃的になっていくのでした・・・。

そんな時に“ニーズを手放す”を提案をさせていただくのです。

強いニーズがフラストレーションを生んでいるようなので、生まれないようにするために“ニーズを手放す”ということをしていくんですね。

「愛している」とか「好き」というのをもっと声に出して伝えて欲しいそんな愛し方をして欲しいそうじゃなければ嫌だというニーズを緩めて、そうしてもらいたけどそれ以外の愛情表現でも受け取っていこうと思っていくんです。

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強いニーズがある時はそれ以外のものが入ってきても喜べないことがあります。

例えば、Aさんの奥さまは恥ずかしがり屋で「愛している」とか「好き」だと言葉で表現をすることが苦手なのですが、奥さまはAさんが体を気遣って栄養管理を頑張ってくれていたり、Aさんのしたいことを応援してくれたりとAさんのことを非常に愛してくれていたとします。

しかしAさんが「愛している」とか「好き」というのをもっと声に出して伝える愛し方をして欲しいと強くを思っている時は、奥さまが与えてくれているAさんが希望しているものと違う愛し方を喜びにくくなることがあるのです。

『僕の欲しいのはそれじゃない』という感じになるので喜べないのです。

また、Aさんの欲しい愛し方以外の愛し方をしてくれていることに気づきにくくなることもあります。

その為、『僕のことを大切にしてくれていない』と感じてしまうこともあります。

しかし、Aさんがニーズを手放していくと奥さまがしてくている奥さまなりの愛し方に気づきやすくなり、それを受け取り喜びやすくなるのです。

『僕の欲しいのはそれじゃない』というのが無くなるので違う愛し方でも受け取れるし喜びやすくなるわけです。

ニーズを手放すことで今与えてくれているものを受け取り喜べるようになることがあるのですね。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。