お金の価値は、交換価値です。
お金は、ある時間と場所で、「交換できる」とみんなが合意したから価値があるので、その合意のないところでは、ただの金属の破片であり、ただの紙キレです。
つまり、お金とは一つのモノの価値を同じ価値をもつ他のモノと交換するための媒体で、社会の中でモノを交換し、変換させる集合意識です。
例えば、働くということは、自分の労力と時間を賃金という名前のお金と交換することです。労力というエネルギーと時間というエネルギーを差し出して、それをお金に換算したものが賃金になるので、お金もエネルギーの一つの形です。
そのお金で、恋人と三ツ星レストランで食事を楽しんだとします。そのお金は、今度は美味しい食事と楽しい時間(=恋人との関係性)と交換されました。
このように、もともとあった<自分の労力>と<時間>は、仕事(働くこと)とお金を介して<美味しい食事>と<(恋人との楽しい)時間>に変換されたことになります。あるモノと同じ価値をもつ違うモノと交換を繰り返すことで、自分がより欲しいものを手にいれることができると、豊かだと感じられます。
逆に言えば、最初から私たちはみんな何らかの価値をもっていて、欲しいものを手にいれるために、豊かさを感じるために、それを何と、どう交換するかが問われているのです。
誰でも平等にもっている資源は「時間」です。なので、この「時間」をどう使い、明日のお金に変えるか、が「お金が欲しい」人にとって一番大事な問いになります。
ご自分の時間を何に使っているか、ご存知ですか?
1日のうちのどれくらいの時間を、すぐにお金につながる活動(例えば賃金労働)に使っていますか?
そこにかけている時間と労力のエネルギーの総和は、もらっているお金と釣り合っていますか?今はそうでもなくても、将来的に見合いますか?お金の額とは合わないけれど、その仕事から得られる喜びまで考えれば、十分すぎるほど見合っている、という方もおいででしょう。生き甲斐のあるお仕事をされているとそう感じられるでしょうね。
逆に、お金は十分もらっているけれど、気持ち的にどんどん負荷が増えて、お金のプラスを気持ちのマイナスで崩している、と感じるときだってあるでしょう。
この場合、気持ちの立て直しができないと、いずれはお金を生んでいる仕事でも続けることができなくなりますから、心の声をよく聞いてみる必要があります。何らかの欲求を我慢しすぎているのかもしれません。
すぐにはお金にならないかもしれないけれど、中期的に、お金につながるような知識や技術の習得に時間とお金をかける、という将来への投資的な発想も大事ですね。この場合、どのくらいの時間をかけてお金に変えていきたいか、大雑把でいいので目安があるといいですね。その時間枠で、それが現実的な目標かどうか、見直すことができます。
時間と並んで大切な、資源となりうるエネルギーが「愛」。
この場合は、「好き」とか「やる気」という気持ちです。同じ時間をかけても「好き」や「やる気」があるのとないのとでは、作り上げた商品ないし、仕事のパフォーマンス(例えば接客業ならば、スマイルの持つ力)が変わります。
それがお客様の反応の違い、同僚からの信用の違い、になり、ひいては得られる「お金」の額や他の収入のチャンスに反映されます。
お金が生み出す豊かさを受け取りたいと思うとき、お金そのものを追いかけてもなかなか思うようにはいきません。お金を持つことで、何をしたいのか、「願い」やヴィジョンを思い浮かべながら、毎日のお金の使い方を少しでも自分の価値観に沿うように変えていきます。
と同時に時間の使い方がお金につながるかどうかをチェックしてみてください。皆さまの「時間」が、「お金」に変わり、それが「安心」や「ワクワク」のある豊かな体験へと変わりますことを願っています。
(完)