○子どもの思春期

母親をやってきて、一番葛藤があったのはやはり息子が思春期のころでした。
中学に入って2年生あたりから、息子がえらく不機嫌な態度をとるように
なりました。
小学生の頃はなんだかんだあってもかわいらしかった息子が、まるで人が
変わったかのようにかわいげのない態度。


私「学校では今どんなことしてるの?」
息子「別に・・」
私「誰と遊びに行くの〜?」
息子「関係ないやろ」
ほとんど聞き取れない、口をあけるのもめんどくさそうなその返事に
「返事くらいきちんとしなさーい!!」と毎日のように怒っていました。
ここで母親がひっかかる罠は、かわいかった息子がかわいくなくなった。
ようは子供のマイナス面ばかりが目につくわけです。
いい子だった子供が悪い子になっていくのではないか・・・という怖れが
ますます母親を口うるさくさせるわけです。
では子供たちは何を感じてるかというと、やはり自分は悪い子になっていく
のではないか・・という同じ怖れを感じています。
悪い態度をとる自分を一番受け入れられないのは、実は本人そのものなのです。
こんな自分は親から受け入れられるわけがない!と感じれば感じるほど、
親と距離をとりたがります。
ここでよくあるのが、同じように“自分は悪い子”と感じてる仲間とつるみ、
お互いを受け入れあい、居場所を確保していきます。ようは不安なわけです。
あるいはまったく人と関わらずに自分の中に引きこもってしまい、この不安な
感情を回避するためにゲームなどに没頭したりする場合もあります。
悪いとわかっているなら態度を改めろ! 大人はついつい自分のことを
棚に上げて、こんなことを言ってしまいたくなります。
私たちにも経験があるように、思春期の時期というのはとても危うい時代です。
子供だった自分から大人に変わっていくとき。まさに脱皮ですよね。
子供のエネルギーと大人のエネルギーが交じり合うとっても気持ち悪さを
感じる時期でもあるわけです。
カウンセリングの実例や、うちの息子二人を比べてみても、子供の頃いい子
(親の期待に答える子)だった子ほど、思春期の葛藤は大きいようです。
この脱皮に失敗すると、(反抗期に反抗出来ないでいると)、人生のどこかの
地点でやはりここを通ります。
親の期待に答えるために会社を選ぶと、自分のためにやめます。
親のために結婚すると、自分のために離婚します。
思春期というのはアイデンティティーを確立させるとっても大事な時期です。
子供の頃に誰もが持ってしまう “いい子の自分しか愛されない” という
観念を大きく変えてあげられるチャンスでもあるわけです。
この時期こそ親の愛の見せどころです。
心配という罠にひっかからないよう、信頼を送り続けることですよね。
どんなに悪態をついて、子供たちが悪い子の自分を証明しようとしても、
子供たちの持つ本質の光や価値の部分を見続けてあげてくださいね。
子供たちは小さかった頃、母親としてまったく不完全だった私を、心から愛し、
求めてくれました。
感情的に怒っても何分後かには「おかあさ〜ん」としたってくれました。
私自身が愛せなかった私を、子供たちは全面的に愛してくれてくれていたん
ですよね。
あ、夫もそうだったわ^^
悪い子の自分が受け入れられてこそ、真の繋がりや安心感(居場所)が築けます。
これは夫婦も同じですよね。
このプロセスを経て、今息子たちは私の最高の協力者となりました。
そして息子たちにとっても、私たち夫婦は一番の協力者だと感じてくれている
だろうと思うことが出来ます。
上の息子は音楽の道に夢を追い続けています。
下の息子は語学に興味があるらしく、海外の大学に行きたいと、今は資金集めで
バイトに明け暮れています。
二人ともまだまだ発展途上。
私もついつい心配という罠に引っかかりながらも、彼らが彼らの人生を、
自分の足で納得出来る生きかたを歩いてくれればと思っています。
思春期の時期を、子供たちが大人に変化していく楽しみとして捉えていきたい
ですね。

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